娘の熱烈なリクエストで
最近アンパンマンのビデオをよく見ます。

最初は何気なく見ていたのですが、何回も見ているうちに
登場人物のセリフやストーリー展開がちょっと他と違うことに気づきました。

まず、ジャムおじさんがとっても褒め上手です。

「んーうまい!バタ子のいれたコーヒーは世界一じゃ。疲れが吹き飛ぶよ。」
「アンパンマン、おまえには力がある。勇気もやさしい心もある。
大きくなったらきっと人の役に立てるぞ。」

日本人はなかなか口にできないようなダイレクトな褒め言葉です。
でもジャムおじさんは常に、相手の気持ちを結構考えて発言してるんじゃないかな、と感じるのです。

選ぶ言葉がわかりやすく具体的で、心がこもっていて、語尾もやわらかい。
言われた相手はきっと嬉しいし、自信がつくし、自分が好きになれる。
いい大人のモデルとしてジャムおじさんがいることは、
実はアンパンマンという漫画の一つのカギではないかとさえ思います。

全体を通しても、登場人物の間で
「ありがとう。」という言葉が非常に多く使われています。

バイキンマンのセリフもなかなか的を射ているときがあるんです。

「ものは取ったり取られたりするもんなの。強いもんが勝つ!」

確かに世の中はそういうしくみになっている。いい人ばかりではない。
そういうことも、ひっそり子どもたちに教えてくれているような気がしました。

アンパンマンが完璧なヒーローじゃないところも好感がもてます。
自分の顔を困っている誰かにあげるせいでパワーダウンし
ジャムおじさんに助けを求めたりします。

「うーんアンパンマン奥が深いな・・・」などと一人で納得していた矢先、
最近避難所や地元のラジオ局で「アンパンマンのマーチ」をリクエストする人が増えている
というニュースを目にしました。
きっと、何か伝わるものがあるんですね。