父が静岡の三島の病院に
入院していたので、
父に会いに行く時はいつも、
大きな富士山を横目で見ながら、
深呼吸したものでした。


ですから、
富士山を見ると
父を思い出します。


これは、
私にとっても父にとっても
きっと幸せなことなんだろうな
と思います。



こんな雄大で美しいものと
自分の父を結びつけられるなんて、

とても面映い気持ちがしますが、
謙虚な心で、
こんな状態をありがたく
大切にしようと思っています。




父とは
不仲とまではいきませんでしたが、

今の自分のコンプレックスの源は、
父からの言葉だと
ずっと思っていたので、
あまり良い思いは持っていませんでした。



父が病気になって
このまま治らずに亡くなるだろうと、

そんな現実に直面しても
私は父に対して
複雑な気持ちのままでした。


でももう
怒るとか
許せないとか
嫌いとか

そんな
思いではなく

かといって

愛情とか
受け入れるとか
大好きとか

そんな思いでもなく…



自分の中で
おさまりどころがなく

ゆらゆら
心が揺れていました。




先日、
やっと父の納骨をすませることが
出来ました。


父が亡くなってから今まで、
自分の気持ちと向き合う時間が
なかなか作れませんでしたが、

そろそろ
そんなタイミングなのかと
思っています。



自分のことも
父のことも

今の私なら

素直に好きだと
思える気がします。