今回ゲストの三澤茂計さんとは、もう30年くらいのおつきあいがあります。
今や、日本だけでなく、海外にも、優れたワイン醸造家として知られ、後継者の三澤彩奈さんも、世界の産地を現場として学び、ワイン文化のいまを情報発信しています。
三澤さんは、世界的なワインの権威であり文人であった故麻井宇介(本名 浅井昭吾)氏の薫陶を受け、感銘を受けるワインの醸造をめざしてきました。
私は、第80回のローカルデザイン研究会(甲州市勝沼合宿)で、三澤さんからお話を聞き、その深い人間性への追求に驚き、また、グローバル化した日本社会の中で、ローカル企業が、どのような未来を目指していくのか、大いに学ぶことができました。
小手先の経営論でなく、地域文化と世界経済のあり方を考えていくローカル企業の経営とは、今回はそれを考えるきっかけとなると思います。
なお、三澤さんのワイナリーのワインのラベルなど、コミュニケーションデザインは、原研哉さんが手がけています。
当日は、少しですが、ワインの試飲も予定しています。
奥の深いワインの世界、味覚ともに味わってください。

■日 時:2010年10月28日(木)18時30分~21時00分
●会場:岩波セミナールーム
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-3岩波アネックスビル3F
(1Fは岩波ブックセンター)TEL:03-3263-6601


地下鉄神保町駅A6出口1分 JR水道橋駅12分

■スピーカー:三澤茂計(みさわ しげかず)さん 甲州市勝沼町 ㈱中央葡萄酒取締役社長
●タイトル:「国際的になった日本のワイン」
■内容:
シルクロードから日本に伝播したと言われている甲州種ブドウは、1000年の歴史を経て日本原産となった。甲州種ブドウはワイン用ブドウである欧州系品種とDNA解析で裏付けられた。山に囲まれ比較的降雨量が少ない点や湿度が低い条件が、ブドウを山梨で生きながらえさせてきたのだろう。
しかしながら、水が美味しく豊富な日本では、海外と比較してワインの重要度が低かった。こうした中、甲州商人の意気込みや明治政府の国策によって、明治7年甲府で初めて国産ワインが誕生した。東京という大きな市場を抱え、昭和30年代以降、生食用ブドウを中心としてブドウ栽培が勝沼で一気に広がった。ブドウ畑の景観は、現在も町民の誇りになっている。甲州種ブドウを原料とした白ワイン「甲州」の繊細で凛とした味わいは、日本を象徴するイメージに繋がる。
消沈気味の日本の市場は過当競争にあるが、世界に目を向ければ適正な市場が待ち受けている。繊細でヘルシーな日本の料理が世界を席巻している。繊細で爽やかなドライな白ワイン甲州は、日本の料理との相性が良い。ロンドンは世界のワイン情報の主たる発信地であり、新興国ワインに対して好意的である。平均単価の最も高いニュージーランドワインの市場が拡大しているのもその一例である。ワイン産地はブドウの栽培地だからその土地を離れない。輸出を前提にした海外進出は産地を空洞化しない。ワインの飲み手は、ブドウ畑の景観が風味に表現されたワインを評価する。ロンドンの評価が、更にワイン産地を鍛えてゆく。農業と工業を兼ね備えたワインの個性と継承されるワイン産地を語りたい。
●プロフィール:1948年山梨県勝沼町生まれ。1973年に東京工業大学工学部応用化学科を卒業。同年、三菱商事(株)に入社してプラスチック原料の流通を経験。10年を目途にして退社し家業である中央葡萄酒(株)に戻る。現在、娘と共にワイン造りに励んでいる。
<主な役職>
1990年 勝沼ワイナリークラブ 会長
1997年 良い食品作りの会 評議員
2006年 山梨県ワイン酒造協同組合 理事長
2007年 山梨県清涼飲料工業会 理事長
  2009年 7月EU向け甲州ワイン輸出プロジェクト委員長
<その他>
1987年 地元資本による若手ワイン醸造家の集いである勝沼ワイナリーズクラブを設立。初代事務局長として会を運営。
  2003年 勝沼町まちづくり代表。都市マスタープランを作成。
2009年 ブルゴーニュ・シュヴァリエ・ デュ・タートヴァン叙任。
http://www.grace-wine.co.jp/
■会費:会場費や資料代など、社会人2000円、学生無料。研究会後にゲストを囲んで、懇親会を行います。(会費約2000~3000円、学生1000円、23時ころまで)誰でも参加できます。また、当日の出席者の簡単な名簿をつくって配布します。安心して参加していただくためのものです。ご了解ください。
■申込期限:10月25日(月)まで
幹事:l08019mk@edogawa-u.ac.jp (春日井充 江戸川大学社会学部ライフデザイン学科)
LD研究会のブログは、http://ameblo.jp/ldken/
LD研究会グループのページ http://groups.google.com/group/local-design
LD研究会事務局長の斉藤哲也さんが管理しています。

鈴木輝隆

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