「じゃあ、どちらがやりますか?」

——そして、話は核心に入っていった。

“副会長”を決める。

しかも、その後は会長になる前提の役職だという。

突然現れた、あまりにも大きな役割。

そして、ついに空気が変わる。

「さて、どちらがやりますか?」

その場にいた新任の男性総務は、自分を含めて2人だけ。

つまり、二択だった。

淡い期待は、一瞬で消えた

正直、自分の中には少し期待があった。

もう1人の方は、人前で話すのも得意そうだったし、コミュニケーションも自然だった。

だから、

“もしかしたら引き受けてくれるかもしれない”

そんな風に思っていた。

——だが、その期待はものの見事に崩れ去った。

お互い、簡単には手を挙げられない。

当然と言えば当然だった。

頭の中をぐるぐる回る言葉

そこからはもう、頭の中がずっと落ち着かなかった。

「自分がやる?」

「いや、相手の方にお願いする?」

「でも押し付ける形になるのは嫌だな……」

そんな考えが、ぐるぐると回り続ける。

相手の方は、自分より少し年下だった。

だからこそ、“年上の自分が逃げる”ような形にはしたくない。

そんな気持ちが、少しずつ固まっていった。

そして、自分が手を挙げた

しばらく考えた末、自分は口を開いた。

「……自分がやります」

今振り返ると、勢いもかなりあったと思う。

もちろん、不安が消えたわけではない。

むしろ、不安だらけだった。

ただ、“誰かに押し付けるくらいなら、自分が引き受けよう”

その気持ちの方が強かった。

ちなみに後になって知るのだが、もう1人の方は土曜日も仕事がある環境だった。

PTA会長を経験した翌年になって、

「あの時、自分が引き受けておいて良かったな」

と、本気で思うことになる。

実は、もう一つ大きな不安があった

ただ、この時の自分には、別の不安もあった。

半年前の人間ドックで、“要精密検査”の結果が出ていたのだ。

最終的な検査は秋に予定されていた。

もし、その結果次第で入院や手術になったら——。

役を引き受けたあとに動けなくなれば、周りに迷惑をかけてしまうかもしれない。

それが、ずっと心に引っかかっていた。

だからこそ、「やります」と言った瞬間も、覚悟と同時に、不安が大きくのしかかっていた。
【その時の様子がこちら】

 

その日家に帰ってから家族に話すと
「なんでそんなもの引き受けたん」
と文句を言われたのは、ある意味通常運転…