【関連】 [9Tの新年会2017] 6日目 ~魔法~(前編)

http://ameblo.jp/layer-zer0/entry-12284945560.html

 

(※物語後編の導入パートから始まるけど、ダイジェスト版に前後半もないでしょ?的なノリで、この夏は大胆水着でざっくりカット!? ლ(´ڡ`ლ) (謎))

※【補足】前編で触れた通り、最終的に前後編に分ける事になったので、上記の省略通知は明らかに矛盾してるけど、その辺気にし始めたら、ここで扱う文章自体の支離滅裂さを受け入れなくなるので、大胆ハイレグカットで程よくシースルーして下さい!? ლ(´ڡ`ლ) (謎))
 
突如何もない宇宙空間に現れたひび。その隙間から滲み出てくる歪な黒き塊。それが巨大な一つ目を持つ頭部の形に変わると、無造作に強烈な悪意を迸らせた。

「あ、あれも…混沌なの!?」
「なんて大きさ…一体どこまで大きくなるの…!?」

既に視界いっぱいに広がり、宇宙を埋め尽くすかのような様相を遂げながらも、闇の伸張はまだ終わる気配がない。
辛うじて判別できる宇宙の闇との境界線、その内側で巨大な悪性腫瘍が不気味に蠢いた。

「…終わりなき混沌こそ、永遠の安寧…」
「…生命に穢されたこの地に、虚無の秩序を…」
「…我こそが、この世界を統べるものなり…」

刹那満ちる真空の静寂。

それが侵略の狼煙となった。
宇宙を埋め尽くした混沌が全てを無に帰す隕石と化し、圧倒的質量を持って押し迫る。
絶望を覚悟に変える間も与えられず、喫緊の危機が、反射的に三人に魔法の盾を張らせた。
ぶつかり合うエネルギー。全てを塗りつぶす黒き波動と、全てを照らす金色の盾の衝突。世界を二つに割る衝撃波が吹き荒れた。

「リコ…!!ここを突破されたら、世界が…なくなっちゃう!!今ここで全力を出し切るよっ!!」
「言われなくても…やってるわよっ!!絶対に…絶対に負けられないんだからっ!!」
 
 
(※モフルンが見かけによらずいい感じの事言うけど、ちょっと前にも見せ場があったので、いい感じの事言ったお笑い芸人のノリで全部カットで!? (っ ´-` )✄╰;.’:╯バチィン (爆))
 
「…今のは一体?」

目を慣らすようにゆっくりと瞼を開くと、視界の片隅で緑色の微風が光に揺れた。
背後に視線をやると、木の葉で編まれたような神秘的なドレスを身に纏った柔和な表情の女性が目に入る。
どこか温もりを感じる郷愁感。きっと生命そのものの記憶として刻まれていたのだろう。混沌に引けを取らない程大きなその姿を、ミライとリコは直感的に理解した。

