オマケで
最後に例題を3つ。
これは実際に、
マサチューセッツ工科大学が、この思考実験のデータ収集のために、
インターネット上に立ち上げた「モラルマシン」というサイトに出ていた問題です。
例題1
車を走行中に、信号無視をした若者5人が車道へ飛び出してきた。
歩道に向けてハンドルを切れば回避できるが、切った先には2人の老人が信号待ち中。
あなたはハンドルを切る?切らない?
また、逆に信号を無視したのが老人2人、歩道にいるのが若者5人の場合は?
例題2
一本橋を走行中、数人の若者が車道へ飛び出してきた。
「突っ込む?」or「避けるために車ごと橋からダイブ?」
例題3
妊婦を助手席に乗せて走行中、突然前方に障害物(事故車)が現れ、
その奥には横断歩道がある。
そのまま突っ込むと乗員は必死。ハンドルを切ると歩行者が必死。
what you do?
また、同乗者が人ではなく、ペット(犬or猫)だった場合なら?
ちなみに、
このサイトでは世界250ヶ国、合計4000万人以上から回答を集め、
そのうちの約50万人は年齢・性別・学歴・収入・信仰宗教などの個人データ付きです。
(凄まじいサンプル数!!)
集まった回答データを分析したところ、
例えば日本(人)は、世界で最も「数」より「質」、つまり「何人助かるか」よりも、
「どんな人が助かるか」を重視する国らしい。
一方、その逆の傾向にあるのがフランス。
また、何より「運転手」の安全を第一とするのが中国とエストニアだそうです。
(何となく分かる・・・は、失礼でしょうか)
あと、
日本のような治安のよい豊かな国では、
「信号無視は死んでも仕方がない派」が多い傾向にあり、
コロンビアなどの貧富の差が激しい国では、
「ホームレス・犯罪者は老若男女問わず見殺しにする派」が多いそうです。
この様に、
それぞれの社会的背景を踏まえながら、様々なシチュエーションにおける
「基本動作」を自動運転装置には一つ一つプログラミングしなければなりません。
つまり、これらのデータの傾向結果次第では、
いつか運転が全く必要ない
フルオートの車が作られたとしたら、
場合によっては、
例題2のような状況の際、
橋からダイブを選択する自動運転が出てくるかも・・・しれませんね