フランスでは、ちゃんと主張しないといけないという風潮があるように思えました。
フランス在住のオリーやビビアンやフランス人のシリルやフランスをよく知るビアトリスから、
フランスで生きていくためには
「強くないとダメ」
「ちゃんと主張する」
「意見を言う!」
パリに着いて、ビアトリスは薬局で何を買いたいかわかっていて、それを薬局の若い女性の薬剤師に頼んだら、
その女性は「どういう症状なのか、なぜそれが欲しいのか、その薬はどのような効果があるのか」とか聞いてきて、
「(彼女)はこの薬は知らないから効果はわからないし、期待しない」とか言ったらしい。
それで結局、薬を売ってくれたらしいけれど、
ビアトリス曰く、「彼女に情報を与える必要なないし、彼女の意見を私は聞いているわけでもないのに、典型的なフランス人の自分の主張をしないといけない嫌な面」と。
「顧客が欲しいと言っている普通に販売されている薬なのに、なぜに素直に売ってくれないのかしら!」と、普通なら『None of your business(あなたに関係ないわ!)』と言いたいところだったけれど、まずは我慢。時間を余分に取られて顧客フレンドリーじゃない!」と(-_-)
私はポカーン(^_^;)
次はアパートで、アパートを出る時にアパートの部屋の窓を開けていたので、ドアを閉める時に風でバタン
ほどなくして近所の女性が出てきて、険しい顏で「ドアは静かに閉めてちょうだい!」
(◎_◎;)
ビアトリスはその場で「すみませんね。風で閉まったもので」(´・_・`)
女性「今後、十分に気をつけてちょうだい!」(´・_・`)
ビアトリスは私にその後、「自然現象で1回バタンと強く閉まったくらいで、飛んできて文句を言うなんて大人気ない!彼女自身本当に暇でunhappyな人ね!こういうunhappyな人に気分を害されたくないわ!」
次はシリルさんの大好きなコーヒー屋さんへ行って、ビアトリスが帰りがけにコーヒーを買おうと店員に注文したら、
店員「閉店の5分前で、閉店の準備をしないといけないので、もう売れません!明日にでもまた来てください!」
これにはビアトリスは憤慨。
「この店に二度と行きたくないわ!学生アルバイトだろうけれど、オーナーは知っているのかしら?レジも閉めていないし、閉店の準備より売り上げファーストでしょう!自分のバイトタイムのことばかり考えて、本当に仕事のことを思っていないわね!二度とこの店に来たくないわ!グーグルでコメントを記入するわ!」
シリルさんからのパリからの唯一のお土産のお願いは、このコーヒー屋さんのコーヒーだったので、私が翌日買いに行こうかとしたら、ビアトリスさんも行くのに渋々同意。前日のバイトの女性はいなかったけれど、そこにいた女性にビアトリスは前日のことを報告。
報告されても~っていう感じで女性は対応していたけれど、正義感が強いビアトリスは「好ましくないことをそのまま放っておくのはよくないと思うの。きっとオーナーはこんなこと知らないわ。他の人が同じ思いをしないようにちゃんと現実をオーナーは知って店員に教育すべきだわ!」
昨日の店員はビアトリスに丁寧に接して、ビアトリスも沢山コーヒーを買って良いカスタマーだったのでした。
3日間なのに、いろいろとあるのですが、極めつけは私のアプリコットタルト。
1人で食べに行って、クロワッサンとカフェオレがあまりに美味しくて、カフェオレもまだ残っていたので、美味しそうに見えたアプリコットタルトを注文することにしたのでした。クロワッサンは1.2ユーロで200円でリーズナブル。アプリコットタルトは4.2ユーロで700円だけれど、美味しいものを食べなくちゃ!と。
やけに焦げたのがあるな~と思ったのですが、焦げていたのは1個だけだし、手前のは皆美味しそうだったので、店員に「アプリコットタルトをお願いします!」とレジにいた女性に行ったら、「レジに来て言って!」と。
そこでレジでアプリコットタルト代を払って、女性は箱に入ったアプリコットタルトを私に「はい!」という感じで渡して、クール。
箱を開けたら、焦げていた1個が入っていて、何か東洋人だから何でいいと思われたのかなと内心ガッカリしながら、焦げたところを避けて食べて『1/3は食べれたからいいかな。ちょうど良い量かな』と思って、シリルとビアトリスに「お気に入りのオーガニックベーカリーで楽しんでいるよ!」と写真を送付。
