概要

日本発TRPGで最大級のプレイヤー人口を誇るソード・ワールド2.5を最近始めた、またはこれから始めたい方向けにキャラクター作成の指針について解説します。


今回は個別の種族考察です。最もスタンダードな人間について解説します。


目次

1 人間について

2 人間の能力値

3 人間の種族特性

4 人間の技能適性(戦士系技能)

5 人間の技能適性(魔法使い系技能)

6 人間の技能適性(その他系技能)

7 人間のビルド例


1 人間について

能力値は低いものの、種族特性の汎用性が高く非常に強力です。


戦闘で活躍しやすく、ロールプレイの方針にも縛りがありません。


人間は、基本的には現実世界の人間と同じ種族です。

※強いて言えば、寿命が100年と長いです


なお、成人は15歳です。特に拘りがなければ、年齢は15歳以上に設定しましょう。

※未成年のPCを作成すると、酒場等で聞き込み不可の扱いを受ける可能性があります


人間のキャラクターは初期作成で地方語の会話と読文を習得しています。

ブルライト地方出身ならブルライト語、ドーデン地方出身ならドーデン語といった具合です。


前衛、後衛の両方に適性があり、「迷ったらこれ」と言ってよい種族です。


2 人間の能力値

 能力値(期待値)の合計

84(低い

※ルールブックⅠ~Ⅲ掲載12種族中11位

※最高97(グラスランナー、ティエンス)、最低81.5(タビット)


 能力値決定ダイス

すべて2d


人間の能力値は、他の種族と比較すると、低めに設定されています。


これは、人間の種族特性が非常に強力なため、能力値の差でバランス調整されていると考えて差し支えないでしょう。


また、すべての能力値が固定値+2dで決定されるため、技能によっては重要度の低い能力値も高くなり、無駄が増えることもあります。


一方、極端に低い能力値が存在しないため、苦手技能がないとも言えます。


3 人間の種族特性

[剣の加護/運命変転]レベル1

→ゲーム内で1日に一度、行為判定、威力(打撃点)決定、戦利品決定の2dのダイス目をひっくり返すことができる


[剣の加護/運命変転]レベル6

→2dの出目をひっくり返した後、+1


[剣の加護/運命変転]レベル11

→2dの出目をひっくり返した後、+2


全種族でトップクラスの汎用性と強さを誇る種族特性です。戦闘で使用することが多いです。


能力値の低さにも関わらず、人間が強力な種族である理由です。


4 人間の技能適性(戦士系技能)

人間は生まれによって能力値に差が出るため、すべての戦士系技能に適性があります。


SW2.5の戦闘ルールに「複数を同時に攻撃する場合、原則として命中力判定、魔法行使判定は一括で行い、威力決定は個別に行う」という記載があります。


以上を踏まえると、剣の加護/運命変転は複数を同時に攻撃するようなビルドと相性がいい、という結論が導き出されるでしょう。


また、剣の加護/運命変転はクリティカルで高火力を出すビルドとも相性がいいです。


 戦士系技能の代表例

《薙ぎ払い》ファイター

《魔法制御》マギテックシューター

《必殺攻撃》フェンサー


5 人間の技能適性(魔法使い系技能)

人間は生まれによって能力値に差が出るため、すべての魔法使い系技能に適性があります。

※神官生まれの人間は「体」の能力値が高いため、前衛プリースト(神官戦士)の適性が高いです。一方、後衛プリーストは高い筋力や生命力を活かしにくく、他の能力値がその分下がると考えると、ややもったいないように思えます。


SW2.5の戦闘ルールに「複数を同時に攻撃する場合、原則として命中力判定、魔法行使判定は一括で行い、威力決定は個別に行う」という記載があります。


以上を踏まえると、剣の加護/運命変転は複数を同時に攻撃するビルド向けという結論になります。


《魔法制御》を宣言して、複数を同時に攻撃する魔法使い系技能(ソーサラー、フェアリーテイマー等)やマギテックシューターに向いています。


※剣の加護/運命変転は、達成値の比べあいを行うビルドに向いている、と一般的に言うことができます。たとえば後衛プリーストの場合、敵を攻撃する機会が少ないため、特性を生かすチャンスは魔法行使の1ゾロによる自動失敗時のみとなります。これは少々もったいない話です。

敵を攻撃するビルドでは、命中力判定、魔法行使判定のほかに、威力決定の出目をひっくり返す目的でも種族特性を有効活用することができます。


6 人間の技能適性(その他系技能)

人間は生まれによって能力値に差が出るため、必要な能力値が高ければ、その技能の適性があります。


 スカウト、レンジャー、セージ

人間の能力値は、生まれに大きく左右されます。


基本的に、その技能で必要な能力値が高ければ適性があるといえます。能力値からいえば、


器用度が高ければレンジャー

敏捷度が高ければスカウト

知力が高ければセージ


を担当するのが理想です。

※最終的にはパーティ内で相談です


種族特性からいえば、お勧め度は


スカウト>セージ>レンジャー


です。集団イニシアチブ制のSW2.5において先制判定は非常に重要です。


運命変転を使用すれば、先制判定の出目は最低7です。安定して先制に成功できるようになります。

※レベル6以上なら出目8保証


 上記以外

人間の能力値は、生まれに大きく左右されます。


基本的に、その技能で必要な能力値が高ければ適性が高いです。


7 人間のビルド例

人間のビルド例を紹介します。


 必殺フェンサー【作成レギュレーション4-5】

フェンサー5

スカウト3

エンハンサー2

アルケミスト1


01《武器習熟A/ソード》

03《回避行動Ⅰ》

05《武器習熟S/ソード》
※【ガゼルフット】【キャッツアイ】

※【クリティカルレイ】


Sランクソード〈ピアシング〉を装備するとフェンサー技能でC8でクリティカルします。


【クリティカルレイ】Aランクで威力決定の出目を+2します。


運命変転は高必殺の攻撃と相性がよく、状況によっては回避の失敗を成功に変更するために使用します。


スカウトを担当し、種族特性による安定性と合わせて先制判定でパーティに貢献できます。


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