治療をお休み中は夫婦で好きな場所に行き、好きなものを食べリラックスして過ごすことができました。
なにより、排卵日を気にすることがなくなったので、夫もプレッシャーから解放されて日々穏やかでした。
数ヶ月後、治療を再開。がしかし、やはり卵胞がなかなか育たず…生理周期もバラバラで、長い時は50日近くかかっていました。
このまま排卵をしなければ人工授精も出来ないので、排卵誘発剤の注射を打ちに通うことになりました。
ですが、何度も何度も注射を打ってもさほど効果はなく、注射の数は増え、両腕がしこりのようになってしまい、痛みで仰向けでしか横になれなくなりました。
そんなある日、突然強い腹痛を感じ、病院へ。
すると、卵巣が腫れ上がっていて腹水も溜まっているため、卵巣刺激症候群(O H S S)になっていると言われました。
そこで一度排卵誘発をやめて、自然に排卵を待って、そのタイミングで人工授精を行うことに。
7回目の人工授精後、腹水のためか歩くとお腹がつるような痛みがあり、ひどい時はしばらく動けなくなることも。外回りの仕事を減らしてもらい、内勤をすることでなんとか乗り切りましたが、またもや妊娠は叶わず…。
ここまで妊娠しないと分かると、高度不妊治療へのステップアップがかなり現実のものになってきました。
夫は体外受精へのステップアップにかなり乗り気でしたが、私は躊躇いがありました。
当時の私は、
人工授精までは、妊娠するための補助医療、あくまで精子を膣内に入れる手伝いだけを病院でしてもらうという感覚でしたが、体外受精となると、もはやそれはもうあまりに人の手が関わりすぎていて、自然な形ではない。出来れば自然に近い形で子どもを望みたい。
という考えでした。今思えば稚拙な考えですが、あくまで「普通」「自然」でありたいという気持ちが、ここまできても捨てきれなかったのです。
高度不妊治療はもはや神様の領域であると。
そこまでせずになんとか子どもを授かりたいと考えていました。