パウンドケーキ | パティスリール・ポワソン通信

パティスリール・ポワソン通信

横浜市港北区新吉田 
閑静な街にある小さな洋菓子店

ル・ポワソンの焼き菓子ラインナップの中に6種類のパウンドケーキがあります。


フルーツ・ショコラ・柚子・オレンジ・紅茶・マーブル


焼き菓子全種類で24種類ほどありますので、四分の一がパウンドケーキになります。

どこのお菓子屋でも置いてあるであろう人気の焼き菓子です。


このパウンドケーキ 仏語でカトルカールといいバター・砂糖・卵・粉の四同割が基本となります。

もちろんお菓子屋さんによって若干のバランスを変えたり、フレーバーやチョコレート・ナッツなどを加えて各店個性をだしています。

ル・ポワソンでも商品・配合によって四種類の違う作り方をしています。
1・バター砂糖を泡立てて卵を加え粉と合わす。
2・卵と砂糖を泡立てて粉を合わせ溶かしバターを加える。
3・卵・砂糖・粉を混ぜ、溶かしバターを加える。
4・バター砂糖を泡立てて卵黄を加え、粉と合わせ最後にメレンゲと合わす。

6種類のパウンドケーキを、どれかひとつの製法に統一しても出来るのですが、個々に配合が違うので製法を変えることによりスムーズに出来たり、食感の違いが出せます。


特にフルーツケーキの場合、大量のフルーツが入るので、しっかりとした生地を作らないとフルーツがすべて沈んでしまいます。

しっかりとした生地とは、ちゃんと乳化されたなめらかな生地です。

そもそも卵とバターは水と油の関係でうまく合わせていかないと混ざり合わず分離してしまいます。

分離した生地をそのままオーブンで焼くとうまく火が通らず油脂がにじみ出たガリガリした食感のパウンドケーキになってしまいます。

分離させずなめらかな生地に仕上げるにはいろんな方法があるのですが、4番の製法はバターと卵をしっかり乳化させるといういみでは、ほぼ失敗がありません。
とはいえ・・・最後に加えるメレンゲの状態を見極めないと、いい状態には上がりません。

バターと砂糖に卵を入れていくのですが、ポイントは卵を卵黄と卵白に分け、先に卵黄を加えるということです。

卵黄にはレシチンという成分が含まれており、これが油分と水分をつなぎあわせ分離を防ぎ、乳化を助けてくれる役割をはたします。

お酢とサラダ油でドレッシングが出来ます。混ぜない限りお酢が下に、サラダ油が上にと常に分離した状態にあるわけですが、そこに卵黄を加えると全体が混ざり合いなめらかなマヨネーズなります。これと同じ原理です。


ちょっとバケ学的な話です。 科学者ではないのでとことん突き詰める必要はないのですが、頭の片隅に置いておくと何かと役に立ちます。