先週の続きで・・
貧民村の中の急ごしらえの診療所で、ジンとヨンレが良いムードになっているところへ、馬に乗ったギョンタクがやって来る。
ギョンタクは「早く帰りましょう」と言うも、ヨンレは「まだやることが残っています」とそれを拒否。ギョンタクにそこに張っている綱は患者とそうでない人を分ける綱なので入ってはいけないと言う。
ギョンタクは「どうして貴族の娘がこんなところにいなければいけないのか?」と苛立ち、剣を抜き、ジンに「お前が連れて来たのか?」と尋ねる。
ヨンレはそうではないと答えるが、ジンは自分が頼んだと言う。ここに住んでいる人々が、とても信じて頼っているから手伝って欲しかったと。
ギョンタクは「何だと?」と怒り、「この女性が僕にとってどんな存在だかわかっているのか?」と質問。ジンは、知っていると答える。本当に素敵な婚約者だと。
この険悪な雰囲気の中、ハウンが登場。
間に入って、ギョンタクに、その刀でジン医員を切るつもりなら中にいる患者を全部切れと言う。
そうこうしていると、グァン医員(ホ・グァン医員)がミョンボク(ハウンの息子・後の王)が大変だと告げに来る。
室内では、ミョンボクの容体が悪化していて、ジンは点滴を打つ。この時、ジンはヨンレに点滴の仕方を教えている。
息も絶え絶えのミョンボクはジンに「おじさん、僕は死ぬんですか?」と尋ねるが、歴史を知っているジンは「お前は死なない。僕が知っている。お前は本当に偉い人になるんだよ」と答える。
ハウンは息子の無事を天に祈り、助けてくれたら酒も控えて人間らしくすると誓う。
ジンの治療の甲斐あってミョンボクは助かり喜んでいると、貧民村に物資が届く。
実はこれは盗賊(反体制派の地下組織)であるヨンレの兄から。
以前、馬に蹴られて何とか一命をとりとめたのに今度はコレラに罹っていた母親も助かり、コレラは収まりつつあると、貧民村に明るい兆し。
ところが、そんな時、今度はジンがコレラに倒れる。
都では、ギョンタクの父ビョンヒがコレラ収束の宴(?)を開いていて、悪徳だけれど位の高い医員のホンピルと、互いの功を誉めあっている。
その場には売れっ子妓女のチュンレイもいる。
そこでジンがコレラに倒れたこととヨンレが一緒にいることが話題になり、ビョンヒが、なぜヨンレがそこにいるのか?と聞き、ギョンタクは自分がそうさせたと答えて、よほど心が広いようだと、周囲からおちょくられる。
貧民村の診療所では、ジンがかなり重症で、ヨンレがジンに点滴をしている。
ジンは自分が患者になったことで、病気で死ぬ恐怖を思い知る。
ギョンタクは公務の時に着ている韓服ではなく、先の主席に引き続きピンクの韓服で酒を飲んでいる。(やけ酒?)
