※2024年11月に開催されたオフセッションキャンペーン卓(全10回)の第3回シナリオです。
※前編・中編・後編の3パートに分かれています。
以下、シナリオ本編です(ネタバレ注意!)
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〇失われた故郷・中編(S5-2)
〇シナリオの概要
君たちはアリアナと、20年前に廃村となった集落に眠る神紀文明時代の遺跡調査の任務に向かうことになった。そして、遺跡のあるラダック村は彼女の故郷であることが分かった。
アリアナと遺跡を探索して、まだ見ぬ世界を見に行こう。
〇シナリオの流れ
1 プロローグ
2 7つの部屋(共通)
3 アンデッド
4 その他(5部屋)
5 聖杯(最奥)
6 エピローグ
1 プロローグ
時刻は早朝。アリアナの家の寝室で寝ていると、彼女が皆さんを起こします。
アリアナ「ほら、起きて?朝だよ、聖杯を探しに行くんでしょ」
皆さんは起きて下さい。遺跡の情報について話があるようです。
アリアナ「遺跡に関しては、今はハーヴェスに住んでいるかつての村長から話を聞いているわ。噂に過ぎないものが多いけど、何も知らないよりはいいと思う」
村に伝わっている話をまとめると、以下のようになります。
・遺跡には7つの部屋がある。そのうち1つが、聖杯の眠る部屋である。
・聖杯には偽物がいくつもある。正しい聖杯を見つけ出さねばならない。
・正しい聖杯の情報は村に伝わっていない。遺跡を調べれば分かるかもしれない。
・偽りの聖杯を手に取れば、災厄をもたらすだろう。
・聖杯が偽りかどうか確かめるのであれば、井戸水を入れて飲むとよい。
皆さんに説明し終えると、彼女は付け加えます。
アリアナ「多少は誇張しているかもね。村としては勝手に立ち入られると困るから。でも、ある程度は真実だと思う。実際、それなりに危ない場所だと思うよ」
○シークレットダイス
プロローグの最後に2dを振り、出目のうち小さくない方の部屋でイベント(遭遇戦)発生。
例)出目3と4
→左・中央の部屋で遭遇戦が発生する。
出目1:右・手前
出目2:左・手前
出目3:右・中央
出目4:左・中央
出目5:右・奥
出目6:左・奥
2 7つの部屋(共通)
※調査開始時は判明していませんが、徒歩10分ほどの距離をおいて左右に3つずつ部屋があり、6つの部屋はいずれも扉がなく自由に出入りすることができます。最奥のみ閉ざされています。
〇2dのダイス目の小さくない方の部屋
→「3 アンデッド」へ
〇その他の部屋(最奥を除く)
→「4 その他」へ
〇最奥の部屋
「3 アンデッド」をクリアし、隠し部屋の石のボタンを押すと、最奥の部屋が開きます。
→「5 聖杯」へ
3 アンデッド
※扉越しに聞き耳判定(スカウト、レンジャー+知力B)を行うことで以下の内容が分かる
12以上:中に何かがいるような音が聞こえました
16以上:何かが空を舞っている気配を感じました
20以上:死者の気配を感じました
部屋に入ると、空を舞う魔法使いが襲ってきました。
〇スペクター(Ⅱ413頁)
知名度14、弱点値17
〇剣のかけら
3人:なし(HP66、MP60、生命抵抗力16、精神抵抗力18)
4人:5個(HP91、MP65、生命抵抗力10+2d、精神抵抗力12+2d)
戦闘開始です。目標値13で先制判定をどうぞ。
〇戦利品表
2-9:なし
10-12:200G(白A)
13-:3300G(白S)
スペクターを倒しました。この部屋では探索(スカウトorレンジャー+知力B)が可能です。
自動:宝箱、壁の仕掛け(宝箱に危険はないと分かる)
16以上:アウェイクポーション
20以上:デクスタリティポーション
宝箱を開けると、石板に見慣れない文字が刻まれています。神紀文明語の読文が可能なキャラクターがいれば、以下の内容が読み取れるでしょう。
「汝が求む杯、それは汝の姿を写さぬもの」
アリアナ「これは、聖杯の特徴を記したメモなのかな。持ち出せそうね」
壁に隠し扉があり、階段が続いています。中に入っても安全だと感じました。
階段を降りていくと、その先に部屋がありました。壁に石でできたボタンのようなものがあります。神紀文明語で「聖杯の扉」と書かれています。
※このボタンを押すと、最奥の部屋の扉が開いて奥に進むことができるようになる
