リリーのすべて | 奥浜レイラオフィシャルブログ「L→R」powered by Ameba

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今週の映画は『リリーのすべて』

世界で初めて、性別適合手術を受けたリリー・エルベの生涯を、エディ・レッドメインが演じた作品です。

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エディ・レッドメインというと、昨年のアカデミー賞では、スティーブン・ホーキンス博士を演じた『博士と彼女のセオリー』で主演男優賞を受賞しています。

それに引き続き、今回のアカデミー賞でも受賞はなかったものの、同じ賞にノミネートされました。

アカデミー賞の授賞式から、この『リリーのすべて』の公開を心待ちにしていました。
二年連続で主演男優賞にノミネート、これは観て納得。

彼の演技は、ドヤ感がないんですよね。

男性として生きていた頃の妻への愛情に溢れた姿も、自分の中の女性性、つまり”リリー”に気がつき、リリーが自分の本当の姿なんだと確信していく様子も、彼が演じるとそのグラデーションが繊細で違和感がない。

ホーキンス博士の時も”憑依系俳優”という言葉が過ぎらずにはいられなかったけれど、今回のリリーもハッとするほど美しく、所作や表情も完全に女性でした。

正直なところ、気持ちの移り変わりについていくにはもう少し時間が、もしくはシーンが欲しいかなと思ってしまいましたが(これは、適正な映画の尺を考えたら望みすぎなので、きっと私が悪い・・笑)それも彼の細やかな演技でカバーできていたように思います。

さて、彼自身の演技が素晴らしいのは話した通りですが、同時に彼はパートナーに恵まれる俳優だと感じました。
『博士と彼女のセオリー』でも、妻役フェシリティ・ジョーンズとのタッグが良かったですし、今作で確信!

今回、妻を演じたのはアリシア・ヴィキャンデル。
最近は『コードネームU.N.K.L.E』でも目立っていたし、日本公開はまだですが『エクス・マキナ』にもAIの役で出演。(これ、めちゃめちゃ観たい映画です)
本当によく出ている!だけではなくて、独特の存在感があります。

ちなみにアリシアさん、ゴールデングローブ賞では『エクス・マキナ』で助演女優賞にノミネート、アカデミー賞ではこの『リリーのすべて』で助演女優賞を受賞しています。

自分の愛した男性が、女性に戻っていく。
彼の幸せを願ってサポートしているけれど、女性に近づけば近づくほど、二人の関係性は友達や姉妹のようになっていってしまう。
その過程にある葛藤が、もう・・・
この「変わっていく関係性にともなう切なさ」は、トランスジェンダーが絡んだものでなくても、身に覚えがある。
アリシア・ヴィキャンデルの演技はさりげなく、それでも強く人の胸を締め付けるものでした。
あっぱれ。


来週は、『マジカル・ガール』『不屈の男 アンブロークン』『蜜のあわれ』あたり、観に行きたいですね~。


さて、映画の話からは離れますが、
最近、お仕事の先輩に教えていただいて、VICELANDの番組を観ていました。
女優のエレン・ペイジが日本のLGBT事情をレポートしていたものです。
(それ以外に、腐女子、BLなどにもスポットを当てています)
これが興味深かった。


GAYCATION Episode 1

日本人だと、ここまで切り込むのは難しいかもしれない。
切り込めたとしても、ここまで放送するにはたくさんのハードルが立ちはだかると思う。
興味がある方は、ぜひご覧になってみてください。(ちょっと長尺ですが)