カーボンロッドの寿命について… | V-MAX発動のブログ

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へら鮒釣りとへら浮子製作、釣技研究、月例会の様子などを綴っています!
子供の成長と家庭での出来事も綴ります!

横利根の試釣、大会中に日研本部の方々と釣具、とくにカーボンロッドについて話す機会が何度もあり、寿命について話題になりました。

カーボンロッドに『寿命なんか無いでしょ!』と話をしたほとんどの方々捉えているようでした。

本業では自分も物造りのプロとして、様々な素材を調べたり、図面におこしたり、製品にしたり…
樹脂やGFRP、CFRPも扱います。
もちろん強度計算もしますよ!
先日のFX21のネタにも載せましたが…
断言します!

カーボンは負荷を掛けた分だけヘタリます。
買ったその時が100点なら、1〜2tも釣れば半分の50点、コイやレンギョを掛け過負荷を何度も何度もかければさらに下がり30点。
ベロンベロンの竿です!
もし…性能の劣化がないのであれば買い換えの需要はグンとなくなります。
自分は27尺でも竿尻にサルカンで65-80のハリスを使うので、道糸の伸びと竿のヘタリには相当敏感です。
新品のウチは問題無く出来ても、必ず劣化は訪れます。

タイヤの空気圧の管理やオイル交換した際に変化が判らない人には意味が通じないかな?


参考文書、初心者向けの内容です!

『CFRP入門/情報サイト』より抜粋
初心者向けCFRPの疲労特性評価の考え方
CFRPは疲労しない、という話を聞いたことがある方がいるかもしれません。しかし、現実問題としてCFRPは疲労破壊します。Staticな破壊ではなく、疲労特性を考慮することは、部材設計の許容応力などを決定するために需要です。CFRPの疲労破壊については、多くの研究者が評価方法を提案されており、論文が多数出ています。

今回は、CFRPの疲労、主にプリプレグで成形した製造物に関する基本的な考え方を説明したいと思います。

樹脂は疲労する
少なくとも樹脂は疲労破壊します。熱硬化性、熱可塑性に関わらずです。CFRPは、体積として少なくとも30%は樹脂を含んでいます。樹脂の耐荷重が繊維よりも低いことを考えると、樹脂の疲労が実質CFRPの疲労と考えてもよいと思います。

また、樹脂単体では存在しない、炭素繊維との接触部、つまり繊維/樹脂界面が存在しており、疲労破壊挙動は複雑になります。

界面接着が先に剥離した場合、樹脂がある程度の面積で接触界面を介して繊維に伝えていた荷重を、樹脂が剥離個所の先端付近で集中的に負担することになります。そのあとは、剥離個所先端から徐々にき裂が進行し、複数のき裂が連結したところで最終破壊に至ります。

界面接着が強力な場合は、樹脂内部き裂が進展し、最終破壊に至ります。界面近傍に高い応力が集中しますので、そこが起点となります。個人的な考えでは、こちらの破壊モードの方が界面から破壊するよりも危ないと思っています。

界面が剥離する場合、界面があるていど剥離したら応力が再分配されて、上記のように応力集中箇所は存在するものの、やや安定モードに入るのに対し、樹脂のき裂は一度進展したら、止まることなく進展し続けます。それは、界面の応力集中が至る所で存在するためです。

繊維方向を含んでいても疲労破壊する。
例えば、プリプレグは疑似等方積層体などで、構造物を設計しますので、疑似等方の場合の疲労試験をする必要があります。

ただし、そのような試験片を作製した場合、普通は試験片のエッジから層間剝離が始まり、最終的に0度層のみが残り、剥離した層によってこすれて徐々に0度層が削れて最終破断に至ります。

そのような現象は実構造物ではエッジさえ保護していたら生じない現象であるため、非繊維方向を含んだ試験片の疲労はあまり意味をなさないと考えます。

0度方向の疲労試験は難しい。
では0度方向の試験しかできないのではないか、と思われるかもしれません。しかし、0度方向の疲労試験は難しいのです。

試験片への引張荷重はグリップを介するせん断荷重が変換されて与えられるものですが、せん断荷重により、グリップ付近が損傷しやすくなります。タブも剥がれます。

この問題を解決するために、特殊なタブ形状などを検討しているグループも存在しますが、未だ決定的なものは存在していなかったと思います。JIS規格では引張疲労試験が規格化されておりますが、タブ形状や使用する接着剤については明記されておりません。

マイクロクラックの発生と損傷剥離の進展
マイクロクラックと層間剝離の進展速度については、疲労試験で確認可能です。基本的に層間剝離はマイクロクラックが発生した個所から発生します。そして、構造物は0度方向が破壊しなくとも、層間剝離が多数発生していたら、仮に荷重を支えられたとしても安全とは言えません。したがって、層間剝離の疲労予測は非常に大事です。

マイクロクラックは例えば[0/90]sなどの90度層が内側に存在する試験片を用いて、疲労試験を行い、疲労サイクルとともに増えるクラックの数を数えます。試験片を破断させないので、ルーペなどを用いて目視でクラックの存在を確認することができます。

層間剥離については、モードⅠとモードⅡの疲労試験で予測可能です。これらについては、単なる疲労試験とは異なり、同じ荷重または変位で試験を続けると、剥離進展とともに、剥離先端のエネルギー解法率が変化するので、工夫が必要です。

ここで得たマイクロクラックや、層間剥離の進展については、シミュレーションなどで、部材内部の応力を評価し、マイクロクラックが発生する疲労サイクルや、そこから進展する剥離面積などの予測に活用できます。

最後に
構造物の長期信頼性評価には、疲労特性評価が不可欠です。評価は非常に難しいですが、プリプレグを用いた製造物の場合、樹脂の疲労をベースに層間剝離を予想することが0度方向の疲労特性評価以上に重要だと考えます。


この内容が釣竿に合致するかどうかはわかりませんが…
長竿を好んで使う者として…
魚の取り込みの際にS社のテスターが長尺を真後ろへ倒して取り込みなさいと進言してました…
自分は絶対にやりません。

折れるのはキッカケが傷の場合がほとんど。
気温が氷点下っていうのも問題です!
エポキシ樹脂は紫外線も低温も苦手です。


あとは…製品そのものの出来!