では、あなた達が部屋を出ようとした時に、1人の男性が入ってくるのが見えました。その姿は目深に帽子を被っており、顔はよく見えません。
※プレイヤーが誰も尋ねなかった場合
アリアナ「あなたは誰?顔を見せてほしいのだけれど」
一本の剣と宝石ケースを身に着けています。魔物知識判定をしても構いません。
〇熟達した妖精剣士(Ⅱ451頁)
知名度12、弱点なし
妖精使いの剣士と思われる男性は答えます。
考古学者「私は考古学者で、冒険者だ。情けないことだが、若い頃に遺跡調査で盗賊に捕まったことがある。無事に遺跡を抜け出すまでは、名乗らずに済ませてほしい」
アリアナはどこか不機嫌そうにしつつ、返答します。
アリアナ「なら私も名乗らないわ。私は顔を見られたから公平じゃないけど。みんなも名乗らなくていいよ。戦力は多い方がいいし、冒険者同士は助け合うものだから私はこの人を連れて行くわ」
考古学者はアリアナの顔を見ると、少し驚いた様子で言います。
考古学者「…まさか?!あれは昔の話だ、そんなはずはない」
考古学者が加わります。部屋を出ると遺跡調査を再開します。なお、アリアナは考古学者を警戒しているため、2人が言葉を交わすことはないでしょう。
・バニッシュ等魔法を行使しても構わないか
考古学者「構わない。怪しく見えるのは承知している。特に、そこのシーン神官からの目線が」
・なぜ考古学者が冒険者稼業をしているのか
考古学者「昔から考古学者だが、盗賊にさらわれて身を守る必要を感じた。稼ぎも悪くない」
・この遺跡について知っていることはないか
考古学者「おおよそ君たちの知る話と同じだ。危険が多く、考古学者は満足に調査できない」
・石板の内容について分かったことはないか(重要)
考古学者「聖杯に関する記述だろうが、姿を写さぬ、とは金属製ではないということか?」
4 その他
それぞれの部屋で、シークレットダイス(2d)を振ります。
出目1,2→はずれ
出目3,4→仕掛けA
出目5,6→仕掛けB
〇はずれ
罠はありません。探索(スカウトorレンジャー+知力B)を行っても得るものはありません。
〇仕掛けA
罠はありません。探索(スカウトorレンジャー+知力B)を行えば、以下のアイテムを各プレイヤーは得ることができます。
達成値12以上:救命草(1d本)
達成値16以上:魔香草(1d本)
達成値20以上:月光の魔符(+2)
〇仕掛けB
部屋に足を踏み入れたプレイヤーは全員、目標値16(秘匿)の危険感知判定を行います。失敗すると落石が直撃し威力100の物理ダメージを受けます。
成功:部屋に踏み入れると落石がありましたが、なんとか回避することができました。
失敗:部屋に踏み入れると落石があなたを直撃しました。威力100の物理ダメージをどうぞ。
※探索判定(スカウトorレンジャー+知力B)
達成値12以上:能力増強の指輪(ランダムに決定)
達成値16以上:消魔の守護石(2d点)
達成値20以上:月光の魔符(+3)
5 聖杯
※「3 遭遇戦」をクリアしていなければ、次のような描写となります
皆さんが最奥に辿り着くと、そこには巨大な石の壁がありました。鍵穴は見当たらず、破壊することも困難だと感じられるでしょう。
遺跡を奥に進んでいくと、途中から上り坂が続いていることに気が付きました。
アリアナ「この先に聖杯が眠っている気がするわ」
坂を上ろうとしたその時、殺気をまとった気配が迫ります。危険感知判定(目標値20)をどうぞ。
〇ゴードベル(Ⅲ431頁)
知名度16、弱点値19
〇剣のかけら
3人:なし(HP94、MP32、生命抵抗力19、精神抵抗力19)
4人:5個(HP119、MP37、生命抵抗力13+2d、精神抵抗力13+2d)
考古学者「遺跡には、透明な魔物が潜んでいると聞いたことがあるが・・・」
※不意打ち→Ⅰ156頁
※透明への対応→Ⅱ78頁
○敵の不意打ちが成功
敵から不意打ちを受けました。戦闘開始です。
○敵の不意打ちが失敗
皆さんに敵が襲い掛かります。先制判定をどうぞ。
〇戦利品表
自動:800G(赤A)
2-10:なし
11-:1400G(赤S)
姿なき魔神を倒しました。聖杯の眠る最奥を目指して階段を上ります。
しばらく進むと、足元の悪い場所に差し掛かります。では、危険感知判定(スカウトorレンジャー+知力B)をどうぞ。
