
『八月の路上に捨てる』
これは今年の芥川賞受賞作です
「伊藤たかみ」
全く、知りませんでした
少し前の「王様のブランチ」の本紹介コーナーで、受賞後にインタビューを受けていて
それで初めて知りました
ちょっと親近感を感じたのは「同じ歳」だった事と「同じ体験?経験」をしてた事
(しかも伊藤さんは「平井堅」と高校の同級生だそうです・・・)
私はこういう賞の受賞作は、タイムリーには読んだ事がありません
すっかり人々から忘れ去られた頃に読むのが好き・・・
でも、今回は違ってました
「王様のブランチ」を見て速攻でアマゾンに注文してました
それは・・・
この作品の中身に興味津々だったからです
これはあるカップルが結婚をして離婚するまでの短い期間を描いています
それを男性側の語りで書かれているものです
まぁ、伊藤さんが男性であり、離婚経験者なので・・・
でも、伊藤さんはもうすでに作家の奥様と再婚されてます
そう、私も離婚経験者なので何だか読んでみたかったのです
こんなところでカミングアウトしてどうするんだ?!って感じですが・・・
まぁ、そうしないとこの本の感想も上手く書けないなぁ~って思って・・・
何だか懐かしい気持ちになりました
「懐かしい」って表現はちょっと違うのかも知れませんが、この言葉以外に今は
見当たらないので・・・
「そうだった!こんな感じだった!!」
って思う節がたくさんありました
2人の関係が少しずつ、本当に見えないほど小さく壊れていく感覚
見えないから、ちょっぴりしか痛みを感じないから、日々の生活の中に置き去りにして
行き過ぎてしまう・・・そうこうしてる内に傷は修復できない位に大きくなってる・・・
気付いたら、もう一緒の部屋で息をするのもイヤになってた
何か一つの大きな事件があったわけでは無い
「きっかけ」となる事件はあったけど、それだけでは無かったよね
私はあれから2人で暮らした期間よりも長い一人暮らしを今もしています
結婚してた時、彼に言われた
「お前は結婚に向いてないのかもな」
って言葉に、ちょっと怯えながら「誰か」を待っているのかも知れない
「そんなに私、結婚に向いてないかな?」って思いながら・・・
伊藤さんも再婚し、私の元旦那様も再婚しています
この作品を読んで、また「結婚」ってなんだろう?って考えてしまいました・・・