迎えた、「校内美化活動」当日
——2023年8月。
いろいろな調整や揉め事はあったものの、方向性さえ決まってしまえば、あとは当日を迎えるのみ。
そして、夏休み終盤。
ついに校内美化活動の日がやってきた。
「去年の経験」が大きかった
実施内容自体は、前年とほぼ同じ。
そのため、総務側もある程度流れを把握できていた。
これが実はかなり大きかった。
前年は、それ以前がコロナ禍で中止続きだったこともあり、先代総務メンバーですら流れを完全には把握できていなかった。
つまり、去年は“全員が手探り”だったのだ。
でも今年は違う。
少なくとも、
「何が起こるのか分からない」
という状態ではなかった。
オレンジシャツ問題、解消
さらに、大きく変わった点がもう一つ。
——服装だった。
前年は、総務が“目立つオレンジ色のポロシャツ”を着ていた。
その結果どうなるか。
何かあれば、とりあえず総務に聞かれる。
しかも、総務側も詳細を把握していない。
だから、
「少々お待ちください」
となり、確認へ走る。
あの無限ループが発生していた。
しかし今年は、役割を“腕章の色”で区別する形に変更。
これによって、
「なんでもかんでも総務へ」
という状況がかなり減った。
これは本当に大きかった。
あれだけ揉めたのに、当日は驚くほどスムーズ
そして、いざ始まってみると——。
各場所の流れはかなりスムーズだった。
滞ることもなく、作業が進んでいく。
正直、
「あのゴタゴタは何だったんだろう」
と思うくらいだった。
自分たちは“サポート役”へ
だからこそ、総務側としては余裕も生まれていた。
草むしりを手伝ったり。
足りなくなったゴミ袋を補充しに行ったり。
現場が円滑に回るように動く。
前年のように“何でも対応窓口”になる必要が無かったのは、本当に助かった。
そして、振り返りの時間へ
無事に美化活動が終わったあと。
総務と厚生部で振り返りを行うことになった。
ここでも、話の中心はやはり副部長だった。
実施内容。
改善点。
当日の動き。
それらを整理しながら振り返っていく。
途中で、副部長が涙を流した
そして、その途中だった。
副部長が、涙を流し始めた。
おそらく。
ここまで抱えてきた使命感や重圧。
それが、一気に解放されたのだと思う。
その姿を見て、自分を含め、裏事情を知っていた一部の総務メンバーは改めて気付かされた。
——この人、本当に大変だったんだな、と。
でも、その隣では——
その一方で。
ふと、部長の方を見る。
……まったく、何も感じ取っていない様子だった。
もちろん、表情だけで全ては分からない。
でも少なくとも、
「ここまで負担を掛けてしまった」
という空気感は、ほとんど感じられなかった。
期待していた言葉は、最後まで無かった
振り返りの途中、自分は少しだけ思っていた。
部長から、
「色々お願いしてしまって大変だったよね」
とか、
「負担を掛けて申し訳なかった」
とか。
そんな言葉が、副部長へ向けて出るのかな、と。
でも——。
やはり、そういう言葉は最後まで無かった。
だからこそ、余計に印象に残った。
組織って、役職名では動かない。
実際に背負って動いている人が、現場を支えている。
そんな現実を、かなり強く感じた出来事だった
