まずは除草剤の成分「グリホサート」のこと。
日本では安易にホームセンターなどで買える除草剤。
特に考えずに気軽に使っている方々もいるかもです。
WHO(World Health Organization世界保健機関)の外部組織である国際ガン研究機関が除草剤に使用されているグリホサートは発ガンに影響があると2015年に発表しました。
そして、実際にグリホサートの除草剤使用によるガン発症について、米国の患者らが製造元のバイエル社を相手に起こした訴訟でバイエル社は総額109億ドル(約1兆1700億円)支払うことになったことは有名な話。
海外においては30数か国(もっと増えているかも)で使用が禁止になっていて、中国でも規制があるもの。
通常の尿にもグリホサートが検出されるほど、日本では使用頻度の高い農薬。
「除草剤」という名前からして、「雑草を枯らすだけだし、ホームセンターで買えて誰でも使える便利な薬」で、劇薬ではないので、軽い感じにとらえられていると思うのですが、長い間使うことによる健康被害としては海外では超問題視されているもの。
私が28年前にオーガニック検査員になった時に、欧米の先輩検査員達が口にしていたのは、「一番嫌いな農薬は「除草剤」」と言っていたことを思い出します。
先輩達が話していたこと
「薬は人間も重病になった時に使わなくてはならないこともあるかもしれないから、農地でもどうしても農薬を使わざるをえない時もあるかも。
その土地は数年はオーガニック/有機としては認められなくなるけれど、仕方ない。
でも、それはその重要な問題を対処するためであって、一時的な特別使用。
「除草剤」は定期的に継続的に使用する場合が多く、「病気」だから使用するのではなく、結局は「便利」だから使用する薬。
継続的に使用することによる土、川、海、空気へのダメージや汚染の影響を考えると恐ろしいから認められない」
日本は今や先進国で一番の除草剤使用国、いや対面積あたりの農薬使用量は世界1位。(韓国が2位)
知ってました!?
それなのに、それなのにですよ~
残留農薬基準値を2017年には、日本では小麦は基準完成前の6倍に引き上げ。蕎麦は150倍も緩和という大幅緩和。
全体的に残留農薬基準値が高いために海外に輸出されたイチゴが農薬基準値越えで処分されたりしていることは一般報道されていないような...。
2019年5月22日の参議院での国会答弁(消費者問題に関する特別委員会)で福島瑞穂議員がこの日本におけるグリホサートの問題、高い残留農薬基準値の問題を政府に提示して早期対応を求めても4年経った今、何も変化なく。
欧米ではガン患者が減っているという情報。
逆に日本ではガンになる人が2人に1人と言われている昨今。
欧米に比較してガン患者が異常に多いのは、農薬の問題もあるのではないかと思ってしまいます。
尿や髪から農薬が検出されるという調査結果の情報を聞くと、明らかに体内に農薬はある程度、残留するということを示しているわけですね。
日本は欧米に見習って早急に対応することも多いのに、なぜ残留農薬基準値を下げる対応とかは見習って実行しないのか!?
声をあげている消費者団体なども多いのに、なぜ変更ならないの!?
もちろん、残留農薬基準値が高くても、農薬を使用していない有機農家やこだわり農家、農薬を定期的に使用するわけでなく、農薬を極力使用しないように工夫して栽培してくださっている生産者は多くいるわけで、そういう生産者の作物を選ぶ人が多くなると、そういう作物の生産が全体的に増え、国民のニーズや要望が政府に伝わって、やっと政府が動いてくれるか...!?
それが、いつになるかわからないけれど、そうなっていくことを期待しつつ、
まずは、多くの人々が自らの健康のためだけでなく、日本の環境のためにも、自分の体を作る食べ物を選ぶときに、注意して選んでもらいたいと思います。