突然始まった「総務委員会」
そして、総務委員会が始まった。
——いや、正確に言うと、自分の中では“突然始まった”感覚だった。
何をするのかもよく分からないまま座っていると、次々と話が進んでいく。
飛び交う言葉。
議題。
学校側とのやり取り。
でも、その時の自分には、話している内容のほとんどが理解できなかった。
ただ一つ印象に残っているのは、
「みんな、ものすごく真剣に話している」
ということだった。
時には先生方も交えながら、かなり熱の入った議論が続いていた。
その様子を見ながら、当時の自分はこう思っていた。
“行事のお手伝いをするだけなのに、みんな熱心なんだなぁ”
今思えば、とんでもなくズレた認識だったのだが、この頃はまだ本当に何も分かっていなかった。
そして、最後に告げられた「衝撃の一言」
委員会も終盤に差しかかった頃。
そこで、突然こんな話が出た。
「新しく入った男性総務から1名、翌年度に会長になる副会長を決めてもらいます」
「女性総務からも1名、翌年度に副会長になる人を決めてもらいます」
——その瞬間だった。
ようやく、自分は気付いた。
「あれ……ここって、“PTA役員”の集まりなのか?」
それまでの自分は、“PTAの手伝い”くらいにしか思っていなかった。
でも、今いる「総務」という立場は、世間で言うところの“PTA役員”そのものだったのだ。
つまり、二択だった
そして、さらに現実を理解する。
新しく入った男性総務は、自分を含めて2人だけ。
もう1人は、子供と同学年の保護者の方だった。
……ということは。
どちらか1人が、その役目を引き受けなければならない。
空気が一気に現実味を帯びた。
「自分だけはない」と思っていた
正直に言うと、自分は人前で話すのが大の苦手だ。
前に立つのも得意ではない。
できれば避けて生きていきたいタイプだった。
一方、もう1人の方はというと、話すことにも慣れていそうで、周囲とも自然に会話している。
だから心のどこかで、こう思っていた。
“もしかしたら、引き受けてくれるかもしれない”
そんな淡い期待を抱いていたのである。