「あなたが、<マザー・ラパーパ>…なのね?」

慈愛の象徴のような柔らかな微笑み。
創造の女神がゆっくりと頷く。


「…その理解に一体何の意味がある…認識は世界を変えない…あるのは変わる事なき争いの歴史のみだ…」

目の前で起こった奇跡の余韻が消えぬ内に、明らかな否定が込められた声が冷ややかに響く。
神々の問答。

「認識が変われば世界の見え方が変わります。世界の見え方が変われば、人間は如何様にも自分を変える事ができます。」
「…変わった先が在るべき姿である保証もなければ、正しい方向へ向かっている保証もどこにもない…歴史において過ちは糺す事ができぬ…」
「絶対的な在るべき姿なるものがあったとして、そこに到達する事は生命の均質化を意味するでしょう。そうなればもはやそれは現象であり、本質において無と何も変わりません。」
「…真理を阻み、無の存在を否定するか…虚無こそが永遠の安寧であり、混沌こそが不変の秩序…それこそが不完全に対する唯一の是正だ…」
「否定するのは絶対の無です。絶対の生も同じでしょう。必要なのは生と死の狭間の揺らぎ。それこそ神が個の生命に課し、種という大義に与えた可能性という名の真理と言えるのでしょう。」
「…その揺らぎが一体どれ程の悲劇を招いた…<最後の審判>の意味を忘れたか…可能性こそが真理と言うならば、生命は神の過ちであり、神の罪そのものとなる…」
「生命があるからこそ破壊が起こった。生命自体が犠牲を必要とするデザインとなっているのです。そこに何らかの意味があるならば、神が模索したのは生命の持つ可能性そのものなのでしょう。そして、その評価には無限の時間を要した。」
「…評価を待てるだけの無限の資源がどこにある…暗に全てが人間のために存在すると仄めかせる世界観、それこそが犠牲を正当化するために獲得した利己的な思考形式に違いない…」
「視点の問題です。有限の世界それ自体が可能性のための制約となりえる。無限に評価が終わらないのであれば、その事自体もまた可能性が顕在した一つの形です。」
「…無限の時間は不確定性以外を生み出さない…可能性は終わりなき絶望を正当化する戯言にすぎぬ…」
「その認識は間違いではありません。ですが、それこそあなたが否定した世界の見え方の問題でしょう。可能性は確率で分岐するあらかじめ用意された選択肢ではありません。未来を切り開こうとする者の前にのみ立ち上がる無限の可能性なのです。」
「…虚無の可能性さえも退ける可能性があると言うか…断言しよう、今ここにあるのは残酷な選択を強いられた事自体への絶望のみ…今こそ審判の時だ…」
「自ら可能性を切り開いた者は決して己に絶望しません。可能性の選択の果てにこそ訪れる幸福がある。人はもう私たちの加護を必要としません。人を測るものはなく、神でさえも裁く事はできません。役目を終えた私たちは退き、後は残された人類に任せましょう。」


仮に、常に正しくあり、一片の否定の余地すらない完全無欠の存在があったとしたら。
それはきっと生命の停滞に他ならず、創造の神の言う「生命という現象」に成り下がる事を意味する。もはやそこには、自分と他者の区別さえも必要ない世界が待っている筈だ。

完全無欠の“個”という現象でない限り、総じて人は、他人との集合体だ。
他者による否定の意思に一定の意味を見出すなら、“停滞なき相互作用”が求められるものであり、それこそが可能性の源泉になるのだろう。否定の持つ負の側面だけを見ていたら、人はきっと共に生きる事を望まない。
どんな欠陥があろうとそれを愛する人間らしい心があれば、例え小さくとも、その先に続く幸せを分かち合う事ができる。
『他者』とは、そんな可能性を内在させるための、集合体としての有機的デザインなのかもしれない。


『人は人を否定するだけの存在ではなく、人に秘められた可能性を無限に引き出す存在である』

導き出された一つの結論に呼応するかのように、混沌に食い荒らされた星から小さな光が浮かび上がる。
徐々に数を増し、世界を埋め尽くすほどになったそれは、人々の残した思い…消える事なき心の輝きであった。

光が光を照らし、繋がり、果てしなく広がる虹色の懸け橋。
繋げられた光は一つの輪となり、世界を満たす旭光となる。そして、混沌の影を掻き消すように照らし出した。

「地球のみんな…ありがとう!」
「私たちに力を貸して!このまま押し返すわよっ!!」
「世界は明日も続くもふ!!」
「さあ、審判の時は終わりです。」

人の持つ可能性を疑わぬ迷いなき8つの瞳。心を重ね合わせた4つの声が調和のとれた1つのコーラスとなり、永遠の虚無を追いやる最後の魔法を詠唱した。

「キュアップ・ラパパ!混沌よ…あっちへ行きなさいっ!!」

人々の思い、繋げられた希望、一つに集約された願い…その全てを託された光のリングが、一瞬で同心円状に広がり世界の地平を拡張する。
光に貫かれた混沌の身体は、心に巣食う邪心が洗われるように徐々に光の中に滲み、そして一片の染みも残さず完全に消え去った。
 
