目次

中~高レベル帯の特色

特徴1:ファイターの性能

特徴2:魔法対策の重要性

中~高レベル帯の醍醐味

まとめ


中~高レベル帯の特色

ソード・ワールドを何度も遊んだことがある、あるいはGMをしたことがある人でも、低レベル帯が中心で中~高レベル帯を経験したことがない人は意外といます。


純粋にファンタジーの世界観を楽しむだけなら、レベル帯はあまり関係ないかもしれません。


たとえば、シティアドベンチャー系シナリオの場合、貧民街の調査にレベル2桁の有名人が駆り出されるというのは少し考えづらい話です。


ですが、レベル帯が上がることで大きく変わる要素もあります。それは戦闘です。


経験点が増えることで、サブ技能を習得しやすくなり、様々なビルドが組めるようになります。


また、魔法使い系技能はレベルが上がるごとに行使可能な魔法が自動的に増えるため、探索・戦闘両面においてできることが増えていきます。


また、魔物の持つ固有の能力が複雑になるのも高レベル帯の特徴です。


魔物知識判定を行ってから、改めてPL間で作戦会議をする機会も増えるでしょう。


ルールブックⅠはレベル6までの成長および習得可能な技能等を収録しています。


ルールブックⅡでレベル10まで、ルールブックⅢでレベル15までの成長が可能です。


この記事では、便宜的に


初期作成~レベル6:低レベル帯

レベル7~レベル10:中レベル帯

レベル11~レベル15:高レベル帯


と呼ぶことにします。


処理が複雑になるためGM・PLともに処理が大変になるという側面があるものの、経験者で中・高レベル帯の経験がない人はぜひ機会を見つけて参加してみて欲しいと思います。


また、低レベル帯と比較してレベル7以上の作成では大きく変わる要素もあるので、この記事で触れたいと思います。


特徴1:ファイターの性能

低レベル帯も根本的な部分は変わらないですが、前衛は特にタンクとしての役割が重要になります。


筆者がこれまでに参加したレベル7以上の卓は、先攻2ラウンドで終結することが多かったです。

※PL人数が多いほど短期決戦になる傾向があります。3人卓では持久戦になることも多いです。


つまり、敵が行動するのは、わずか1ラウンドです。


ですが、主に前衛はこの短時間に敵の猛攻に晒されることになります。


短期決戦では、パーティの継戦能力の重要性は相対的に下がって、倒される前に倒すことが重要になってきます。


この場合、前衛はHPが多いことが重要です。


ファイターはレベル7で《タフネス》を自動習得し、HPが+15されます。これが非常に強力です。


グラップラーやフェンサーは《頑強》を習得しないとわずか1ラウンドの敵の猛攻を耐えきれないこともあります。


近接、遠隔攻撃に関していえば、回避に成功すればダメージを受けることはありませんが、魔法は基本的に「抵抗:半減」です。


HPを確保しておくに越したことはありません。


筆者がこのレベル帯でGMをする時は「死にたくなかったら頑強取ろうね」と言います。


※バランス調整に関して殺意が高すぎると苦情が来るのが嫌なので予めそう言っているのはあります。…ただ、死にたくない人はそもそもグラップラーやフェンサーを好まないので、結局ファイターのPCが《頑強》を取ってグラップラーやフェンサーが《頑強》を取らず、ますます耐久に差が開いて頭を悩ませることになるのがオチです。


安定性を求めるなら、もとい、後衛のエルフ目線で一番安心できる相棒はファイターですが、レベル帯が上がると技能ごとに違いがはっきりとしていくのも事実です。

 

好きな技能があるなら、中~高レベル帯の戦闘は一度は経験してほしいです。

 

特徴2:魔法対策の重要性

《防具習熟S/金属鎧》を習得してSランクの金属鎧を装備したファイターは、バフと合わせてボスの物理ダメージによる攻撃を一桁に抑えることもよくあります。

 

物理ダメージが脅威とならないなら、重要なのは防護点が適用されない魔法の対策です。

 

ソード・ワールド2.5の魔法使い系技能は、全般的に晩成型です。

 

ソーサラーやフェアリーテイマー等のダメージディーラーは、特にこの傾向が強いです。

 

理由の一つに、ソード・ワールドは魔法が自動習得であることが挙げられます。

 

つまり、レベルが上がるほど、できることが増えるということです。

 

また、後衛のダメージディーラーは「対象:1エリア」の魔法を習得して複数体を同時に攻撃できるようになると、格段にダメージ効率が良くなります。

 

一方で、味方のソーサラーが強くなるということは、同様に敵のソーサラーも強くなることを意味します。

 

味方が《魔法制御》を宣言して複数の敵を同時に攻撃するのと同じように、敵も防護点の適用されない魔法行使を複数のPCに仕掛けてきます。

 

ドワーフやグラスランナー、ティエンス等、精神力の高い前衛適性種族が相対的に活躍しやすくなります。

 

一方、ルーンフォーク等精神抵抗力が低くなりがちな種族は、少し大変かもしれません。


〈正しき信念のリング〉など、魔法対策用アイテムの有難みが分かると思います。


中~高レベル帯の醍醐味

低レベル帯と比較すると、大味な展開になるシナリオが多いです。


また、魔法使い系技能が好きな人にもお勧めです。


単に探索や戦闘でできることが増えるだけでなく、フレーバー要素の強い魔法も多数行使できるようになっていきます。

 

また、シティアドベンチャー系のシナリオが作成しにくくなるという難点があるものの、一方で政府の高官や王族が顧客になるような政治系シナリオは作成しやすくなります。


レベル2桁になれば、ギルド内はもちろん、他の地方に行っても名が知られ、畏敬の念を抱かれることになるでしょう。


世界観の観点からも、PCが受ける扱いに大きな違いが生まれてきます。


高レベル帯は公式シナリオが少ないので、オリジナルシナリオが中心になる以上、卓による環境の差はかなり出てくるのですが、特に高レベル帯において緊張感のある戦闘を演出しようと思えば、少なくとも1体は魔法を行使する敵が出てくるのでは、と思います。

※筆者のオリジナルシナリオ卓は基本的に魔法を行使する敵は1戦闘に1体(1部位)までですが、レベル13以上の超高レベル帯ではその制限を撤廃していました


コンベンションで筆者が初めてレベル8作成の卓に参加した時は、これまで参加した卓との違いに驚いたものです。


まとめ

中~高レベル帯のシナリオは戦闘が大きく変わる


レベル7の作成はファイターの《タフネス》が強力


味方の魔法使いが強くなるのと同様に敵の魔法使いも強くなる


次回