僕のフィリピン  ~その後のフィリピン・ラウンドトリップノート~ -382ページ目

目的地、フィリピンの事 1

12月ともなると、街はいっそう賑やかさを増す。

「失業旅行」をひかえ引越しを済ませていた僕は、かつての自転車通勤から電車通勤へと切り替え、おそらく忘年会帰りであろう人たちと毎日終電に揺られて帰宅していた。

初めての電車通勤。

もちろん僕の勤める店も例外なく“年末ムード”一色で、

真冬なのに

    シャツは汗でぐっしょり
    顔は自分のアブラでてかてか
    靴下なんか雑巾のように絞れるほど    だ。




フィリピンに行く事を決めた僕は、周囲の人たちに聞かれるまま、その行き先を告げた。

実際のところ、たいていの人たちのリアクションは一種類しかない。


        「へぇ~」
                でおしまい。

その後、一瞬何か僕にかける言葉を探すような顔つきをして

   結局、・どの位行ってるの?
       ・いくら位かかるの?
       ・次の仕事は決まってるの?

          と、旅先とはまったく関係ない質問が続く。

       要するに話が全然ふくらまないのだ。




僕の好きな国、フィリピンは他のアジアン・リゾートに比べると本当に人気がない様子。




しまいには僕も質問する人の顔つきが曇ってしまうのにウンザリして

        「フィリピン、とか南の島に行ってきます。」

                 と、答えるようになってしまった。





旅先として、あまり関心を持たれないフィリピンという国にどうして僕達が向かうのかというと・・・