 
(※何か地球ボロボロみたいでやべぇよ!やべぇよ!的なノリだったけど、斯く斯く然然何とかなりそうみたいです;つか、ザリガニに鼻を挟まれるのってホントに痛いの?的な感じで理解いただければ概ね間違いではありませぬm(_肉_)m(謎))
 
間もなく完全に二つに別たれる星を背景に、真っ暗な宇宙空間に残された二人。
ミライの胸の中には、エメラルドの装飾…<マザー・ラパーパ>の加護を失ったからか、眠るように沈黙するモフルンが抱かれている。

「サヨナラ…だね…」

残された時間は残り僅か。掛けるべき言葉は尽きぬ程ある筈なのに、何故か言葉を紡ぐ事ができない。
リコも同じ気持ちなのだろう。ミライの言葉に応えず目は伏せられたままだ。

恐らくは、永久の別離になる。

そんな予感が現実を否定し、二人の間を終わらぬ沈黙で埋め尽くす。
何の覚悟も決まらぬまま、ただ急く気持ちだけが訥々とミライの口を開かせた。

「ねぇ、リコ?…私ね、出逢ったのがリコで、本当に良かったって思ってる。
この広い世界で二人が出逢うってだけでも奇跡なのに、私達、住む世界まで違ってたんだよ?
運命があるなら、きっとこれがそうだよね?」

今を逃せば二度と話す機会は訪れないかもしれない。
同じ思いを胸に、リコも言葉を選ぶように静かに口を開く。

「私も…私も、ミライと友達になれて本当に良かった。
一緒に<最後の審判>を闘う事が運命だったんじゃない…出逢う事が運命だった。
きっと、ミライだったから…この奇跡の連続が生んだ魔法のような出逢いだったからこそ、世界を救えたんだと思う。
私たちが出逢った。これ以上の奇跡なんてないよね?神様に感謝しないと!」

「運命だったら…
運命だったら、きっとまた…逢えるよね?」

誰に向けられたものでもない、縋るようなミライの問い。
数秒の沈黙の後、返答の代わりにおもむろにステッキを振るうリコ。

「キュアップ・ラパパ!私たちは、絶対にまた出逢える!!
…これでもう、大丈夫!」

「リコ…ありがとう…!!」

最後にそう言って手を握り合う。無限に引き延ばされた見つめ合う時間。二人の瞳から溢れた涙を縛るものは何もない。
宝石のように涙滴の形を維持した友情の欠片が、泣きながら笑顔を浮かべる二人を取り巻き、キラキラと至上の輝きを放った。

二つに別れゆく星の背後から、徐々に姿を見せ始めた陽光。世界の夜明け。
遮るもののない強い陽射が眩ゆく世界を照らし出し、二人が取り戻した平穏な日常を実感させた。
そして、二度と取り戻す事のできない失われゆく日常…二人のいない日常もまた…

『…モフルン、ミライとリコと一緒にいられて本当に幸せだったもふ…
二人の事、ずーっと忘れないもふ…モフルンの心は、いつでも二人と一緒もふ…』

声にならない声。
ミライに抱かれたモフルンの碧き瞳が微かに瞬いた。

それぞれの世界に還り行く時。
重力に引き寄せられるように、互いの身体が徐々に引き離される。
握り合った手が滑り抜け、最後に残った指先が別離を惜しむように、ゆっくりと、ゆっくりと、離れた。

…… サヨウナラ ……

落下するように二人の身体が引き離されると、そこに残された涙だけが二人が出逢った最後の痕跡となった。
 

 
(※ところ変わって人間界・それから5年後的な感じ。所ジョージ変わらず笑ってコラえて!・1996年からって感じ。村上ショージ笑えず堪えるまでもない・生まれつきって…そういう事言うの止めろよ、おまい:(;゙゚'ω゚'):(笑))
 
