パンタ&ハル 「マラッカ」 80年代を前に時代を切り裂いた傑作アルバム | マジカル・ミステリー・ミュージック・ツアー

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1960年代から1980年代の洋楽・邦楽の雑記帳です。

パンタ。。
70年代初頭、最も過激なグループのレッテルを貼られた「頭脳警察」(今も活動中)として、そしてソロをはさみ、70年代末から80年代初頭の日本のロックグループの中で輝き続けた「パンタ&ハル」として、常に時代の先頭にたち、ロックの道を切り開いてきたパンタ。。。
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そんなパンタが1975年12月に頭脳警察を解散、ソロ活動をはさみ、更にシビアに音楽を追求するバンドとして結成されたのが「パンタ&ハル」でした。
 
パンタ&ハルは、結成後、すぐにレコードデビューはせず、ライヴを重ね、バンドとしての結束をかためてゆき、待望のファーストアルバム「マラッカ」をレコーディングするにあたり、プロデューサーとして白羽の矢がたったのが、坂本龍一とムーンライダースの鈴木慶一でした。
 
しかしながら、坂本龍一は、事前の打ち合わせ段階で、アルバムコンセプトの「オイルロード」という、世界情勢のテーマに懸念を示し降板、鈴木慶一がプロデューサーとしてサウンド・プロデュースを担当、こうして、「はっぴいえんど系列」の鈴木慶一と「内田裕也系列」のパンタという、表向きには相容れないふたりが意気投合し、1979年3月に、日本のロック史上にいまも輝くアルバム「マラッカ」が発売されました。
【 マラッカ /Panta&Hal 1979 】
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今日は、そのタイトルトラック「マラッカ」をご紹介します。
【 マラッカ / Panta&Hal 1979】
作詞・作曲:中村治雄(パンタの本名です)
マラッカ海峡を切り裂く巨体のタンカー、マストのウミネコ。。。緊張感と疾走感。。オイルショック後の世界情勢。。時代背景。。様々な意味をもつ歌詞。。。そして疾走するイントロ。。フュージョン系のサウンドをバックに、切り裂くパンタのボーカル。。
とにかくかっこいいっラブラブ!
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鈴木慶一とパンタは、その後も交流を続け、PKOというグループ名でアルバムも発表しています。
また、福山雅治等でおなじみのセッションギタリストの今剛のデビューは、実はこのパンタ&ハルでした。
【アルバム歌詞カードより。。今剛、鈴木慶一の顔が見えます。。】
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レコードコレクターズの70年代~80年代にかけての人気投票でこのアルバムは、決して高くはなかったけれど、間違いなく日本のロック史上トップアルバムに入る名盤だと思います。。