先日、担当している生徒さんのお母様から紹介していただいた1冊の本。

とても興味深く読ませていただきました。

 

「発達障害で生まれてくれてありがとう

~シングルマザーがわが子を東大に入れるまで~」 菊地ユキ

光文社より2020年8月発行

 

幼少期よりひどい癇癪、言葉の獲得の遅れ、多動があり

6歳の時にADHDと診断された息子さんをもつ

菊地ユキさんという方が書いた手記です。

 

菊地さんはとても愛情深く、バイタリティーがあり

もともとポジティブな思考の持ち主のように感じますが

その境地に至るまでにはかなりの紆余曲折があったようです。

当事者とそのご家族であれば必ず通るはずの

悩み、苦しみ、迷い、葛藤、衝突・・・

きれい事ではないそうした事実を赤裸々に語りながら

それらの中で長い年月をかけて見つけ出していった希望を

私たちに伝えてくれています。

 

私自身が受け取った一番のメッセージは

表紙の帯にもある通り

“子どものありのままを、抱きしめよう”

という言葉でした。

 

それが理想だとはわかっていても

現実はなかなかできることではありません。

様々な困難がある中でなら、なおさらです。

それでも、ありのままを受け止める覚悟を決めた母の強さ。

息子の大夢さんにはちゃんと、伝わっていました。

 

一人ひとり人間は違うので、課題への対応の仕方や

進路などについてはもちろんケースバイケースですが

菊地さんが試行錯誤してきた20年以上の記録は

とても読みごたえがあり、非常に参考になるものです。

 

当事者やご家族の気持ちを本当に理解する上で

知っておきたい言葉に溢れていました。

Leadのスタッフや講師間でもぜひ共有させていただきます本