世の中は3連休なのだが、手持ちのお金が1000円くらいしかない人間にとっては、何にも意味がないな。仕方がないけれど。
で、先ほど思い立って、モンブランの万年筆を引っ張り出し、もう3年以上使っていなかったのでインクが乾いて動かないことを確認。
で、42度のお湯に浸けて1時間ほど経つと、どうにか動き始めた。
この万年筆はカートリッジ式ではなくて、スポイトみたいにインクを吸い込むタイプなので、確実にそこは動かないと思っていたわけだ。
しかし、お湯に浸けたら無事動き出した。そのまま1時間ほど浸けて、綺麗に拭いて、ブルーブラックのインク(これも相当古い)を詰めて使ってみたら、問題なく文字が書けた。素晴らしい!
そもそもこれは、高校卒業祝いに親に請うて買っていただいたものである。当時(38年ほど前のこと)からものすごく高くて、確か4万8000円くらいしたはず。で、今はどのくらいするのか調べてみたら、以下のような状況である。
なんと、13万2660円! 売っぱらわなくてよかったなぁ。
大学時代、レポートは全てこの万年筆で書いていた。卒論はさすがにもうワープロの時代だったが、出版社に入社してからも、ずっとデスクのペン立てに刺さっていた。あまり使わなかったけれども。
やがてパソコンで原稿を書く時代になって、全く万年筆を使わなくなってしまった。手書きで何かを書く時には、重要書類でない限り「フリクションボール」を使用している。校正の赤字もそうだ。
ここのところ、ずっと陰鬱な気分に苛まれてきたのだが、なんとなく、今日のこの事実でかなりモチベーションが上がった。
といっても原稿はやはりパソコンで打つのであるが、手書きの文書、例えば一筆箋などを添えて送る場合には、今後はこの万年筆を使うことにしようと思った。
もはや、身ぐるみ剥がされて、手元に財産など一つもないと思っていたのだが、金額的にも、思い出としても大いに価値がある品があったのだ。この万年筆を売るような時が来たら、もうおしまいだと思う。
もうひと頑張りしたいものである。