※誰か一人でも成功すれば全員が成功扱いとなる
20以上:皆さんは、足元の蜘蛛の巣が罠のトリガーになっていることに気付きました。
19以下:皆さんは、足元に嫌な感触がありました。直後、大きな音が上から聞こえます。
〇罠回避判定に失敗した場合の処理
では、目標値15で罠回避判定(スカウトorレンジャー+知力B)をどうぞ。個別に判定を行います。
成功:あなたは、上から転がってくる鉄球をなんとか躱しました。
失敗:あなたは、鉄球の直撃を受けました。威力100のダメージをどうぞ。防護点が適用されます。
転がっていく鉄球を見下ろしながら、アリアナが言います。
アリアナ「まったく、危ないわね…死ぬかと思ったわ。でも聖杯はすぐそこよ!」
考古学者「ただ、聖杯を持ち出すには条件がある。これこそが真の聖杯と思う杯を手に取り、井戸水をすくって飲み干す。真の聖杯は、汝の傷を癒す。だが、偽の聖杯は汝の身体を蝕む」
神紀文明時代の文献にそのような記述があるようです。飲まずに持ち出そうとすれば、聖杯はその場で粉々に砕けてしまうでしょう。部屋に入ると、脳内に直接何者かが語りかけてきます。
?「我を求める者よ。水を飲み干し、その願いを叶えよ」
以下から、正しいと思う聖杯を選んでください。また、聖杯で井戸水を飲む人を決めて下さい。
A 白金製の大きなカップ
B 金の華奢なグラス
C 銀製のマグカップ
D 木製の小さなカップ
E 銅製の皿
F 合金製の魔法のグラス
G 素材不明のきれいな皿
※正解はDです。石板を考古学者に見せていれば、答えは分かるはずです。
※正解の聖杯を選択すればHPとMPが即座に全快します。
※誤った聖杯を選択すれば目標値20で生命抵抗力判定を行い、失敗すると威力100の魔法ダメージ(抵抗:半減、C10)を受けます。抵抗に成功すればクリティカルは発生しません。
本物:あなたは水を飲み干した次の瞬間、安らかな感情に包まれました。
偽物:あなたは水を飲み干した次の瞬間、猛烈なめまいと吐き気に襲われます。
6 エピローグ
あなた達は一人ずつ杯を手に取り井戸水を口にします。無事、聖杯を手に入れることができました。考古学者と遺跡を後にすることになるでしょう。アリアナが言います。
アリアナ「私は旧ラダック村の出身なの。今日は私の実家に泊めてあげるわ。だから顔を見せなさいよ、それから名前も。怪しい人はお断りよ」
まさか、と考古学者は続けます。
考古学者「お前、この村の出身なのか。あれは20年前だから今年で23か。クリスティーナはこんなに若くないはずだが、あの子なら・・・」
アリアナは不服そうに答えます。
アリアナ「初対面なのにお前呼ばわりしないで。それから、どうして私の歳を知っているの?それにお母さんの名前も。…えっ?!」
覆面を取ったその素顔は、アリアナの生家で見た写真の父親の面影がありました。
考古学者のブルーノは若い頃、調査のために各地で旅をしていました。ラダック村で出会った神官の女性と恋に落ち、2人は結ばれて娘のアリアナが誕生しました。
しかし、アリアナが3歳の頃、村を疫病が襲いました。村では、遺跡の偽の聖杯の悪影響が疑われていました。調査のため、彼は危険を承知の上で遺跡に向かいます。
ですが、遺跡に到着した時に、盗賊に捕まってしまいます。数か月経ってなんとか逃げ延びることができましたが、それは村長が廃村の決断をした後でした。
クリスティーナは病気で亡くなり、幼いアリアナはハーヴェスの神殿に引き取られました。彼は2人が亡くなってしまったと思い込み、悲嘆に暮れながら研究を再開します。
冒険者稼業を始めたのはこの頃からです。盗賊から身を守ることの重要性を痛感したほか、その収入で研究を続けることができると考えたからです。
遺跡でアリアナを見た時、彼は夢でも見ているのかと思いました。彼女は亡くなったはずの妻に声も顔もそっくりで、しかもシーン神官だったからです。
しかし、彼は現在50歳です。クリスティーナが生きていても若いままのはずがないと我に返ります。アリアナが考古学者を家に泊めるために村の出身であることを明かすと、彼は目の前の女性が大人になった娘であると気付きました。
〇基礎報酬(3000経験点、+2成長)
○名誉点(人数による調整)
3人:+35
次回