これにシリルとビアトリスは大怒り。
ビアトリス「これ焦げてるじゃない!こういうタルトはキャラメライズするけれど、これは焦げ!何で受け入れたの?」
シリル→ビアトリス「これはひどい。何でこんな焦げたのをYokoに売るんだ!店に文句を言うべき!言いに行ってよ!」
ビビアン「これは焦げよ。こんなの食べちゃダメよ!食べたの?」
ビアトリス「なぜ断らなかったの!?」
私「私は最初に手前のを指したのに、箱に入れて渡されたのが唯一あった焦げたものだったの。がっかりしたけれど、箱に入っているししょうがないかなと思って。クロワッサンを食べていて、そんなにお腹が空いていたわけじゃないからいいのよ。」
ビアトリス「そういうわけにはいかない!きっとYokoは旅行客だからいいと思って渡したのよ。そういう根性が許せない!お店に行かせて!お店にとってもよくないわ!良い物を作っていても台無しよ!Yokoは恥ずかしかったら一緒にいなくていいから。Yokoは日本のオーガニックの検査員で、このオーガニックパン屋さんのことは酷評するだろうと言ってやるわ!」
シリルからもビアトリスに「お店に行った!?」と確認の電話あり。
大変なことになっていて、私は内心「あ~あ」でも少しほっとしたこともあり。だって焦げている唯一のを私に渡されてがっかりしたのは事実だから。
お店に行って、私にサーブした女性をビアトリスに教えて、私は店の外で待っていて、ビアトリスと店員ともう一人の店員との会話が長引いていたのでハラハラ。
ビアトリスが新しいアプリコットタルトを手にニコッ
ビアトリス「何を今日はお望みかと女性に聞かれたから『あなたに話すことよ』と伝えて、なぜ焦げたのを友達に売ったか聞いたのよ。そうしたら『嫌だったら言えばよかったのに!キャラメライズしたのを好む人もいるんです』と言うから『これはキャラメライズと言わず、焦げたというのよ!これを渡すのもどうかと思うけれど、このところに置くのもどうかと思うわ』と言ったら、『これは焦げていない』と言い張るから『焦げているでしょう!少しの焦げは仕方ないけれど、こんなに焦げているのを日本人の友達に売って、彼女はガッカリしていたし、私達もビックリしたわ。彼女は日本のオーガニック検査員で有名なのよ。オーガニックベーカリーでこんなものを売っていたと悪い評判が広まったら、せっかくの良い店も台無しでしょ!?私達としてもガッカリよ。』と言ったら『彼女に会うことがあったらこのタルトを渡してほしい』と言って渡してきたの。感じは良かったわ。今後ショーケースに置くものに気を付けると思うわ。あの店は大好きだからこそ、ちゃんとしてもらいたいの」
ビアトリスはその後、そのお店で沢山パンを買って帰ったのでした。
ビビアン「最初、シンガポールから移住してきたとき、市役所の対応がひどくて、やっと担当者に会えると、担当者によって違うことを言って、時間がかかってビックリしたの。平気で2-3週間返事がなかったりして、それでどうなったか市役所に聞きに行ったら、文句を言っている人が先に手続きをしてもらっているのを見て、『これは何?文句を言えば先にしてもらえて、静かにおとなしく待っている人はどんどん後回しなの!?』って思ったの。それからはフランス人の友達からも聞いて、ちゃんと主張することにしたの。そういう主張する習慣の国だから、ストライキも多いのよね。ストライキで遅れてしまうことも多いのだけれど、国の言いなりになるのではなく、国民がちゃんと意見を言うという姿勢は重要でもあるわね」
なかなかフランスの生活に慣れるとどうってことないのかもしれないけれど、この3日間だけで、国民性の違いを感じた次第。
ビアトリスも強いし、私の他のドイツの友達を思ってもビアトリスと同じ正義感が強いから、ドイツも同じ感じなのじゃないかと思ってしまいました。
フランス人もスペイン人も同じラテン系でも、スペイン人はもっとのんびりな感じ。
空港でも全く違う雰囲気。
スペイン人はのんびりで呑気で手続きとか遅かったりするという問題はあるけれど、EUの中でもスペイン人は楽天的で一緒にいて楽とビアトリス。