……って、なんてべたなタイトルなんだ(笑)。しかし、多少の迷走はあるものの、本格的にブログをはじめたことだし、いま一番好きなミュージシャン、中村中さんについて書いてみようかなと。テスト投稿でも今度落ち着いて書きますと宣言したことだし、まあ……
驚くなかれ(驚くこともないか)ぼくがはじめて中さんを知ったのは、FMで『汚れた下着』を聴いたことだった。だから知ったのはデビュー間もない頃だった。
聴いたとき、まずタイトルにびっくりした。
話は変わるけれど、その昔、徳間書店から出ていた『SFアドベンチャー』という雑誌に荒巻義雄さんが創作教室を連載していて(雑誌はちがったかもしれない)、その中でアイデアをひねり出す方法として、異質なものを組み合わせろということを書いておられた。このやり方自体は、アイデア創出方として昔からあるものかもしれないが、とにかくその意味からいえば『汚れた』と『下着』を組み合わせたセンスに参っちゃいましたね。話はまた横道に逸れるけれど(笑)、映画評論家の故淀川長治氏は、いい映画はタイトルからして良いと言っておられたけれど、その通りだと思う。いい題名はもうそれだけで色々なことを想像させる。
どうです?
『汚れた下着』
最高じゃないですか。ほんとうに色々なことを想像させてくれる。奔放と背徳にどっぷりと浸って生き、薄暗く淫靡な微笑を湛え、爛熟の気配をまといつつ、そのくせ哀愁まで感じさせてくれる。そんなタイトルじゃないですか(「兄ちゃん、ちょっと言いすぎだぜ」←ここ、日活映画のエースのジョウの気分で言ってみてください)。
『セックスと嘘とビデオテープ』という映画があったけれど、これはそれに匹敵するくらいの秀逸なタイトルだと本気で思っている。
で、曲を聴いてまたびっくり。懐かしいけれど新しい、新しいんだけれど懐かしい――歌われている登場人物や状況は現代的なのに、作風は昔の何かを思い出せさせる、そんな感じだった。そう、この歌なら、金井克子さんとか歌手だった頃の夏木マリさんが歌ってもいいって感じだった。
でも、なぜか女性が歌う歌だと思った。「ナカムラアタル」という予備意識なしで名前だけを聞けば男性(?)と思ってしまいそうな名前ながら、それでもこれは男目線の歌ではないと思った。少なくともぼくらの世代の男は、いくら好きな女性に髪の香を誉めてもらても、わざわざ歌にして歌おうなんて思わない(笑)。つまりこれは女性が男性の目線で書いた詞か、もしくは男性だけどきわめて女性的な何かを持った人が書いたんだろうと思った。これもタイトルの力ですね。
そして名前――
「ナカムラアタル」
……ってどんな字を書くの?
で、さっそくネットで検索してみた。平仮名で「なかむらあたる」。 結果、あの伝説のジャケット{伝説ではねえか(^_^;)}を見たわけです。
とにかく、なんともあくの強い女性歌手がデビューしたものだと思った。しかもあなた、名前が中村中ですよ。印象はやはり強かった。
とにかく、それがぼくの中村中事始だった。
その頃、仕事が馬鹿げて忙しく、本来大好きな音楽をゆっくりと聴く間もなかった。だから『汚れた下着』を気にかけながら、それから数ヶ月間は中村中とは無縁に生活することになる。ようするに仕事に追われていたわけね。ぼくが再び中さんに回帰していくのは(オーバーだねどうも)、あのドラマの放送直後ということになる。
続く……
なお、写真は本文とは何の関係もありません(笑)。ごちゃごちゃと文章だけだと何となく淋しいし、うざいと思ったので……。