昨日は日本農林規格調査会でした。
日本農林規格=Japan Agricultural Standard
そうです。農水省の規格の会議。
昨日は「持続可能性に配慮した鶏卵・鶏肉の日本農林規格」の提示があり、制定に合意されました。
この規格は
・現在国産種鶏(親鳥のこと)において、卵用鶏の種鶏が95%、肉用鶏の種鶏が98%輸入に頼っている現状で、国産鶏種の育成。
・国産飼料用米を5%以上供与すること。
・鶏糞の肥料やエネルギーとしての利用の推進
が、主なポイント。
他にも防疫管理、衛生管理、安全衛生・労務管理、アニマルウエルフェアも考慮した管理が規定されています。
なかなか良い規格で、もう少しアニマルウエルフェアの点で強化されたらいいなとは思いますが、実際にこの規格が活用されていき、見直し改善されていったら頼もしい規格になるだろうなと思います。
もうひとつの議題は有機農産物の日本農林規格等の見直し概要案。
有機JASでは遺伝子組み換え(「組換えDNA技術」と定義されている)は禁止されています。しかし、コーデックスガイドラインや他の国々で有機に関して「ゲノム編集技術」は禁止されているものの、有機JASでは「ゲノム編集技術」の一部の禁止が読めないことから、見直し案では、「ゲノム編集技術により生産された原材料が使用できないことを明確にする」ことが提案されました。
検証方法の難しさがあるものの、コーデックスガイドライン及び諸外国と同様にゲノム編集技術により生産されたものは有機では使用しないことで決まりました。
鶏卵や鶏肉の検査は何件も行っていて、日本の現状は理解しているつもりですが、今回の調査会に向けて、世界の動向(アニマルウエルフェアを考えてケージ飼い、特にバタリーケージという鉄の格子のケージ飼いが禁止の方向に向かっていることなど)今回は鶏について、事前に情報を入手しました。
また、ゲノムに関しても委員として客観的に考えられるよう科学者らの論文等も事前に読み、勉強しました。
傍聴席には多くの知り合いの有機関係者がいて、それも遠方からいらしていてビックリ。やはりゲノムの問題をどう有機でとらえるかは有機関係者にとっては重要な関心事であり、それゆえ傍聴者も多かったのだと思います。
次回の調査会は1月末。
調査会に委員として出させていただいているので、次回もしっかり勉強して調査会に臨みたいと思います。