「TOEIC」は就職や採用に役立つ? 企業の参考割合は…
■約7割の企業がTOEICのスコアを参考
企業が採用時に「どの程度TOEICのスコアを参考にしているのか?」という疑問については、目安となるデータがある。
2013年に行われた上場企業における採用時の英語活用実態調査で、TOEICのスコアを「参考にしている」が27.6%、「参考にすることがある」が41.7%となっている。つまり、約7割の企業が、採用時に少なからずTOEICのスコアを参考にしていることがわかるだろう。
また、TOEICが公表している「企業が期待するTOEICスコア」は下記のとおりだ。
新入社員 465~670
中途採用社員 610~815
海外赴任 605~785
技術部門 520~715
営業部門 535~765
国際部門 660~840
(出典:上場企業における英語活用実態調査-2013年)
■TOEICテストを導入する企業も増加傾向
実際に、TOEICを重視する企業は多くあり、TOEIC IPテスト(団体特別受験制度)を実施する企業自体も増えている。そういったこともあり、就職活動のためにTOEICを受験する人も年々増えているのだ。
2014年度では、新入社員にTOEIC IPテストを実施している企業数は791社、新入社員の受験者数は3万212人と過去最高を記録。ビジネスでも国際化が進み、今後ますます増加傾向といえるだろう。
日本企業が求めているTOEICの点数は上昇傾向にあり、外資系ではさらに高くなる。志望する企業が望む英語力を知ることも大切だ。
日本でしか通用しない?TOEICは英語が苦手な日本人向けにつくられた!
ユニクロや楽天などの大企業をはじめとして、社内公用語に英語を起用する企業が話題となりました。公用語化まではいかなくとも、英語力が重視される現代。
そこで、英語力をはかる尺度として用いられているのが、「TOEICテスト」のスコアです。
TOEICとは、英語を母語としない人のための「国際コミュ二ケーション英語能力テスト」。
アメリカの非営利テスト開発機関であるETSが開発・制作し、日本では国際ビジネスコミュニケーション協会が実施・運営しています。
一般企業の基準で、TOEICスコアの最低ラインは600点とされています。この点数は、英検でいうとおよそ2級に相当。また海外部門を持っている企業では、730点以上の点数が必要だそう。
国際ビジネスコミュニケーション協会によると、2015年新卒の就活生に対するアンケートにおいて、「就活に向けて取得した資格第1位」は、TOEICテスト。
エントリーシートに書いた資格ランキングでも、「普通自動車免許」に次いでTOEICスコアは第2位という結果に。
NTTコミュニケーションズや住友不動産、アサヒビールなど、数多くの企業がスコアを利用しており、ソフトバンクはTOEIC 900点以上を取った社員に100万円の報奨金を支給しているとか。
このように日本では広く普及しているTOEICテストですが、実は世界的にみると通用するのはごく限られた地域でしかないのです。
TOEICテスト受験者の9割以上を占めるのは日本人と韓国人。英語圏の国々では、TOEICテストの存在すら知らない人も多いのです。
英語環境下の大学・大学院などの高等教育機関における英語コミュニケーション能力を測るTOEFLテストを日本人にもわかるように簡単にして作られたものがTOEICテスト。
日本においては英語力を示す有効な指標ですが、せっかく高得点をマークしても、スコア自体は海外では宝の持ち腐れ的になるのかも。
(文/しらべぇ編集部・かずきち)
(T-SITE ニュース より)
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