飲みながら、診療所に行った時のことを回想している。
回想:ギョンタクがジンに「お前が連れて来たのか?」と聞くと、ヨンレが「違います。私が自分で来ました」
するとそこにチュンレイがやって来て、「あなたがこんな風に酒を飲むなんて。憂鬱だったら女をおくりましょうか?」と言う。
ギョンタクは取り合わない。
チュンレイはギョンタクの憂鬱は婚約者のせいかと指摘する。あなたの婚約者はジンに特別な気持ちがあるのではないかと。
ギョンタク「黙れ」と怒り、「お前に何がわかるのか?」
チュンレイ「女心は女がわかります」
ギョンタク「男に媚を売っているくせに何がわかるものか」
チュンレイ「そのうち危ういことが起こります」
ギョンタク「人を惑わせるようなことを・・占いがしたいなら他でやれ」
(チュンレイは歌舞音曲の芸事の他に占いも出来るミステリアスな女性)
チュンレイ「惑わせるのは簡単でも、心を得るのは難しいものです」
ギョンタク「帰るっ!」
その頃、貧民村の診療所では、ジンの容態が悪く今晩を越せるかもわからない状態。
そんな中で、ハウンが何かを決意。
ヨンヒ(ヨンレの兄)が夜道を歩いていて、誰かの気配を感じて小刀を構える。それは、いかにも切れ者の盗賊(反体制派の地下組織)の首領といった姿。
しかし、そこに現れたのはギョンタク。
表情を急変させて取り繕い、びっくりしたと言うヨンヒに、ギョンタクは「どこに行っていた?」と聞き、ヨンヒは散歩だと答える。
「こんな時間に?」とギョンタクが聞くと、ヨンヒは「酔っているのか?」とギョンタクに尋ねる。
そこから二人は何気なく一緒に歩き、やがて池のほとりに座って話し込む。
ギョンタク「そういえば、ここで君とよく遊んだな」
ヨンヒ「勉強もしないでチャンバラごっこをしては叱られた」
ギョンタク「庶子の僕なんかと遊んだりして、君はもっと叱られただろう。他の両班の子弟たちは僕を遠ざけていたのに、君と妹だけは僕と遊んでくれて、子供心にとても有難く思っていた」
ヨンヒ「酔っぱらいめ」
ギョンタク「罰があたるかも知れないが、ヨンレお嬢様と婚約することになった時、君の家の不遇を内心で喜んだんだ。庶子の僕からしたら貴族のお嬢様との婚約なんて夢のようで。幼い頃から君の妹が好きで夢見ていたことが叶ったから」
ヨンヒ「もうよそう。嫡子とか庶子とか、どうでもいいじゃないか」
ギョンタク「君は庶子じゃないからそんなことが言えるんだ」
ヨンヒ「ギョンタク・・」
ギョンタク「愛した相手が両班の令嬢だったために告白も出来ずに見ているしかなくて、自分の父親を『高官様』と呼び、いつ不興を買うかと毎日顔色をうかがって怯えている気持ちが君にわかるか?誰にもわかるわけない」
ヨンヒ「身分制度のせいで辛い思いをしているのは君だけじゃない。僕達だって、南人(失墜した派閥)だからという理由で蔑視されている。それというのも権力を掌握している人間がそう仕向けているからだ。こんな制度は一日も早く壊さないといけない。ああ、そうか、こんなだから僕は皆に驚かれるんだな。僕は朝鮮一の机上の空論吹きだ。だから、こんなことを言ってたなんて他言しないでくれよ。僕だってまだ出世したいんだから」
ギョンタク「はは・・」
ヨンヒ「でも結局、君の思い通りになったじゃないか。高官様には認められ、愛する女性だって手に入った」
ギョンタク「それは思い違いだ。高官様に認められてはいないし、お嬢さんの心だって僕にはない」
ヨンヒ「妹が貧民村に行ったからって心配ない。あの子は思いやりの心で行っただけさ」
ギョンタク「本当に? 本当にそれだけが理由だと思うか?」
貧民村の診療所では、ジンの具合が悪い。
苦しさに浮かされたジンはヨンレをミナ(現代での婚約者)と混同し、手を握る。
ヨンレは逃げ出して、外でドキドキしながら、以前ジンが「以前会ったことないですか?」と自分に聞いたことを思い出している。
するとそこにチュンレイが仲間の女達を従えてやって来る。
貧民村の中で、きらびやかな女達の姿はかなり異質。
乗り物(かご)を連れてきていたチュンレイはジンを助けるためにここから運び出すと言うがヨンレは聞き入れず、女の闘いが起こるが、貴族の令嬢であるにも関わらずジンの太腿に点滴を打つヨンレの姿を見たチュンレイは、お嬢様だからって甘く見ていたと認識し、諦めて去る。
