目次
「西から太陽が昇る日」概要
「西から太陽が昇る日」リプレイ
作成レギュレーション
世界観
ビルド考察
判定まとめ
斥候魔法使いについて
「西から太陽が昇る日」概要
創作物のマーケットプレイスBOOTHで掲載されているソード・ワールド2.5のシナリオです。
知人にGMをしてもらい、4人分のPCで攻略しました。
SW2.5シナリオ『西から太陽が昇る日』 - kmhankotiv - BOOTH
シナリオ紹介文より抜粋↓
〇概要
キングスレイ鉄鋼共和国の首都キングスフォール(II-319)の西にあるスィーク海に突如として現れた魔法文明時代の遺跡に向かい、リザードマンの秘宝を手に入れることが目的のシナリオです。
〇基本情報
使用ルールブック:基本ルールブックⅠ・Ⅱ・Ⅲ、『エピックトレジャリー』、『モンストラスロア』『キングスフォール』
所要時間:約 6 時間(テキストロールプレイ+通話の場合)
PL人数:4人
Lv.帯:7~8
PC4人向けシナリオですが、当日集まったのは2人で、1人で4人分のPCを動かして攻略しました。
本編4時間ほどでした。
いわゆる「冒険」という印象で、気に入ったので感想を書きたいと思います。
以下、リプレイ感想です。
↓ネタバレ注意!
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「西から太陽が昇る日」リプレイ
プロローグ
キングスレイ鉄鋼共和国の首都キングスフォール。
〈大海の兎亭〉は南西双子駅区・アルフェント駅付近にある冒険者ギルドである。
魔術師ビアンカ(エルフ/17歳/♀)ら4人のエルフたちは、ギルドに併設された宿で眠りについていた。
No.1 アーサー(エルフ/18歳/♂)
技能:ファイター8スカウト7レンジャー3エンハンサー1アルケミスト1
一般:クレリック5、ハンター5
紹介:両親がミルタバル神官で、神官としての知識や立ち振舞いを身に着けている。山村の出身で、狩人の技術を持つ。
No.2 ビアンカ(エルフ/17歳/♀)
技能:ソーサラー8スカウト7セージ3エンハンサー1アルケミスト1
一般:シンガー5、ダンサー5
紹介:歌って踊るアイドルになるため都会に出てきたが、生活するために冒険者稼業を始めたところ、最近はこちらが本業になりつつある。パーティの実質的なリーダーで、美しいものには目がない。
No.3 クリスティーナ(エルフ/26歳(自称)/♀)
技能:フェアリーテイマー8スカウト7セージ3エンハンサー1アルケミスト1
一般:ジュエラー5、フォーチュンテラー5
紹介:自称26歳のタロット占い師の女性。宝飾職人でもあるため、ビアンカとは仕事で知り合った。年齢を聞くとはぐらかされる。
No.4 ドナルド(エルフ/16歳/♂)
技能:ドルイド8スカウト7セージ3アルケミスト1ウォーリーダー1
一般:テイマー5、パフォーマー5
紹介:森の奥地の集落の出身。物心ついた頃から動物と触れ合ってきた。そのため、森羅導師の才がある。大道芸人になるため、首都キングスフォールにやってきた。
突然、勢いよく扉が叩かれる。⋯現れたのは、ギルド支部長の筋骨隆々のタビット、ターリッズ(タビット/♂/36歳)だ。
支部長「起きろ!お前ら!!今すぐ出発だ!!!」
ビアンカ「⋯こんな真夜中に一体どうしたの?」
ビアンカは眠い目をこすりながら尋ねる。
支部長「西から日が昇ったぞ!つまり、西の海に遺跡が現れる!秘宝だ!」
事情をのみ込んだビアンカは返事する。
ビアンカ「⋯まだ真夜中だと思うけど、仕事なら仕方ないわね」
宿泊していた4人は、支部長によってギルド支部ロビーへと集められた。
リザードマンの秘宝
支部長「かつて俺が現役時代に海賊団をしばき倒していたときに、手に入れたものだ」
そう言って、支部長は4人に古びた紙を見せる。
ビアンカ「私には読めないけど、海洋に棲むリザードマンなどの蛮族の言語かな?【トランスレイト】なら読めるかも」
リザードマン語と決めると【トランスレイト】を行使する。すると、直感的に、彼女の頭の中にその内容が入ってくる。
ビアンカ「⋯西から太陽が昇るとき、我らが秘宝たる仮面が眠る、古代の遺跡が現れる」
