僕のフィリピン  ~その後のフィリピン・ラウンドトリップノート~ -383ページ目

旅の準備の準備の終わり

“移動、移動に明け暮れる旅ではなく、その土地をじっくり味わうような旅をしたい”


そういう主旨の話を彼女はゆっくりと丁寧に語った。


そうだ。始まりも終わりも自分で決める、そのために僕は次の仕事を探すこともなく旅に出ようとしているんじゃないか。


       「その土地をじっくり味わうような旅」

             どうやらこれがキーワードになりそうだ。




無職になる事で僕達はたっぷりの時間を手に入れられる。

ゆったりとした気持ちで旅に臨む。
移動したくなったら、移動する。
帰りたくなったら、帰る。

実にシンプルだ。

旅立つ前からスケジュール満載にする必要なんてなかったんだ。

         

          ・     ・     ・



そこから先の僕達の会話はとてもスムーズに進んでいった。

すべては彼女の示したキーワードのおかげだ。


あれほど悩んだ目的地もあっさりと決まる。
本当にあっさりと。


        「探しものは身近な所にある。」

           諺どうりだ。
                  ・・・こんな露骨な諺、  ないか。


とにかく目的地が決まった。
僕達にとって、とても馴染み深い国。
これで旅の準備の準備もようやく終わる。


その国の名前はフィリピン。

出発まで一ヶ月を切っている。