伝統菓子の本物と偽物 | 南風 オハヨウ

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「ちんすこう」というお菓子を知っていますか?

沖縄のお菓子で、土産物屋に大量においてあります。

沖縄に行った人は必ず目にする土産です。


この「ちんすこう」、

私はしばらく、甘ったるいだけのお菓子、
という印象でいました。

特に買ってまで食べたいと思わないお菓子
という位置づけだったのです。


ある時、仕事で沖縄に行ったとき、
同行していた人が、
「ちんすこう」はどこのがいいですかと
地元の方に聞いたのです。

するとその地元の方は、
ただちにあるメーカーの名を挙げたのです。


それまで私は、「ちんすこう」は「ちんすこう」で、
どこが作っているかなど考えもしませんでした。
試しにそのメーカーのものを求め、
食べてみるとうまいのです。
いままでの「ちんすこう」は何だったのだろう。
そのぐらいの違いがありました。

なかなかに味わい深いのですね、これが。


そこの「ちんすこう」が本物だとすると、
他のものは偽物というほどの違い。
でも、本物を知らない人は、
偽物を本物と認識してしまうのですね。


その土地で古くから伝わるお菓子は、
今さら1社で商標登録できないので、
様々な会社が参入し、同じ名前で売っています。
買うほうも、あの土地では「○○」が有名だ、
という情報のみあるので、
土産物屋で目に付いた「○○」を買っていきます。


それが不味かったら、
「○○」は不味いという評価になり、
二度と買ってもらえないばかりか、
周囲の人に話をしますから、
「○○」を買わない人を増やしてしまいます。


どうやって、本物の「○○」を知ってもらうか?
本物を作っているところは、
本物は黙っていても分かってもらえると
考えがちですので、
本物を知ってもらう努力が不足しがちです。


本物が尊重される時代になりつつある今こそ、
どうやって、本物の存在を
きちんと知ってもらうかを考えて行くべきでしょう。