インナーチャイルド | 横浜のお菓子教室&源氏物語講座⭐️~心に天使をすまわせて~

横浜のお菓子教室&源氏物語講座⭐️~心に天使をすまわせて~

ルクールドゥランジュは、横浜・都筑区(江田・都筑ふれあいの丘)にあるサロンです。お菓子作りとお茶会つき源氏物語講座などを開催しております。

子育てを始めてから、私は時々強い悲しみや苦痛を感じるようになりました。

なぜなら、私自身の傷ついた子供の頃の気持ちを、子育ての過程で思い出すからです。




私の両親は2人とも学歴が高く、非常に優等生的で、子供に対して理想的な環境を整えていました。母は就労の経験のないまま、大学卒業とともにお見合いで結婚しました。大変真面目で、子育てもマニュアルを見て、90%以上ワンオペで余裕のない中頑張って取り組んでいたのだと思います。


しかし、私と母の相性が悪かったのでしょうか、私には、そうして欲しいと思う子供の頃に、母親が自分を見て嬉しそうに微笑んだり、頭を撫でてくれたり、優しい言葉をかけられた記憶は全くありません。


それでも、私が、自らが育った環境はかわっているのではないかと疑うことはありませんでした。


二十歳の頃、叔母が私の幼い従姉妹(叔母の娘)を愛おしそうに抱きしめて頬擦りし、かわいいねえと言ってキスをするのを目にして、衝撃を受けました。こんなお母さんがいるのだ!いいなあ、と茫然としました。


私の母は、いつでも私を見てため息をつき、どうしてこんなにバカなのだろうとか、なんで不細工なのだろうとか、そんなことばかり呟いては嘆いていました。

あなたの点数が悪いからお母さんの白髪が増えるのだ、あなたが頭が悪いのはお母さんのせいにされてしまうから困るとも言っていました。


「(高校卒業後の進学先が)気に入らない、アホな子しか入らない学校で、恥ずかしくてしかたがない」と言われ続け、十八の私は神経性の胃潰瘍や胃腸カタルを病みました。


父は教育関連の会社を営んでいたので、小学生の頃、いわゆる偏差値が60台前半の娘の私の学力を「恥ずかしい」として、全国模試なども偽名で受けさせました。高校の時分に、新しく覚えた英語の文法を喜んで父に伝えると、「そんなことを今頃覚えたのか、バカにもほどがある、それになんだそのひどい発音は」と嘲笑されました。


このような次第で、私は、かなり大人になるまで、自分はどうしようもなく不細工で救いようもない愚か者なので、生きている価値がないのではないかと疑っていました。


遅くなって授かった私の娘は、私にとってはとても可愛らしく見えました。ふと自分の古いアルバムを開いた時、私の子供の頃と幼児の娘がとても似ているのに気が付きました。私は、もしかしたら結構可愛らしい子供だったのではないかしら?、と驚きました。


私は母に「娘と私はとても似ていますね。私は可愛かったのではないですか」と言ってみました。母は「ずいぶん背負っているのね、私はあなたの子供の頃、あなたを可愛いと思ったことはなかった」と答えました。今はそうは思っていない、という意味で答えたのかもしれませんが、私はまた心の中で小さな子供の私が涙を流すのを感じました。


娘に発達障害があると診断された時と、癌を患って入院することになった時に、私は娘の預け先に悩み、娘の主治医の児童精神科の医師に相談しました。

自分自身の子供の頃の話もしました。


医師は、眉根を寄せて話を聞き、私に言いました。


「お母さん、心の傷は目には見えないけれど、体の傷より治りが遅く、ずっと膿んだように残り続けます。あなたは、心に傷があります。子供の頃の傷です。あなたは、精神的な虐待を受けたのと同じですよ」


子供の頃にかけられた言葉は、その後の人格形成や、人生に対する考え方に大きな影響を与えます。

無自覚であっても、一般にかけられては嫌な言葉を他者に投げかけ、相手が心に傷を負ったなら、それはいじめであり、虐待なのです。


タチが悪いのは、心の傷が目に見えないということです。目には見えなくても、投げかけられた言葉によって受けた傷に相当な痛みが伴い、癒やされていない人はたくさん存在します。


娘を育てる過程で、私は、私自身が子供の頃に親にして欲しかったことを娘にすることで、インナーチャイルドを癒せることに気がつきました。


「あなたは可愛いわね、私はあなたが大好きなの。生まれてきてくれてありがとう」と毎日幾度となく繰り返して伝えています。


娘がそうする時、いじけて涙に暮れた子供の私も、私の手に頭を擦り付けてもっと撫でてほしい、ぎゅーっとしてほしい、と一緒にやってきます。


もし、子供の頃に傷ついた心を持ったままでいる方がいらしたら、子供でなくても、生き物や植物を同じように愛しんで育てることで、少し癒されるのではないかと思います。


お子さんをお持ちのお父さま、お母さま、どうか、お子さんにわかりやすい形で、愛情を伝えてください。

本当の愛情は、お金ではなくて、心をかけないと伝わりません。


お子さんについて情けない気持ちになったとしても、

君には無理だよ、

君はダメだよ、

とは、決して言わないでください。


あなたがそう言われて育ったのだとしても、言われて傷を負った覚えのある言葉を、あなたの子供にまた投げかける必要は全くないはずです。誰に対する復讐をしようというのですか。どうぞ、愛のある言葉を選んで口にしてください。


愛のない言葉は暴力です。

言った方はなんということもなく口にして、すぐに忘れてしまっていたとしても、傷ついた子供は延々と思い出し、ずっと膿んだ傷に苦しむことになるからです。