授業中、お絵描きを始めたAくん。
私は「おっ!」と思いました。
手先の不器用さがあり、Aくんは
字を書くことも絵を描くことも苦手で
特に絵を描いて見せてくれることは今までなかったからです。

私が何か質問しても聞こえていないかのように
一心不乱に描き続けています。
授業のプランは少々崩れますが
本人が満足するまで見守ることにしました。

Aくんは黙々と
それはそれは楽しげな絵を描き続け
もしかしたら何かのサインかもと思った私は
「○○くん、もしかして今日何かいいことあった?」と聞いてみました。
「別に。特にないなぁ。」と当ては外れましたが。

しばらくし、タイミングを見て授業に戻れるよう言葉がけをしたら
「これ、消さないで来週までとっといてね!」と言いながら
切りのいいところで意外とスッとやめることができ、
納得して切り替えることができていました。

個別授業だからこそできることかもしれませんが
”待つこと”も時には支援になり得ると思います。

その子が”今やりたいこと”=”強い興味のあること”を否定せず受け入れることで
その子の今日の心理状態を把握したり
何らかのヒントを得ることにつながるからです。
もし大きな意味がなかったとしても
その子の知的欲求は満たされます。

授業においても育児においても
私たち大人にとって”待つ”という行為はなかなか難しいものですが
子どもが「これをやりたい!」と思って行動する時間の中にこそ
言葉にできない思いが表現されていたり
その子らしさや、キラリ[emoji:v-353]と光るひらめきが隠れていたりするんですよね。
子どもたちはいつも、大人の想像できない世界を旅しています。

”待つ”支援。
子どもたちが伸び伸びと学ぶ(育つ)ことができるよう
忘れずにもっていたい視点です・・・