その頃、ハウンは高位の医員であるホンピルに会いに行き、ジンの治療法は効果をあげているから援助して欲しいと頼み、ホンピルはビョンヒに話してみると約束する。
貧民村の診療所で深刻な容態のジンは苦しさの中で夢を見ていて、その中で自分は現代の病院の屋上にいて、また落ちたら自分の時代に帰れるかも知れないと思っている。
ヨンレはそんなジンの手を握って「行かないで」と呼びかけ、それが意識朦朧のジンに届く。
一時は危うかったが、ジンの容態は何とか最悪の時を脱する。
ハウンがホンピルが援助を約束してくれたことを告げたのもあって、診療所は明るい雰囲気に包まれている。
都では、ビョンヒ、テギュン、ホンピルなどが会合中。
ハウンに援助を約束したはずのホンピルがコレラの状況に問題があるとして、貧民村に火をつけて燃やしてしまうことを提案。
ギョンタクが状況は改善していると報告するも、ホンピルは、それは一時的なものに過ぎないと否定。このままにしておくとまた都にも疫病が広がる可能性があるから、禍の元は根絶やしにすべきだと指摘。
ギョンタクが「しかし、いくら何でも、あそこはあの者達にとって唯一の住まいです。それを奪うなど、悪戯に人心を動揺させるだけです」と懸命に反論するも、ビョンヒの出した答えはホンピルの意見が正しいから「燃やせ」というもの。
ギョンタク「高官様っ!」
ビョンヒ「やりなさい。私の教えを思い出せ。情けをかけるな、それが政治というものだ。慈悲の母ではなく、厳格な父の鞭を振るうのだ」
ギョンタク「僕にはそんなことは出来ません」
するとビョンヒが、部屋の外に控えているものに向かって、今すぐ火をつけるよう官庁に伝えるよう命令。
ギョンタクはそれでも食い下がろうとするが、ビョンヒは取り合わず、出て行けと命令し、ギョンタクは部屋を出る。
すると、テギュンとホンピルが、「あそこに婚約者がいるから反対している、情けないやつだ」とギョンタクを罵り、見かねた(?)ビョンヒが庶子でも一応は自分の血を分けたものだから口を慎めと叱る。
そうこうしているところに、ギョンタクが部屋に戻って来て、
貧民村を燃やすのを自分にやらせてくれ、自分を行かせてくれとビョンヒに懇願する。
部下を引き連れて貧民村に行ったギョンタクは秘かにヨンレを拉致した後、「村に火をつけろ」と命じる。
貧民村が燃える混乱の最中、馬に蹴られそうになった少年がかくれんぼをしていて逃げ遅れ、それをジンに二度命を救われた母が助けに行き、親子で火にまかれる。
ヨンレを拉致したギョンタクは自分の馬に乗せて貧民村を離れ、少し離れた高台に行き、そこでヨンレに責められる。
ヨンレ「いくら国のためとはいえ、従うべき命令と、そうでない命令があるでしょう? 貧民村に火を付ける命令なんて・・」
ギョンタク「僕が自ら申し出ました。命令が下れば誰かが実行します。それならば僕がやった方がいいと思いました。そうすれば、あなたを無事に救うことが出来る」
ヨンレ「そんなことで私が感謝するとでも思ったのですか?」
ギョンタク「もう帰りましょう・・・」
ヨンレ「行くところもない人達です。そんな弱者が住む場所を燃やすなんて、天が怖くないんですか?」
ギョンタク「ずっと前から、天は僕の味方ではありません」
火が収まった貧民村では、母子の捜索が行われ、燃え落ちた瓦礫の中から寄り添って倒れている二人が発見される。
二人共死んだかに見えていたけれど、子供の方は生きていて、母だけが死んでいる。
自分のせいで母親が死んだという子供に、ジンは、お母さんは君を生かすために病気に勝ったんだから、そんなことを言っては申し訳ないと諭し、そこで考える。
『この女性は馬に蹴られた時に死んでいなければならない運命だったのかも知れない』『幾ら俺が身悶えしても、歴史は変わらない』
今回(第5回)は、ギョンタク様視点でドラマを見る上で、かなり内容の濃い大切な回だと思われたので、あらすじというよりもドラマの内容をほぼそのまま書いてみました。
画像はお借りしております。
ありがとうございます。














