学習サポートというのは
名前の通り、学習をサポートするのが仕事ですが
実際はそれだけではないことのほうが多いです。

先日は、担当している中学生のお母さんからの依頼で
「死」について授業で話してほしいと言われました。
その生徒さん(Aくん)が最近家庭で、
「人間て、死んだらどうなるのかなあ?」
「死にたくなる時があるんだ。」
ということを口にするようになったらしいのです。

彼は今、学校生活がうまくいかず不登校の状態です。
対人面でも学習面でも自信をなくし、
とてもつらい状況が続いています。
お母さんはいつもAくんの理解に努め
よく話を聴き、寄り添っています。
Aくんが本心を打ち明けられる相手が
そうして一番近くにいることが唯一の救いです。

またAくんは、最近思い出したように
震災の映像や写真をよく見るようになりました。
直接津波の被害は受けなかったものの
被災地に住む一人として経験したあの異常事態は
子どもたちの感受性の強い心には
やはり強烈に刻まれたのだろうと思います。

思春期に、死について思い巡らすことは
きっと誰もがしてきたことです。
そして、死を見つめることは
生について考えることと同義ではないかと思うので
私は、Aくんに
率直に生と死の話をしました。

死生観というのは本当に人それぞれなので
「こうなんだよ」と言うことはできませんが、
私自身の体験談や、それらをどう捉えているかを正直に話すことで
Aくんの疑問に向き合うことにしました。

この日の授業は、お母さんも同席し
ちょっといつもと違う時間となりました。
真剣に語り合う大人たちを
Aくんはただじっと見つめていました。
私が帰ったあと、Aくんはお母さんに
「今日は、死についての勉強をしたんだね。」
と爽やかな顔つきで話したそうです。

その子がサインを出したタイミングで
その子が必要としている学びを共有すること。
ごまかさずに、等身大で
その時々の疑問に丁寧に向き合うこと。

それができたら、あとは子どもたちが
自分たちなりにそれらをつぎはぎで繋ぎ合わせて
いつか微かな道しるべとしていってくれるのだろうと思います・・・