目次
実際のロスト率
CoCとの比較
蘇生の問題点
ロスト対策:PL視点
ロスト対策:GM視点
実際のロスト率
さまざまな点から、キャラクターの死亡は頭の痛い問題です。
個人的な方針で蘇生不可で遊んでいるので、死亡したら次はありません。
※神官や妖精使いのキャラクターは、世界観の点から自身の穢れを増加させると不都合が発生する可能性があります
幸いなのは、(筆者が知る)ソード・ワールドは、決してキャラクターが頻繁に死亡するようなゲームではないことです。
※最終決戦に辿り着く前に全滅するとボス戦まで進めないので、普通に考えたらボス戦の前に全滅することはないはずなのですが、シナリオによっては潜水艦が爆破されて全滅するエンドもあるそうなので実はまだまだソード・ワールドを知らないのかもしれません…
筆者は、今までにPL、GM合わせて40卓以上を通過しました。
死亡(PT):0回
死亡(自身):0回
気絶(PT):8回
気絶(自身):0回
40回以上の卓のうち、パーティ全体で気絶は8回でした。
※内訳は以下のようになりました(魔法戦士を含む)
※純魔法使いの気絶はありませんでした
ファイター1回
グラップラー1回
フェンサー2回
シューター3回
バトルダンサー1回
いずれも生死判定は1ゾロチェックで、結果的に失敗は一度もありませんでした。
ソード・ワールドは高度に発展した文明が滅んだ300年後の世界です。子供や若年層の死亡率は高いと推測できます。
冒険者の死亡もよくある話だとされていますが、世界観的にはそうでも、ゲーム的にはそうでないのが実際のところです。
※「死ぬかもしれない!」という恐怖感が大事であって、実際に死ぬと面白くないんですよね…死んだことはありませんが
TRPGは、システムによってはロスト率が非常に高いものもあります。
実際、そのようなシステムをよく遊ぶ人がソード・ワールドのGMをすると、殺意が高くなる傾向があるように感じます。
CoCとの比較
厳密なロスト率の統計はありませんが、ネット上の書き込みで、CoC(クトゥルフの呼び声)を遊ぶ人によると、「体感2割くらい」とのことです。
正確な数字ではないかもしれませんが、少なくともCoCのロスト率がソード・ワールドよりも遥かに高いということは容易に想像できます。
「高ロスト率」の注意書きがあるシナリオはCoCで見かけても、ソード・ワールドで見かけることは稀です。
※筆者は見たことがありません。サプリメント「ヴァイスシティ」等はロスト率がそれなりに高そうですが…
筆者は同行者を含めてロスト(死亡)率0ですが、キャンペーン卓の割合が高いのは要因の一つだと思います。
キャンペーン卓でキャラクターロストするのは一番困る展開です。
CoCは基本的に単発前提ですが、ソード・ワールドも単発セッションの方がボス戦の難易度は高くなる可能性があります。
ただ、どんなに高くてもロスト率が1割を超える人はいない…はずです。
※繰り返しになりますが、一部想像を絶するようなオリジナル卓もあります。ですので、「絶対」はありません。
蘇生の問題点
死亡してしまったキャラクターは、蘇生を受けることが可能です。
ただし、【リザレクション】を行使できるのはレベル7以上の操霊術師で、費用は10000Gと非常に高額です。
公式シナリオの場合、駆け出しの冒険者が死亡してしまった場合も借金して蘇生を受けることができるのですが、世界観的に「駆け出しの冒険者が高額な蘇生を受けることができるのだろうか?」という疑問はあります。
※キャンペーンシナリオの途中で死亡した場合、新たに冒険者を作成するのでない限りは進行できなくなるのでそうせざるを得ないのですが、一部のオンライン卓は「(蘇生を行う場合も)冒険者ランクごとに定められた借金の限度額を超えて借金することはできない」という裁定が適用されていることもあるようです
また、神官のキャラクターはロールプレイ上の整合性を考えると、蘇生の可否に関して慎重にならざるを得ないという話もあります。
死者の蘇生は世界の理である輪廻転生を否定するものであり、世間一般では禁忌とされています。