支部長「おお、流石は君たちだ。俺はこの解読に何年もかかった」
ドナルド(支部長、俺たちを試していただろ)
支部長「西から日が昇る、そんな馬鹿なことはない。だが、外を見てみろ」
クリスティーナ「確かに、太陽に見える。でも、本物ではなさそうね」
本物ではないが、太陽のような明るさがある”何か”がそこにはある。
支部長「あの光の先に、秘宝があるはずだ」
支部長「この紙の写しは、俺のライバルの、ベオルも持っている。奴も部下を送っているだろう」
支部長「これは、俺からの正式な依頼だ!報酬は1人4000Gだ」
ビアンカは少し考えると、支部長に言う。
ビアンカ「分かりました。そういうことなら受けますよ」
支部長は満面の笑みで続ける。
支部長「さあ、今すぐうちの魔動船で出発してくれ」
狼印の魔動船
4人は魔動船に乗って、キングスフォール南西の漁港を出発する。
水面に浮かぶ漁船は西から昇る太陽の光を反射して、朝焼けの中で煌めいている。
ビアンカたちは船員と談笑していた。すると、後ろから狼のマークがついた魔動船が追いかけてくる。
ロベルト「おーっと、お前らは〈大海の兎亭〉の連中だな?」
ロベルト「そんなのろい船で、一番乗りできるとでも思ったか?」
ビアンカ「⋯あなたは誰?」
ロベルト「俺様は”荒波の狼”ロベルの右腕、ロベルトだ」
彼がそう言うと、魔動船は去ってしまった。
ドナルド(俺たち3人よりは歳上だが、クリスティーナよりは下か?まぁいいだろう)
船は次第に、西の水平線上にある光に近付いていく。海上には島のようなものが浮かんでおり、その上には遺跡らしきものがある。
アーサー「巨大なアンコウか?!」
ビアンカ「フェイクアングラー。⋯でも、普通の何十倍もある!」
島の正体は、巨大なフェイクアングラーだった。戦うのは難しいだろうが、幸いにも敵意はないようだ。
ビアンカ「それにしても眩しいわね⋯おじさん、サングラス持ってない?」
船長「ちょうど、4人分あるぞい」
ビアンカ「ありがとう!借りていくね」
遺跡の入口はよじ登ることができそうだが、森羅導師のドナルドが言う。
ドナルド「飛んでいくと安全だ」
【ウィングフライヤー】を行使し、全員で飛び立つ。
台座
遺跡に入った4人は、最初の部屋にリザードマンの像があることに気が付いた。
ビアンカ「ねえ、見て!何か書かれているよ」
魔法文明語で書かれている。真語魔法使いのビアンカが読み上げる。
ビアンカ「⋯3つの宝を奪い、身につけよ。さすれば、秘宝への道が開かれん」
4人は話し合う。
アーサー「3つの宝を集めてこい、ということか」
ビアンカ「綺麗なお宝を見つけたら、私が身に着けるわ。美しいものは、私のものよ!」
ドナルド「そうだな、他にも手がかりがないか探してみるか」
部屋中を探索すると、この部屋には仕掛けがあることが分かった。
クリスティーナ「手順を誤ると、この部屋が水浸しになってしまうみたいね。私たちならすぐ溺れ死ぬことはないけど、対策しておいた方がよさそうね」
※目標値19で追加情報が得られるはずだったが、さほど高い目標値でないにも関わらず得られなかった。4人のうち誰かが成功する確率は約88%もあったが、運がなかったのだろうか。
また、奥に向かって左側には扉がある。
ドナルド「一応、危険がないか調べておこうか」
入念に調べると、鍵がかかっていて解錠に失敗すると【エネルギー・ボルト】が発射される仕組みになっていることが分かった。
ビアンカ「スカウト用ツールでこじ開けるとリスクがあるから【アンロック】で解除しましょう」
※「鍵穴を覗き込んでいる人に向かって発射される」という仕様で【アンロック】なら覗き込む必要がない、という裁定。鍵開けに成功しても、本来ならダメージを受ける。
扉が開く。4人は通路を進んでいく。
ブローチ
ビアンカ「あそこに部屋があるわね。外から観察してみましょう」
入り口の外から部屋を観察すると、おかしな点に気が付く。
クリスティーナ「よく見ると、これ、部屋そのものが魔法生物じゃない?」
ドナルド「シンカーハウスだ。灰が散らばっている。アンデッドのワーリングアッシュじゃないか?」
