先日、上野の東京都美術館へ「奇想の系譜展」を見に行きました。休日よりも金曜日の夜の方が空いてるだろうと思い、仕事を定時で終わらせて行きました。




夜桜の花見客の喧騒を横目に、いざ、東京都美術館へ。




今年一番の話題の日本美術展と言われるだけあり、また会期終了間近ということもあってか、金曜の夜でもやはり混んでました。

本展は、1970年に発刊された辻惟雄先生の著書『奇想の系譜』を題材にしたものらしく、江戸絵画ブームの原点とも言えるこの名著で紹介されている6人の絵師(岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、長沢芦雪、曾我蕭白、歌川国芳)に、白隠慧鶴と鈴木其一を加えた8人の代表的な作品が展示されていました。

今や大人気の若冲の作品は勿論ですが、個人的にはアヴァンギャルドさという意味で曾我蕭白と鈴木其一の作品が印象的でした。

また、唯一職業絵師でない白隠慧鶴が、「奇想の起爆剤」として紹介されていた点は、「素人だからこその大胆さと、その影響力の大きさ」というものがあるんだなぁ、と妙に感心してしまいました。これって、「歴史上最も絵のヘタな」日曜画家のアンリ・ルソーがゴーギャンやピカソらに影響を与えた、というのと通じるものがあります。

白隠慧鶴『達磨図』


アンリ・ルソー『私自身:肖像=風景』


文化や芸術の発展には異質なもの同士の化学反応が不可欠ですが、昨今言われる「多様性(ダイバーシティ)」の重要性はこんなところにも現れているように思いました。