世間の価値観は「穢れ」に対して冷たく、ナイトメアが他に生き方がなくて冒険者になる理由の一つです。
禁忌が許されるのは、PCたちが冒険者だからです。
基本的に、穢れを増加させることで力の解放に繋がるという考え方から、第二の剣の神々を信仰する者たちの間では「穢れ」を増加させることは推奨されています。
これは、人族の神々を信仰する者の考え方とは正反対です。
ライフォスが典型的ですが、神官のキャラクターは穢れの増加に対して否定的な態度を示すでしょう。
※穢れ「の増加」に対して否定的、と書いたのは、生まれつきナイトメアの持つ穢れをどう解釈するかという問題があるためです
したがって、相応の理由がない限りは、蘇生に対して肯定的な態度は取らないのが自然です。
妖精使いのキャラクターは、「妖精が穢れを嫌う」という設定があるため、そこをどう解釈するかがポイントになります。
※長々と書きましたが、メイン技能がフェアリーテイマーでサブ技能がプリーストのようなキャラクターをキャンペーンで使っていると、蘇生に何の疑問を持たないPCを見ると色々と思うところがあるという話です
ロスト対策:PL視点
蘇生拒否のPCなら言うまでもなく、蘇生を望む場合も10000Gの負担は決して軽くありません。
「いかに死亡を避けるか」という点から、PC側で可能な対策をまとめました。
① パーティを分断しない
② 魔法を対策する
③ HPや回避力を上げる
まず、戦闘の発生が想定される状況では、できる限り集団行動をして、パーティを分断しないようにします。
人間の本能として人数が多いとなぜかパーティを分断したがる傾向がありますが、シナリオ上必要なケースを除いて不必要に個別行動するのはやめましょう。
魔法は、抵抗に失敗すると約16.7%の確率でクリティカルします。
クリティカルによる予想外のダメージは、何としても対策すべきです。
魔法に抵抗するため〈正しき信念のリング〉等の装飾品や〈月光の魔符〉等の消耗品を購入しましょう。
〈消魔の守護石〉も魔法対策に役立つ消耗品です。
普段使いは1点を大量に用意し、点数の高い高価なものは正念場で使うようにします。
ヴァグランツなら戦闘特技《抵抗強化》も強力な選択肢です。
最後に、主に前衛向けの選択肢として、HPや回避力を上げるのも手です。
《タフネス》を習得しないファイター以外の前衛は、レベル7以上の作成では必ず《頑強》を習得します。
フェンサーやバトルダンサーなら《回避行動》の習得も候補です。
前衛はまず、タンクとしての能力が重要です。後衛と大差ないHPではレベル帯が上がるとわずか1ラウンドの攻撃すら耐えられない可能性があります。
ロスト対策:GM視点
ソード・ワールドは、CoCのように頻繁にロストするシステムではありません。
理由のひとつは、HPが0以下になるダメージを受けたとしても、即死亡するわけではないためです。
マイナスとなったHPの絶対値を目標値として生命抵抗力判定を行います。
生命抵抗力判定の基準値は「冒険者レベル+生命力B」です。
レベル7で生命力24のキャラクターなら、基準値は11となります。
気絶時に算出されたHPが-14以上であれば、1ゾロ以外で死亡することはありません。
なお、筆者が参加した卓で発生した気絶はすべて1ゾロチェックでした。
「いかに死亡を避けるか」という点から、GM側で可能な対策をまとめました。
① 魔物の打撃点(の期待値)を把握する
② PCのHPや防護点を把握する
③ 敵の戦力が高い場合は、作成段階でPC側に対策を促す
急戦展開なら、個人的には《頑強》を習得していないグラップラーやフェンサーが一撃死しない程度に火力を調整することが多いです。
※2回攻撃が可能な魔物は一撃が軽めに設定されていることが多く、生死判定となっても失敗しにくいです
魔法はクリティカルの可能性があるため難しいのですが、HPの低い後衛が攻撃対象となる可能性があることを考えると、出目7で余裕をもって耐えられるのが理想です。
魔力の高い魔物を出すなら、〈月光の魔符〉等のアイテムを道中で入手するイベントがあってもいいと思います。