ミライに抱かれたままのモフルンを見ながら、感慨深げに話す祖母。

「モフルンはね、あなたが生まれた日に、お婆ちゃんがプレゼントしたのよ。」
「私が生まれた日に、お婆ちゃんが?」
「お母さんはまだ目も見えないのに早いって言ったんだけど、傍にモフルンを寝かせるとすごく安心したような表情をしたんだよね。その様子がとても愛らしくて。あなた達はそれからずっと一緒なのよ。」

確かに物心付いた時には、既にモフルンと一緒にいた。気付いた時には一緒にいるのが当たり前だったから、誰からいつもらったかなんて考えた事もなかった。
長い間、姉妹のように過ごしてきたから魂が宿ったのか。モフルンとリコと三人で過ごした日々を思い返し、ふと疑問に気付く。

「ねぇ、お婆ちゃん?モフルンの胸にエメラルドの宝石が付いてたでしょ?あれも最初から付いてたの?」
「あぁ…あれはね、お婆ちゃんの大事な御守りだったのよ。」
「えっ!?お婆ちゃんの?…でも、どうして?」
「お婆ちゃんはもう十分護ってもらったから、今度は生まれたばかりのあなたを護ってもらおうと思って。実際、あなたったらどんなに泣いててもモフルンに触れると泣き止んで笑ったのよ。…きっとこの頃からモフルンはあなたを護ってくれてたんでしょうね。」

質問の趣旨を取り違えたような返答。どうして祖母は<マザー・ラパーパ>が封印されたエメラルドを持っていたのか?
怪訝な表情が表に出ていた事に気付き、慌てたように緊張を緩めるミライ。そんな心中を察してなのか、言葉を整理するようにゆっくりと窓際に移動した祖母が、一呼吸置いて口を開く。

「…ねぇ、ミライ?あなたはとっても素直で強い心を持っている。でも、胸の中に隠した気持ちがあるんじゃない?気付かない振りをして目を背ける事もできるけど、きっとそれは消えない棘になっていつまでも残るでしょう。あなた自身の心を傷付ける事になるかもしれないのよ?
時間はまだ十分あるかもしれない。でも大人と子供で流れる時間は違う。きっと住む世界…生きる世界が違うのね?二十歳…成人っていうのは単なる節目の言葉じゃないの。いつか何処かでって漠然と思っていても、それはきっと叶わない。そうして心が疲れて、いつか自分の中の狭い世界を飛び越える力を失っちゃうの。
…ミライ、大切な人がいるんでしょ?逢いたいって願う純粋な気持ちを失くしてなければ、きっと奇跡は…魔法は起こる筈よ?」


まるで全てを知っているかのような言葉に呆然となるミライ。

その視界の片隅に淡い光が舞う。
開け放した窓から漏れた柔らかな銀光。どこか神秘的な光に誘われるよう、ゆっくりと視線を向ける。

そこには、窓枠いっぱいに輝く十六夜の月が、微笑んで見えた。
 

 
(※かつてリコと歩いた桜並木を回想しながら歩くミライ。結構ありがちなシーンなので、適宜貴方の中の記憶と置き換えながら脳内補完願います。つか、あるでしょう?クマ(モフルン)を抱きながら独りごと呟いて歩いた記憶(ヾノ・∀・`)アルアルw)
 
気持ちの整理。

それは、“記憶の中の存在”が死を迎え、単純な情報へと変化する事を指すのだろう。そして、記憶の中だけに生き、“日常”からは姿を消した存在に、懐かしさ以上の感情は起こらない。
でも、そんな風に割り切る事なんて到底できない。
ミライの中の“リコの存在”は、今でも活き活きとしている。眩い景色の中で呼びかければ、リアルな躍動感を持って振り返った。