4人は、部屋の手前で相談する。
アーサー「宝箱を引き寄せる方法はないか?」
ビアンカ「そんな便利な魔法、今の私は使えないわ」
クリスティーナ「この魔法生物、部屋の中の対象しか攻撃できないみたいよ」
ドナルド「とりあえず、アンデッドを片付けようか」
4人が武器を構えると、アンデッドが立ち上がって襲い掛かってくる。しかし、無慈悲にも、彼らには反撃のチャンスは与えられなかった。
※ワーリングアッシュは炎、風属性ダメージ無効。真語、妖精魔法は【ファイアボール】【ファイアストーム】が無効化されるため【ライトニング】【チルレイン】を選択。なお、当卓では変更点として上級戦闘を採用している。
アーサー「俺の出番、なかったな」
ドナルド「宝箱に罠が仕掛けられている。アーサー、任せた」
※基準値11。目標値15で、出目4以上で成功。
無事に罠を解除すると、ブローチを手に入れた。
ビアンカ「素敵なブローチね。私が持っておくわ」
ネックレス
遺跡を奥へと進むと、5体ほどの石像が安置されている部屋に辿り着いた。
※この部屋のイベントは大幅に改変されている
ビアンカ「この部屋自体に、危険はなさそうね」
クリスティーナ「この石像、かなり雑な作りね。女性であることは分かるけれど」
ビアンカ「どの像にも、ネックレスがかかっている。どれが本物かしら?」
石像の下には、シンボルが彫られている。その形は、以下のようになっている。
・三日月
・木の葉
・五芒星
・ねじれた輪
・3つの六角形と蜘蛛
アーサー「上の3つは、シーン、アステリア、ハルーラだ。ねじれた輪は第二の剣で、ツァイデスだな。残り1つは見覚えがない」
クリスティーナ「別の大陸にも、固有の神はいるって聞いたことがあるわ」
※ブラグザバス(sw2.0の第二の剣のメジャー・ゴッド)
さらに、魔法文明語で何か書かれている。魔法文明語を習得しているビアンカが読み上げる。
ビアンカ「⋯奪いたければ、殺せ。それが我らの誓いなり」
再び、相談に入る。
クリスティーナ「これは海掠神エイリャークの格言。そして、エイリャークはハルーラを快く思っていないわ」
アーサー「つまり、像を壊せ、と」
ビアンカ「気は乗らないけど、そうしないといけないみたいね」
戦士のアーサーがアックスを振りかざすと、石像は粉々に砕けた。床にネックレスが落ちる。
ビアンカ「これが2つ目のお宝ね。奥へ進みましょう」
ブレスレット
部屋の扉は開け放たれており、中にはリザードマンのような蛮族たちが宝箱を開けている。
A「これがリザードマンに伝わる秘宝か?」
B「馬鹿、これは仕掛けを起動するための道具だ。愚か者はこれを宝だと思っちまうんだろうがよ」
彼らは、4人のエルフがこちらを覗き込んでいることに気が付く。
C「人族?我々リザードマンに伝わる秘宝を奪おうとは身の程知らずめ!」
D「あの女、宝物を身に着けているぞ!力ずくで奪ってやれ!」
4体のリザードマンマリーナが武器を構えると、エルフ4人衆に襲い掛かってくる。しかし、無慈悲にも、蛮族には攻撃のチャンスすら与えられなかった。
アーサー「俺の出番、なかったな」
クリスティーナ「わずか数秒でも斥候魔法使いの消耗は激しいわ。アーサー、魔香草をお願い」
ドナルド「蛮族の連中は見逃していたようだが、役に立ちそうな道具が入っているぞ。魔晶石は後衛が持つのがいいだろう。陽光の魔符は、前衛だな」
リザードマンが持っていたのはブレスレットだった。
ビアンカ「3つ揃ったわ。これを身に着けて戻るわよ」
隠し扉
ビアンカがブローチ、ブレスレット、ネックレスの3つの宝飾品を身に着けて戻ると、リザードマンの石像が魔法文明語で彼女に語り掛ける。
すると、リザードマンの石像がビアンカの身に着けている宝飾品を欲しそうに、その目が動く。
※この章以降は、GMによって大幅に改変されている
石像「3つの宝を奪い、”我の”身につけよ。さすれば、秘宝への道が開かれん」
ビアンカ「あれ、身に着けて戻っても開かない⋯そうね、私じゃなくて石像に身に着けるのね」
ビアンカは3つの宝飾品を石像にかける。すると、石像は続ける。
石像「奪った宝を他者に施すなど我が教義に反する。汝らに秘宝を得る資格なし。愚か者には死を」
