ザ・ビーチ・ボーイズ「With A little help From My Friends」 | マジカル・ミステリー・ミュージック・ツアー

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1960年代から1980年代の洋楽・邦楽の雑記帳です。

1967年6月1日、ロックの歴史を変え、未だにロックの頂点にあるといわれるビートルズの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」がイギリスでリリースされました。(アメリカリリース:1967年6月2日、日本リリース:1967年7月5日)。
 
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ポール・マッカートニーは「このアルバムはビーチ・ボーイズのペット・サウンズに影響された。」と語っていましたが、ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンはビートルズの「ラバー・ソウル」に影響を受け「ペット・サウンズ」を作ったと言われています。
 
ビーチ・ボーイズは、1966年5月16日にアルバム「ペット・サウンズ」をリリース。
しかしブライアン・ウィルソンの実験作となったこのアルバムは、今でこそ、高い評価を得ているアルバムとなっていますが、当時、サーフィン・ミュージックとしての地位を確立していた従来のビーチ・ボーイズ・サウンドとは大きくかけ離れ、セールス的には失敗。
2か月後にリリースされたベスト・アルバム「Best of The Beach Boys」はすぐに100万枚を突破するなど、ブライアンは大きな衝撃を受けてしまいます。
 
その後、「ペット・サウンズ」を超えるアルバムを。。と精神的に追い詰められたブライアンは、ノイローゼとなり、アルバム「スマイル」はお蔵入り。
残りのメンバーが中心となり制作され、1967年9月11日にリリースされた「スマイリー・スマイル」も酷評される結果となりましたが、ビーチ・ボーイズは活動を活発化、なんと「スマイリー・スマイル」リリースから3か月後の1967年12月11日にはカール・ウィルソンが主導したニュー・アルバム「ワイルド・ハニー」をリリースしています。
 
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アルバムからシングルカットされた「ダーリン」はブライアン・ウィルソンの作曲(過去に書いていた曲)、カール・ウィルソンのソウルフルなボーカルが目立つ、ビーチ・ボーイズらしいサウンドで、ビルボード・チャートでも19位を記録しています。
 
【Beach Boys - Darlin'】
 
このアルバム、全体的にはR&B色の濃い新たなビーチ・ボーイズを感じさせるアルバムになっています。
レコーディングは1967年9月26日~11月15日とされていますが、ビートルズの"Sgt.Pepper~"がリリースされた直後のレコーディングとなり、ブライアン・ウィルソンが主導権をとっていないにせよ、何らかの影響があったのでは。。と推測してしまいますが、このアルバム制作時にレコーディングされたものの未発表となっていた1曲に、"Sgt.Pepper~"の収録曲With A little help From My Friendsがありました。
 
今ではリンゴ・スターを代表する曲であり、1968年にリリースされたジョー・コッカーのソウルフルなカヴァーが有名ですが、ジョー・コッカーより一足先にビーチ・ボーイズがレコーディングしていたのは驚きでした。
 
【Beach Boys - With a Little Help from My Friends】
ブルース・ジョンストンがボーカルをとり、バック・コーラスもビートルズに忠実なアレンジになっていますが、あまりにもリアルタイムだったためなのか、原曲に忠実なアレンジだったためかわかりませんが、当時は発表されず、1983年になって未発表曲やシングルのB面曲、未発表ライヴ音源などを集めたコンピレーション・アルバム「ザ・ビーチ・ボーイズ・レアリティーズ」の1曲目に収録され陽の目を見ています。
 
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安易なジャケットが何とも言えません。。(^-^;
 
"With A Little~"も決して悪い出来ではなく、もしリアルタイムでリリースしていたら、大きな話題になっていたかも知れません。。
 
8月1日からは、日本でもブライアン・ウィルソンの半生を描いた映画「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」が公開されています。
 
【「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」本予告】
今年の夏はビーチ・ボーイズとともに過ごす夏となりそうです♪