後で書かせていただくとお伝えした小野崎糀店さんのお話。
小野崎糀店さん
麦味噌、玄米味噌、甘酒、麹、塩こうじ等、ここで全て作られていて、ここで買えます。電話注文も出来ます。
私にとって、お味噌は欠かせないもので、冷蔵庫の中にも数種類の味噌が入っていますが、この小野崎糀店さんのお味噌は特別な思い入れがあります。
今回買わせていただいたもの。
小野崎さんのことはアメリカに住んでいた頃から存じていました。
だからもう40年近くになるのでしょうか。
味噌の本に小野崎さんの名前が出ていて、お味噌も自然食品店で購入していました。
他のお味噌と数段味が違うのがわかりました。
この小野崎さんのことを私の本で紹介させていただいているので、お読みになった方もいらっしゃるかもしれません。
詳しくは、この「家族と食べたい!」食品選び (東洋経済新報社)
のP111~115に書いていますので、読んでみてください。
お味噌は早いのは1週間で作られて出荷されるものもあり、3-4か月間熟成させて出荷する「即醸もの」がほとんどですが、小野崎さんのところでは、使用原料にこだわり、自然の温度変化にまかせて1年以上熟成させる伝統的な味噌づくりが行われています。
小野崎さんのことを知ったアメリカの自然食の普及活動をしていたジョン&ジャン・ベラミー夫妻が訪問して、小野崎さんの味噌そしてこの地にほれ込んでそのまま7か月間も滞在して味噌つくりを学んで帰国し、アメリカで本を出版してそこに小野崎さんのことを書いて小野崎さんは世界的に有名になったのです。
東日本大震災の時にはお味噌が放射性物質を体外に出すのに有効であることを知っているフランス大使館の方から小野崎さんのお味噌を買い取りたいとのお問い合わせのお電話があったとか。(待っているお客様がいるので、丁重にお断りなさったそうですが(^_^;))
オーガニック検査員になって初めて小野崎糀店さんに伺った時の感動ったら!
長年憧れていたスターに会った気分でした。ご家族の皆さんが温かく迎えてくださり、こたつで検査をしたのが昨日のことのように懐かしいです。
輸出のためにKosher(ユダヤ教の人が食べられるものの認証)の認証も取得なさっていますが、一度Kosherの検査を見てみたかったのでボランティア通訳として同行させていただいたことも。
検査をしていたrabbi(ラバイ、ユダヤ教の聖職者)が、ひとつの田んぼにカブトエビがいるのを見て、甲殻類がユダヤ教では認められていないので何やら言っていましたが、「カブトエビが田んぼにいることは自然な証拠なのよ!」と思わず言ったことを思い出します。
私は小野崎さんの検査はもう担当しないので、アメリカの友達を連れて行ったり、栃木に行く機会があれば、立ち寄らさせていただいたりしていました。
お父様の隆道さんは3年前にお亡くなりになり、今は娘さんの薫子さんご夫妻が後を継いでいらっしゃいます。米も以前は合鴨農法でご自身で栽培なさっていらっしゃいましたが、今はご親戚や知り合いに栽培していただいているそうです。
国産の米や麦で伝統的に作られたお味噌を送料の関係で私はまとめて注文させていただいていましたが(送料は同じなのでどうせなら多めに買っておこうかなと)、今回は直接訪問できたので、購入できてとっても嬉しかったです。
何より小野崎糀店に伺えて、薫子さんにお会いできたのが嬉しかったです。
と、いうことで、私の小野崎糀店さんとの特別なお話でした。
皆さんにもご自分にとって、かけがえのない思い入れのある食品があるのではないでしょうか。
そういう食品に出会えたら幸せですね!💕