書店に平積みされている本で目にとまったものですが、もしかしたら、「マダム塾」で、ある生徒様が「良書です」とおっしゃっていたご本と同じかもしれません。
「子供の心の育て方」というご本です。お読みになった方も多いでしょうか。
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「分業を意識し、自分でその役割を担わなくてはならないことがわかってくると、作業の軽重意識、つまり差別感が芽生えるのは当然の成り行きです。けれど、こうした差別感を悪のかたまりのように思い、ひたすら恐れる必要はけっしてありません。人間の個々の生命、価値、尊厳は平等です。これが人間社会の基本のルールです。(略)差別感の芽生えはしかたのないことですが、大事なのはそれを乗り越え、人間の本当の価値、同情ではない本当の平等を理解することができるように教育することだと思います。(略)・・・形式的な平等感というのは、差別と同じようなものです。真の意味での平等感というのは、もっとずっと精神的に深い部分にあると思っています。
障害をもつ友だちの手助けをするのも大切ですが、それは「かわいそうだから」「自分のほうが優秀だから」ではなくて、まったく同じ人間として平等だから、役割を分担してできない部分を補うのだ、という意味を理解することです」
「テストの成績や偏差値は高い方がいいかもしれないけれど、勉強の成績など人間のほんの一面にすぎません。人にとってもっとほかに大事なものはたくさんあるのだ、ということを教えられるのはまず家庭です。成績以外の「大事なもの」を発見できない家庭、偏差値以上に価値のあるものを子どもに伝えることができない家庭があるとしたら、そのことは、とても恐ろしいことだと思います。親はその部分で、うんとしっかりしなくてはいけない。
学校の先生が悪い、偏差値教育を強いる教育システムが悪い、地域が悪い、社会が悪い、などと他人や制度のせいにする人がよくいますが、それは間違っていると思います。
家庭というのは地域社会の反映であり、地域社会はその時代の風潮を反映しますが、だからこそ、それぞれの家庭が子どもにちゃんと向き合い、時代の波や流行、風潮に流されすぎないように気をつけていなければならないと思います。(略)
自尊心とは、誰からも冒されてはならない個人の人格的尊厳があるという、誇りの感情です。本当の自尊心は、相手の自尊心を認めることにつながります。
単なる優越感は、相手の自尊心を認めるのではなく、むしろ見下す感情です。自尊心と優越感は似ているように見えて、実はまったく違うものなのです。
自分に誇りを持てる子どもは、友だちに共感することができ、だからこそ、いい友だちもたくさんできるのです。」
以上は、著者の佐々木正美先生の文章の抜粋をさせていただいたものです。
特に障害を持つ娘の母である私の心に響いた言葉です。
子供の頃、親の願う通りに育たず、親をがっかりさせてばかりいた私は、親から愛されていないと感じ、常に劣等感に苛まれていました。
その「ばかだ」「みにくい」と言われて育った少女の頃の私の頭を、先生が撫でて下さっているように感じ、涙がこぼれた一節もありました。
「子供は、いい子だからかわいがれるのではなく、かわいがるからいい子になるのです」
お子様をお育てになっていらっしゃるご両親様にぜひお手にとっていただきたいご本と思います。
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