先月、
私の母は自分の誕生日に
ひとりで映画を観に行ったそうです。


山田洋次監督の「小さいおうち」。



<自分の生まれた頃の話で、
面白かったわ。

いきなり携帯のメールが鳴って、
びっくりしたよ。

映画館入ったの久しぶりだから、
電源切るの忘れちゃった。>

なんて、話してくれました。


母は今、静岡県に住んでいて、
映画を観に行くのに、
電車に乗って1時間くらいかかる街まで、
出かけたようです。



ごく当たり前のことなんですが、

病弱だった母が、
寒い雨の日に
フットワーク軽く出かけたことが、
私にとっては驚きでした。



父が亡くなって、母は
去年の11月から
生まれて初めてのひとり暮らし。

おそらく、たったひとりで過ごす誕生日も
生まれて初めてではないかと、

ちょっと落ち着かない気分で
私はその日を向かえました。


とりあえず仕事の合間にメールして、

また夜にでも電話しようと思っていたら、


なかなか返信が来なくて、
心配になった頃に

楽しげなメールが返ってきました。



ちっぽけな危惧を
私は恥ずかしく感じました。


そして、
とてもとてもうれしかった!



高齢の母が、
自分で自分なりの人生を進み始めたことを
誇らしく思い、


私もきちんと
自分の足で歩んでいかなくちゃと
思いました。


負けてられないよね♪



怖がりの私は
おそるおそるですが(笑)

それでも、
今の私の方が、
前の私より
ずいぶんと好きです。