今日、なにげなくネットを見ていて、
関西と関東の『たぬき」の違いのことを読んだ。
ああ、そうだっけな、などと思うのだが、
実は僕はこれで面食らった経験がない。
要するに関西でたぬきそばを食べたことがないからだ。

要するに、関西では「たぬき」とは「揚げの入ったそば」のことで、
関東でいう揚げ玉(うちのふるさとでは天かすという)が入った物は
「ハイカラうどん」とかいうのである。
で、「関東でいうきつねそば」が
「関西のたぬきそば」なわけでありますね。
京都ではこれがあんかけになっているという。

もともと、きつねうどんしかなかったところに、
きつねそばが出てきたから、うどんがそばに化けたというわけで、
麺の違いをきつねと対照してたぬきと言ったわけです。
従って関西ではたぬきうどんというものがないのですね。

東京は違う。
たぬきとは「天ぷらの種がないもの」=「揚げ玉』を
「種抜き」=「たぬき」ということからこの名前がついているわけですわ。
面白いものです。

しかし、そもそも、東京へ出てきて立ち食いそばやで
天ぷらうどんを食べたときの
驚きようといえば、想像していたレベルを超越していた。
つゆは真っ黒だし、麺も黒ずんでいるのですよ。
聞いてはいたがマジでビビった。
以来、こちらではそばしか食べないのでありますね。
そばはなかなか安っぽい感じが良くて、それがまたいける。
が、うどんはあかんな。

これは逆もそうで、関西の立ち食いうどん店でそばを食うとまずハズレる。
どだい、同じつゆで出そうというところからして無理があるのだから仕方がない。

僕の田舎は愛知だから、駅の立ち食いもきしめんである。
高校生の頃、部活の試合の帰りに友人と、駅構内の立ち食いそばののれんをくぐった。
僕はきしめんだかうどんだか忘れたけど、記憶しているのは
鰹節が山盛り載って出てきたことである。

友人はなんとそばを頼んだ。それが相当に驚いた。
当時、友人で誰もそばなどを食うやつがいなかったのである。
で、出てきたそばには、刻みノリが山盛りかかっていて、
ああ、うまそうだな、と思った記憶がある。
今度は俺もそばを頼もう、と思いつつ、
結局、きしめんばかり頼んでいるのです。

今度大阪へ行ったら、たぬきを頼んでみよう。
こうした事前情報がなかったら、
出てきた瞬間にかなりのカルチャーショックがありそうだけれど、
いかんせん、僕はすでに知っている。
それって、案外つまらないことです。