概要

日本発TRPGで最大級のプレイヤー人口を誇るソード・ワールド2.5を最近始めた、またはこれから始めたい方向けにキャラクター作成の指針について解説します。


今回は魔法アタッカーの適性が高いタビットについて解説します。


目次

1 タビットについて

2 タビットの能力値

3 タビットの種族特性

4 タビットの技能適性(戦士系技能)

5 タビットの技能適性(魔法使い系技能)

6 タビットの技能適性(その他系技能)

7 タビットのビルド例


1 タビットについて

能力値は器用度敏捷度筋力が低く、知力がかなり高く、精神力が高い種族です。


種族特性は、探索で活躍することが多いです。


知力・精神力が高く、後衛魔法職適性が高いですが、プリースト技能は習得できない点に注意が必要です。


敏捷度や器用度が低く、スカウト、レンジャー適性は高くありませんが、知力が高いため、セージに適性があります。


タビットは50年の寿命を持つ種族です。10歳で成人を迎えますが、6歳頃から冒険者になる者も多いです。

※未成年のPCを作成すると、酒場等で聞き込み不可の扱いを受ける可能性があります


タビットのキャラクターは、初期作成で神紀文明語の読文を習得しています。

※神紀文明語は神々の時代の言語で、その発音は不明です


筋力や敏捷度が低く、前衛はお勧めしません。


また、器用度が低く、マギテックシューターは工夫が必要です。

※少なくとも初心者向けではありません


2 タビットの能力値

 能力値(期待値)の合計

81.5(低い

※ルールブックⅠ~Ⅲ掲載12種族中12位

※最高97(グラスランナー、ティエンス)、最低81.5(タビット)


 能力値決定ダイス

1d:器用度、敏捷度、筋力

2d:生命力、精神力

2d+6:知力


生まれによる能力値は「心」が高くなります。


器:かなり低い

敏:かなり低い

筋:低い

生:低い

知:かなり高い

精:高い


「技」「体」の能力値が全般的に低く、前衛に適性はありません。


一方で、知力や精神力が高く、魔法使い系技能全般に適性があります。


特に知力は高く、初期作成で知力ボーナス4になるのはよくあることです。

※魔導師(ソーサラー&コンジャラー)生まれのタビットの「心」は11です。能力値ダイスが7なら、知力24、精神力18となります。


ただし、タビットはプリースト技能を習得できない点に注意が必要です。

※プリースト技能習得不可は、タビットが相対的に低〜中レベル帯で選ばれやすい理由の1つです。種族特性が強化される高レベル帯は、ナイトメアやレプラカーンが魔法行使判定においてタビットを上回ります。高レベル帯においては、戦略的な点でいえば種族特性がタビットを選ぶ理由となるでしょう。


3 タビットの種族特性

[第六感]レベル1

→危険感知判定を、「冒険者レベル+知力ボーナス」を基準値として行うことができる


[第六感]レベル6

→罠回避判定を「冒険者レベル+知力ボーナス」を基準値として行うことができる


[第六感]レベル11

→危険感知、罠回避判定に+4のボーナス修正を得る


探索で役に立つ種族特性です。


危険感知判定は重要な判定の一つです。一部の魔物は不意打ちの能力を持っています。


魔物の不意打ち(能動側)の達成値は、固定値または隠密判定の達成値を使用します。

※固定値は、魔物側の先制値を使用するのが一般的です。ただし、ゴードベル(Ⅱ431頁)やグリーントーチ(Ⅲ373頁)など、透明や擬態といった不意打ちに有利な能力を持つ魔物は、先制値+4程度の目標値が採用されていることもあります。


魔物側が不意打ちを試みるなら、PC側の危険感知判定(受動側)と達成値の比べあいを行います。


危険感知判定は、「スカウト or レンジャー技能レベル+知力ボーナス」を基準値として行います。


タビットは、「冒険者レベル+知力ボーナス」を基準値として判定を行うことができます。


他の種族がスカウト、レンジャー技能のレベルを使用するのに対して、タビットは冒険者レベルを参照するため、基準値が高くなります


また、判定に知力を使用するのもポイントです。高い知力を武器に、判定に成功しやすくなります。


魔物の不意打ちが成立すると、手番開始まであらゆる行為判定に-2のペナルティを受けます。


前衛が回避盾のパーティや、敵が魔法を使用する場合は特に、不意打ちは阻止するべきです。


タビットの種族特性は、危機的な状況を回避するのに役立ちます。


4 タビットの技能適性(戦士系技能)

タビットは筋力や敏捷度が低いため、物理盾・回避盾のいずれも適性がありません。


後衛のマギテックシューターは高い知力を生かせますが、器用度が低く、命中難になる可能性が高いため、初心者に積極的に勧める構成ではありません。


 戦士系技能の代表例

なし


5 タビットの技能適性(魔法使い系技能)

タビットは知力が高く、後衛のダメージディーラーやデバフアタッカーに向いています


 魔法使い系技能の代表例

プリースト、マギテック以外全般


6 タビットの技能適性(その他系技能)

 スカウト、レンジャー、セージ

タビットの能力値は、知力・精神力が高く、その他が全般的に低いです。


能力値からいえば、


器用度が高ければレンジャー

敏捷度が高ければスカウト

知力が高ければセージ


を担当するのが理想です。

※最終的にはパーティ内で相談です


したがって、セージに適性があります。


スカウトやレンジャーを担当する可能性は低いです。

※高レベル帯の後衛アタッカーは、敏捷度が最も低くなるよう成長回数を調整し〈平準の指輪〉を先制判定で破壊することでスカウトを担当することもできます。


セージの主な役割は、魔物知識判定です。ライダーも魔物知識判定が可能ですが、弱点の判明はセージのみです。

※セージ1レベルでも判定の出目が6ゾロなら弱点が判明しますが、セージ技能がなければ自動成功でも弱点は判明しません


タビットは知力が高く、魔物知識判定に成功しやすいです。


 上記以外

タビットは知力、精神力が高くバード、アルケミスト等に適性があります。


7 タビットのビルド例

タビットのビルド例を紹介します。


 ウィザード【作成レギュレーション10-11】

ソーサラー11

コンジャラー10

セージ3


01《ターゲッティング》

03《魔法収束》

05《魔法制御》

07《魔力強化Ⅱ》

09《魔法拡大/数》

11《バイオレントキャストⅠ》《ルーンマスター》


タビットのソーサラー&コンジャラー(ウィザード)のビルドです。


多くの公式シナリオにおいては、ボス戦は取り巻きがいるか、複数部位であることが多く、範囲魔法が効率のいい攻撃手段です。

※「PC人数=敵の数」が一つの目安です


《魔力強化Ⅱ》《バイオレントキャストⅠ》を合わせてダメージのみを与える魔法の行使判定に+4します。

※真語魔法や、炎属性の妖精魔法は、ダメージのみを与える魔法が多く《バイオレントキャスト》と相性がいいです


敵将は〈剣のかけら〉で強化されていることが多く、生命・精神抵抗力は最大+4となりますが、上述の上昇分で相殺することができます。


格上のボスに対しても、高確率で抵抗を突破することができます。


次回