困った。
自分を含めた人間が、悉く信用出来ない。
疑ってかかる心を持つべきだ、と、私をよく知る友人に言われた事があったが、ここまで人間を信用出来ないと、自分がどうやって生きていけばいいのかわからなくなる。
他人を信頼しなければ、自分が信頼されることは無い。
どうしてこうも疑心暗鬼になってしまうのだろうか。
自分を好いてくれる人でさえ、心の底では何を考えているのだろうと思うようになってしまった。
見えていた筈の目標でさえ、今は何処かに隠れて、目を凝らしても見つけることが出来ない。
久しぶりに、携帯電話の電源をオフにした。
誰とも話をしたくない。面倒なことに巻き込まれるのはもう嫌だと思う反面、誰かに必要とされたいと願う。
結局“面倒なこと”を起こしているのは、自分自身なのだ。
枯れ果てた涙は、いつかまた溢れることがあるのだろうか。
一人、静かな部屋の中で、酒を煽り、煙草を嗜みながらそんなことを考える。
無音。無気力。無感動。
他人を利用し、自分を利用され生きていくシステムは、もううんざりだ。
人間は自分よりも弱いものを見つけて、安心したがる生き物だ。と、何処かの作家が言っていたけれど、本当にその通りだと思う。
もうそんな生き方は真っ平だ。勝ち負けを気にして何時まで生き永らえるつもりなのだろうか。
生きよう。
嘆きばかりの日々にも、心から笑える出来事は、ある筈だと信じたい。