(注釈)
本来のシナリオなら「石像に」つけるのか、それとも「自身に」つけるのか、という言葉遊びとなっている。当然、正解は「自身に」つけるべきである(ビアンカの行動が正解)。
理由は、石像の台詞(海掠神エイリャークの教義)の通り。
本来のシナリオ通りであっても、間違える人は間違える。少なくとも、知人(GM)に関して言えるのは、これまでのマスタリングから考えて、なんとしても罠に嵌めたかったということである。今回、筆者は悉く罠を回避している。
なお、改変後の正解は「初めから魔法文明語のヒントを無視して石像を破壊する」ことである。このため「魔法的な力で守られているため、石像を破壊することはできないように感じる」というオリジナルの設定は破棄されている。また、最初にいきなり石像を破壊するという選択肢が生まれている。
直後、ヘドロを含む水が溢れ出してくる。
ビアンカ「ちょっと!どういうこと?!」
アーサー「落ち着け。石像の下から泡が出ているぞ。中に入れるんじゃないか?」
戦士がアックスを振りかざし、3人の魔法使いが攻撃の呪文を唱えると石像は壊れた。すると、ヘドロを含む水が消えていく。
ビアンカ「死ぬかと思ったわ⋯ねぇ、下に道が続いているわ。行きましょう。お宝があるはずよ!」
なお、改変前は単に水が溢れてくるだけだった。通常種エルフなら直ちに溺れることはなく、ヘドロが出てくるのはオリジナル設定。通常種エルフではないキャラクターは、異常感知判定に成功すると6ラウンド、失敗すると3ラウンド以内に構造物を破壊できなければ溺れ死ぬことになる。条件次第では、水泳判定も必要となる。
仮面
暗い階段を降りていくと、荘厳な部屋に辿り着いた。部屋の左右に翼を持つ石像が鎮座していて、天井には照明のような球体が2つ浮かんでいる。
そして、奥にある祭壇の前には、3人の冒険者らしき影が見える。その1人には見覚えがある。不意に、脳内に語りかけてくる声が聞こえる。
?「我が名を答えよ」
先客の3人は答える。
A「シーン」
B「ハルーラ」
ロベルト「エイリャーク」
ロベルトのパーティと思われる2人の冒険者は次の瞬間に雷に打たれ、気を失ってしまった。祭壇から仮面が浮かび上がり、ロベルトの顔に収まる。
ロベルト「お前ら、遅かったようだな!秘宝は”荒波の狼”ベオルの右腕、ロベルトが頂いたぜ!」
⋯彼の様子がおかしい。
ロベルト「エイリャーク様の名の下に、お前らを海の藻屑と化してやろう!」
次の瞬間、倒れていた2人が魔物の姿となってエルフの4人に襲いかかる。そこに、2体の石像が加勢する。
改変ポイント。球体(フォスファースフィア)×2は、2Rに行動済で配置される予定だった。代わりに、ゼアネモアタッカー×2が〈剣のかけら〉を5個追加された状態で加勢している。
ゼアネモアタッカーは「ブルライト博物誌」に登場するレベル5の魔物。種族としてエルフに恨みを持つ。なお、ロベルトは先攻1Rで倒され、フォスファースフィアはただの置物になった。
なお、改変することなくオリジナルのフォスファースフィアが配置されていた場合は、先攻1Rで決着することはないと思われる。理由は、この魔物が以下の属性を無効化するため、範囲魔法でまとめて焼き払うのが難しいからである。
●炎
●雷
●純エネルギー
●毒
●病気
●精神効果
ソーサラー、ドルイドは「対象:1体」の魔法でなければダメージを与えることができない。フェアリーテイマーは【チルレイン】でダメージを与えることができる。
ビアンカ「⋯あの仮面を被ると、おかしなことになるようね。仕方ない、戦うよ!」
3人の魔法使いが先制で攻撃を仕掛け、ロベルトを除く魔物はすべて倒された。残るは仮面に染まるロベルトのみ。
アーサー「これで決める!」
既に虫の息だったロベルトはアックスの一撃を受けると、そのまま地に倒れ伏した。
※当卓の改変では、遺跡の奥の探索を開始する前にリザードマンの石像を最初から破壊することができる。その場合の処理について、GMによるとロベルトは到達しておらず、正解を答えたPCの中からランダムで仮面を被るキャラクターを選択し、そのPCを残りのPCで討伐すればクリアという扱いにするつもりだったらしい。かなりリスキーな調整。
