今日はパルシステム生協の学習会。

 

組合員の方々が生産者組合員の生産状況を知り、確認する公開確認会の事前学習会。

私はもう20年近く、この学習会の講師をさせていただいています。

 

毎回いろいろな産地の方々の勉強が出来るのですが、今回はJAたじま(但馬と書いて、「たじま」と呼びます)のコウノトリ育むお米を栽培している生産者、そしてそれを指導協力してくださっているJAたじまの営農指導員の方々、販売の方々、精米してくださっているパールライスの方々が今回の学習会に参加してくださいました。

 

コウノトリのことを私はあまり知らなかったのですが、JAたじまの有機栽培の生産者の方のお話で、コウノトリのことを知り、より親近感がわきました。

 

・コウノトリは松の木のてっぺんに巣を作っていたが、松の木を伐採したり、農薬によって1971年に絶滅し(卵はできてもヒナが基準値を超える水銀で死滅)、今のコウノトリはロシアから幼鳥を譲りうけて人工繁殖したものがスタート。

・コウノトリは完全肉食で、ドジョウ、カエル、魚、ヘビ、イナゴ等を食べる。

・米の栽培時には普通6月には中干しをするのですが(米の根を張するため)、コウノトリのエサとなるカエルは6月頃にオタマジャクシからカエルとなるので、JAたじまではコウノトリのために中干しの時期を延期して餌の確保。カエルは稲の害虫であるカメムシを食べてくれる。良い生態系循環が出来てきている。

・コウノトリは苗を踏むことなく、苗をよけて歩くし、稲を食べることはないので、稲への影響はない。逆にカメムシとかも食べてくれる。

・コウノトリのために農薬をおさえたため、カエル(トノサマガエルとか)が増えた。

・コウノトリとの共生のためには農薬や化学肥料を使わない有機栽培しかない。

・コウノトリのためには水が必要。そのため冬水田んぼを実施。

・コウノトリを育むお米の取り組みは5名からスタート(0.7ha)。今では300名近くの生産者が取り組み栽培面積も400ha以上になっている。

・コウノトリのためにしていたことで生きものが増え、1時間生きもの調査をすると50種類の生きものを見つけることができる。

・生徒達からの豊岡市長への要望で、「コウノトリを育む米」が給食に採用されるようになり、今では毎日米飯給食に出ている。

・コウノトリは200羽を超え、日本全国に飛び立っている。

・コウノトリを育むお米はイタリアでのEXPOでも評判となり、今では8か国以上に輸出している。

 

 

毎回、生産者の方々のお話にはジーンと来るのですが、今回もきましたね~。

今回は生産者の方の「お金を儲けるより、コウノトリとの共生が重要」とおっしゃった言葉、そして、言葉の端々にコウノトリや生きものへの愛が画面からも伝わってきて、思わず感動で涙が出ました。

 

「コウノトリを育むお米」を見かけたら、生産者の方々のこと、生産者の方々に愛されて共生しているコウノトリのことを思い浮かべることでしょう。

 

本日も素晴らしい学習会でした。感謝感謝。