
クラミジアの正体
クラミジアの病原体は非常に小さいです。細菌やカビと違って普通の顕微鏡ではみえません。電子顕微鏡を使うとクラミジアやウイルスのような非常に小さな病原体をみることができます。興味のある人は「クラミジア 電子顕微鏡」で検索してみて下さい。
検索した人、わかりましたか?わかりにくいですね?細胞の中に、大小さまざまな形をした丸い粒子を含んだ袋がある画像の、そのさまざまな丸い粒子がすべてクラミジアの菌体です。クラミジアは増殖過程で基本小体、中間体、網様体などの形に変わります。クラミジアはウイルスのように小さいのですが、ウイルスと違って、細菌と同様に抗生剤で治療することができます。
クラミジア属
クラミジアは抗生剤が効くので細菌に分類されます。ヒトに病原性があるのは3種類で、Chlamydia trachomatis(クラミジア トラコマティス)、Chlamydia psittaci、Chlamydia pneumoniaeです。
特に性病(性感染症、STD)の原因になるのはChlamydia trachomatisです。性病の原因になるクラミジアとクラミジア性結膜炎(トラコーマ)の原因のクラミジアは同じ種類です。本シリーズではChlamydia trachomatisについて解説していきます。
おまけ
トラコーマの病原体を初めて発見したのは?
今からおよそ100年前、1907年にクラミジア(Chlamydia)という病原体が医学誌に発表されました。ジャワのバタビアがオランダの植民地だった頃、梅毒の治療薬を探すためのバタビア探検に同行していた二人の研究者(Halberstaedter とvon Prowazek)の仕事です。二人はトラコーマ患者の眼の結膜をこすって得た細胞(擦過細胞)をオランウータンの子供の眼に感染させ、オランウータンにヒトと同じ結膜炎ができることを確認しました。そして、結膜炎から得た擦過細胞を顕微鏡で観察しました。普通の顕微鏡でクラミジア自体はよくみえないのですが、細胞の核のまわりをマントのように取り囲む袋があり、その袋の中にたくさんの小さなツブツブが入っているように見えます。このマントのような袋(封入体)が特徴的で、昔のギリシャの衣服に似ているので、ギリシャ語のchlamys(昔のギリシャ人が肩から斜めにかけたドレープのような衣服)から菌体の名前をつけました。

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