エピローグ
ロベルトを倒すと、魔物の姿に変えられていた2人は元の姿に戻った。
ビアンカ「憎まれ口を叩いていたけど、命を見捨てるほど私たちは薄情じゃないよ」
野伏のアーサーが応急処置を施すと、ロベルトら3人の冒険者は息を吹き返した。
戦利品の獲得を終えたその頃、遺跡全体が大きく揺れ始めた。
クリスティーナ「⋯フェイクアングラーが潜り始めたみたい!」
全員で急いで脱出する。仮面は鞄の奥底にしまうことにした。
仮面を納品し、依頼は無事達成となった。ロベルトを救出したことが評価され、報酬は予定の倍となった。それに、心なしか強くなれた気がした。
※改変ポイント。基礎報酬が8000Gに、成長回数が2回に増加。
作成レギュレーション
30000経験点、17回成長です。作成レベルは7または8です。
8レベルで作成する可能性が高いでしょう。
ただ、成長回数に関するレギュレーションがやや特殊です。各能力値4回を上限として、好きに割り振ることができます。
ファイターは、知力、精神力以外の能力値に4回ずつ、後衛の3人は器用度、筋力以外の能力値に4回ずつ振り分けました。余った1回は、前衛は精神力、後衛は筋力に振り分けました。
そのため、後衛3人は筋力ボーナス0です。
ファイターでも素の筋力は12で、これは知力と同じ値です。
Sランクの両手武器で【マッスルベアー】【ヴォーパルウェポン】を習得すれば、期待値で約30点の物理ダメージを出せます。宣言特技は《斬り返しⅡ》です。それはそうと、非力なエルフが力仕事をしようとしているの、微笑ましくないですか?
ですが、筋力ボーナスを使う判定は一般的に少なく、今回は一度もありませんでした。
遺跡によじ登るのは、登攀判定です。筋力ボーナスを用いる判定が可能でした。また、ロベルトに応急処置を施さなかった場合、水中で彼を連れ出すには、腕力判定が必要です。
なお、登攀判定は敏捷度ボーナスを参照できます。この場合は、スカウト or レンジャーと組み合わせることになります。エルフは敏捷度が高く筋力が低いため、この方が基準値が高くなることもあります。
ですが【ウィングフライヤー】で渡ったため、判定を要求されることはありませんでした。なお、移動力は20あれば十分ですが、全員がスカウトで敏捷度が高く1Rで十分です。
感想
公式設定の世界観、NPCの描写、遺跡探索、謎解き、戦闘といった各要素がバランスよく詰め込まれている作品でした。
王道の秘宝探しシナリオです。これほど冒険の楽しさを感じたのは久しぶりです。
謎解きの「身に着けよ」が誰に対してなのかという点が、1人ではなかなか気付きにくく、秀逸です。
筆者は「自身に身に着ける」以外に思いつかなかったため、後から聞いて納得しました。
いずれ、このシナリオのGMをしたいと思います。
ビルド考察
実際にセッションで使用したキャラクターです。
※覚えやすいアルファベット順
No.1 アーサー(エルフ/18歳/♂)
ファイター8スカウト7レンジャー3エンハンサー1アルケミスト1
No.2 ビアンカ(エルフ/17歳/♀)
ソーサラー8スカウト7セージ3エンハンサー1アルケミスト1
No.3 クリスティーナ(エルフ/26歳(自称)/♀)
フェアリーテイマー8スカウト7セージ3エンハンサー1アルケミスト1
No.4 ドナルド(エルフ/16歳/♂)
ドルイド8スカウト7セージ3アルケミスト1ウォーリーダー1
A技能8レベルとスカウト7レベルは全員共通です。
7レベル習得したスカウトが戦闘、探索の両面において大いに役立ってくれました。
残りの経験点は、3500点です。B技能なら、3レベルで2500点です。
セージが3人とも3レベルなのは、レベルを考慮すると低いですが、ソーサラーが〈叡智のとんがり帽子〉と〈インテリアニマルサック〉を装備することで、魔物知識判定に+3しています。
なお、後衛は全員、知力ボーナス4でした。
ちなみに、冒険者ランクを妥協して〈魔法の発動体〉等を専用化すると〈叡智の腕輪〉で知力ボーナスを5にすることもできます。
魔物知識判定の基準値は10です。弱点の判明は運次第ですが知名度なら十分です。
