尊敬する方から、この本がプレゼントで送られて来ました。

 

 

 

 

2つの詩なので、ざっと目を通させていただこうと思ってページをめくったら

 

もう涙が止まらなくなりました。(鼻水も)

 

まいったー

 

でもそのおかげでスッキリしました。

 

素晴らしい本です。

 

詩も素晴らしいし、クリムトの絵も素晴らしい。もともとクリムトが大好きだったので尚更、吸い込まれました。

マイオットーと一緒に朝散歩した風景に似た絵もあり、まいりました。


文の中から

「死ではなく、その人が じぶんのなかにのこしていった たしかな記憶を、わたしは信じる。」

 

著者の長田弘さんの「あとがき」も素晴らしい。

 

一人のわたしの一日の時間は、いまここに在るわたし一人の時間であると同時に、この世を去った人が、いまここに遺していった時間でもある...

 

亡くなった人が後に遺してゆくのは、その人の生きられなかった時間であり、その死者の生きられなかった時間を、ここに在るじぶんがこうしていま生きているのだという、不思議にありありとした感覚

 

本の帯の落合恵子さんのコメントもジーンときます。

 

喪失の悲しみをいやすことはできないし、その必要もないと考えるわたしがいる。

なぜならそれは、まるごとの、そのひとを愛したあかしでもあるのだから。

悲しみさえもいとおしい...

 

この本は最初のページから続けて読むと、じんわりに響いてきます。

著者の長田氏も奥様の瑞枝さんが旅立たれた翌年にこの本を出版なさっているので、長田氏の思いが文章からリアルに伝わってきます。

 

この本をベッドサイドに置き、寂しさにうちひしがれそうになったら、クリムトの絵を見ながら長田さんの詩をひとり声に出して読もうと思います。

 

「長田弘 詩ふたつ」   長田 弘  グスタフ・クリムト画 (クレヨンハウス)

  花を持って会いにゆく

  人生は森のなかの一日