本日は日本の食糧事情に関する貴重な講演を聞けました。

 

タイトル:「食料自給率・食料安全保障に関する勉強会」

講師:鈴木宣弘氏 東京大学大学院 農学国際専攻 教授 農学博士

 

皆さんに本当に聞いてほしい現状です。鈴木氏は農林水産省に長年勤務なさってきて、様々な状況や経緯もご覧になってきて、またデータに基づいたお話はとても説得力がありました。

それゆえ、危機感も強まりました。

 

あまりネガティブなことをブログで書きたくないのですが、日本の食の現状は本当に本当に危ない状況。

 

ほんの一部ですが、鈴木氏の今日のお話を少し下記にシェアさせていただきます。

 

(自給率がカロリーベースで37%しかないのはご存知の方多いと思いますが、現状はもっと深刻。生産資材の殆どを海外に頼っている現状)

 

80%国産率の野菜の種の90%が海外圃場(畑)で採られたもの。

物流が停止したら自給率は8%。

2035年には4%に陥る可能性も。

 

鶏卵の国産率は96%。でもエサの殆どが海外産。エサが止まれば自給率は12%。2035年には2%。

ヒナが止まれば今でも0%。

 

化学肥料原料のリン、カリウムが100%輸入依存で、その調達ができなければ国内生産は撲滅。

では化学肥料を使わなければいいじゃないという声もあがってきそうですが、全ての農産物が有機ですぐに生産できるわけでなく、農薬や化学肥料を使っていない今の有機比率は全体の0.24%くらい。殆どが一般の農法で作られている農産物なのです。

 

米国の要請で貿易自由化を進めて、輸入に頼り、日本農業を弱体化させる政策をとったのが問題。

(鎖国だった江戸時代は自給率100%だったのに。)

 

小麦、大豆、とうもろこし生産の激減と輸入依存度が85%、94%、100%に達する事態は貿易自由化が日本の耕種農業構造を大きく変えたことを意味する。

 

コメ中心の食事にしたら食料自給率63%になるという試算が農林水産省の「我が国の食料自給率(平成18年度食料自給率レポート)」の64ページには米を主食とする和食にした場合、日本の食料自給率が63%になるという試算が示されているのに、これに対して圧力があったのか、なぜか力を入れられないまま。

 

種子法廃止で、無断種の自家採種の禁止(企業の種を買わないと生産できないようになっている)

遺伝子組み換えでない(Non-GMO)表示の実質禁止(2023年4月1日から)

GMOとセットの除草剤の輸入穀物残留基準値の大幅緩和

ゲノム編集の完全な野放し(勝手にやっても表示も必要なし。日本人はゲノム食品の実験台)ゲノムトマトを家庭菜園に4000件、2022年から障害者福祉施設、2023年から小学校に無償配布して広めようとするビジネスモデル(米国でもしないのに)

2020年にポテトチップ加工用生鮮ジャガイモの通年輸入解禁。動物実験で発ガン性や神経毒性が指摘されている農薬(殺菌剤)ジフェノコナゾールを、生鮮ジャガイモの防カビ剤として食品添加物に分類変更(日本では収穫後の農薬散布はできないが、米国からの輸送のために防カビ剤の散布が必要なため食品添加物に指定することで散布を可能にした)その残留基準値を0.2ppmから4ppmへと20倍に緩和。

遺伝子組み換えジャガイモの4種類を立て続けの認可(外食には表示がないのでGMOジャガイモかどうか消費者は判別できない)

日米貿易協定に基づく冷凍フライドポテトの関税撤廃。

 

日本では牛の飼育中に成長ホルモン剤を使っていないが、米国ではOK。成長ホルモン使用肉を禁輸しているEUでは米国産を禁輸。

日本は米国産のホルモン牛肉を受け入れているので、オーストラリアは使い分けて、成長ホルモン使用肉を禁輸しているEU用の牛には投与せず、輸入がザルになっている日本(国内生産には使用を許可していない)向けにはエストロゲンをしっかり投与。

米国でも「オーガニック」や「ホルモンフリー」の牛肉を扱う高級スーパーや飲食店が急増。

EU・中国・ロシアが禁輸するラクトパミン(牛や豚のエサに混ぜる成長促進剤)は人間に直接に中毒症状も起こすとして国内使用と輸入が禁じられている。日本でも国内使用は認可されていないが、輸入は素通り。

乳製品も米国で「乳ガン7倍、前立腺ガン4倍」(Science , Lancet)で消費者が拒否したホルモン(rBST)乳製品は日本(国内未認可だが輸入はザル)向け。

GMO大豆・コーンだけでなく小麦にもグリホサートかかった米国産に世界一依存する日本(注:米国でグリホサートは発ガン性があることが認められて製造メーカーが生産者からの訴訟に負けて多額金額を支払いました)

 

などなど...

 

海外はもっと政策で生産者をサポートしているのに、日本の政策は海外のように全然サポートしていない。

 

消費者としてこの状況で何が出来るか?との質問への鈴木氏のお答え。

 

消費者として、買う時に注意する。

農作業を体験する。(農業を知る。サポートする意識を持つ)

 

 

私は鈴木先生のお言葉に全く同感です。

 

日本で頑張って、こだわって栽培そして生産加工している生産者や製造メーカーの物を買うことによってサポートすることの重要性を本気でより多くの人が考えていく必要があると思います。

 

私が長年使っている言葉

Think globally, act locally.

You are what you eat.

 

Think globally, act locally

地球規模で考えるのだけれど、ローカルをしっかり守りローカルで出来ることをすることが重要ともとれます。

 

You are what you eat

「食べるものが自分の身体を作る」

食べ物が細胞も血液も全て作ってくれるということを考えると、変な物は食べたくないですよね。

 

今は食べ物を選べますが、今に選べないどころか、食べ物が入手できない時代がくることも十分考えられます。

今から食にこだわり、しっかりと土台を作っておき、どんな状況にも耐えうる健康な体作りも大切でしょう。

 

頑張って作ってくださっている日本の生産者の農畜産物を買うことによって、日本の生産者をそして日本の農業をサポートすることをより多くの人が意識していくと自給率に変化を起こすことができるかもしれません。

その可能性を信じたいと思います。