ドルイドがウォーリーダーを習得していますが、短期決戦(先攻1ラウンド)ではあまり活躍しなかった印象です。というか、そもそも忘れていました。
ただ、後衛の練技【ビートルスキン】や賦術【バークメイル】等もあまり使いどころがなかったので、短期決戦パーティは攻撃に全振りでいいと思います。
【ヴォーパルウェポン】や【クリティカルレイ】に加え【ポイズンニードル】等の賦術が使いやすいです。命中力に自信がないときは【パラライズミスト】も検討します。
判定まとめ
このシナリオで、非戦闘パートで要求される可能性がある判定をまとめました。
●スカウト、レンジャー+器用度B
解除判定(レンジャー:自然物のみ)
●スカウト、レンジャー+敏捷度B
登攀判定
●スカウト、レンジャー+知力B
危険感知判定
天候予測判定
探索判定(レンジャー:自然環境のみ)
異常感知判定(レンジャー:自然環境のみ)
●スカウト、セージ+知力B
宝物鑑定判定(スカウト:売却価格のみ)
●セージ、ライダー+知力B
魔物知識判定(ライダー:弱点不可)
●セージ、バード、アルケミスト+知力B
見識判定
●冒険者レベル+敏捷度B
水泳判定
●冒険者レベル+筋力B
登攀判定
腕力判定
スカウト技能レベルを用いる判定が頻出です。
なお、魔法文明時代の遺跡を探索するため魔法文明語のヒントが頻出です。
ソーサラーやコンジャラーは魔法文明語の会話と読文を自動習得します。
ソーサラーやコンジャラーがいなければ、セージ技能で習得することになるでしょう。
斥候魔法使いについて
大まかにビルドを組んだ際に、思い浮かんだのは
A技能 8レベル
スカウト 7レベル
レンジャー or セージ 3レベル
エンハンサー1
アルケミスト1
後衛がスカウトを習得するメリットについて、考えてみたいと思います。
スカウト7レベルで習得する《ファストアクション》が戦闘で圧倒的に有利なのは言うまでもありません。
大事なのは、前衛より後衛の方がスカウトを習得するメリットは多い点です。
戦闘においては、先攻1Rで範囲魔法を2回行使できる点が一番の強みでしょう。基本的に最初のラウンドが最も敵の数が多く、範囲攻撃の重要度が高いです。
なお、本シナリオでは特定の属性に対する無効化能力を持つ魔物が複数登場します。このとき《魔法制御》を習得したマギテックシューターが活躍します。
【ショットガン・バレット】は、わずかMP2で5体までの対象に、属性を持たない威力20のダメージを与えることができます。筋力15以上で〈ロングバレル+1〉を装備すれば追加ダメージ+5と非常に高火力です。
マギテック5
シューター8
スカウト7
《ターゲッティング》
《魔法収束》
《魔法制御》
《武器習熟A/ガン》
ちなみに、かつて筆者が一度だけマギテックシューターでPLで参加した際の構成です。それ以来マギテックシューターでは一度も参加していません。活躍自体は十分でした。
シューター先行ですが、知力ボーナスを2と仮定しても追加ダメージは+13です。ソーサラーと遜色ない期待値となります。
【ショットガン・バレット】の弱点としては、射程の短さが挙げられますが、基本戦闘ならあまり気にする必要はありません。
探索においては、スカウト技能と知力を組み合わせる判定が頻出であることが挙げられます。本シナリオは探索判定や異常感知判定が重要です。知力が高い後衛がスカウトを習得していれば、これらの判定に高確率で成功することができます。
なお、今回のキャラクターのうち後衛3人は「ドーデン博物誌」収録の流派〈アルショニ軽身跳闘法〉を習得しています。
流派秘伝《アクロバティックアボイド》は、1ラウンドに一度まで、回避力判定を軽業判定で代用することができます。
軽業判定の基準値はスカウト or レンジャー技能レベル+敏捷度ボーナスです。後衛のスカウトは、この流派をうまく活用できます。
流派アイテム〈浮身のパレオ〉を腰に装備すれば軽業判定に+1(MP1で+2)です。後衛の回避力は、前衛の回避力と同じ13です。なお、ボスの命中力も13で2dの出目が同値なら、1回目の攻撃は回避できます。
次回
(準備中)