「私の中のリコは、今でも笑いかけてくれてるよ…」

意識が現実に戻り、何ともなしに心中に浮かんだ考えを、確かめるように口中で呟く。
木々の擦れる音さえ聞こえない、静まった夜気が耳に痛い。





…カランっ…

長い沈黙を破る乾いた音。
頭上から落ちてきたのだろう、俯いたミライの視界の端に桜の枝が映った。
さして疑問にも思わず無心のまま手に取り、何の変哲もない枝を見つめること数十秒、おもむろに振りかざす。

「キュアップ・ラパパ!今ここで、魔法界のみんなに逢える!!」

… … … …







「なんて…そんな事、ある訳ないよね?」

寂しい笑顔を浮かべて指の力を緩めると、地面に落ちた枝が再び乾いた音を響かせた。

「バカみたい。もう、魔法の力なんてないのに。」

振り向き、来た道を戻る。

「バカみたい。そんな奇跡、ある訳ないのに。」

モフルンを抱く腕に力を込め、顔をうずめるように目を伏せる。
僅かでも期待を持った自分に苛立ちを覚え、自然と足早になる。

「バカみたい。もしかしたら…」

もしかしたら…、人間界のみんながそうだったように、魔法界のみんなも…リコでさえも…私の事、忘れてるかもしれないのに。
更に歩調を早めようと大きく踏み出した時、足がもつれ、前のめりに転んだ。
こみ上げる思い。倒れた姿勢のまま地面に顔を伏せ、溢れ始めた涙を隠した。

「バカみたい…バカみたい…」

消え入りそうな声が夜の闇に吸い込まれる。
顔を上げると、涙で景色が煙った。
止めどなく涙が零れた。
祖母が最後に告げた言葉が激しく胸を抉る。

『お婆ちゃんみたいに、後悔だけはしてほしくないから』


瞼を強く閉じると、整理の付かない気持ちに突き動かされるように、腕に力を込め、強く地面を蹴った。
巨木の前に辿り着くと、息を整える間もなく、無造作に転がったままの桜の枝を手に取った。
身体を起こすと同時に、迷う事なく右腕を振りかざす。

「キュアップ・ラパパ!魔法界のみんなに逢いたい!!」

何度も振るう。
何度も叫ぶ。

「キュアップ・ラパパ!魔法界のみんなに逢いたい!!」
「キュアップ・ラパパ!魔法界のみんなに逢いたい!!」
「キュアップ・ラパパ!魔法界のみんなに逢いたい!!」

腕が上がらなくなるまで、何度でも。

「キュアップ・ラパパ!みんなに逢いたい!!」

声が枯れるまで、何度でも。

「キュアップ・ラパパ!みんなに逢いたい!!」

この気持ちが届くまで、何度も、何度も。

「キュアップ・ラパパ!みんなに逢いたい!!」
「キュアップ・ラパパ!みんなに逢いたい!!」
「キュアップ・ラパパ!……!! ……!!」



もう腕を上げる力はない。声を上げる事さえ叶わない。

「キュアップ・ラパパ……この気持ち…届かないの?……
…逢いたい…
…リコに…リコに、逢いたいよ……」

俯き、呟く。
“現実”を受け入れた涙。
それでも願う事を止めない、純粋で真っ直ぐな気持ちが零した一粒の滴。

落下した涙が、ミライが手にする桜の枝に触れ、そして、弾けた。

枝の内側から迸る強烈な光。
四方に弾けた涙滴の欠片が舞い散る桜に姿を変えると、次の瞬間、凄まじいつむじ風が立ち上がった。
天に立ち昇る桜吹雪の螺旋。再び動き出す刻。

「何が起こっ…!?」

思わず庇うように両手を顔の前にかざしながら、固く目を閉じるミライ。
全身を叩きつける風。身体を貫く加速度。
四肢に浮遊感を感じながら、突風に慣らすように薄っすらと片目を開けた。

「…… … … っっ!?!?」

眼下の闇に広がるオレンジ色の灯り。人の営みを感じさせる暖かな光に、遥か下方に街があると直感した。
一瞬訳も分からず思考停止に陥った後、ハッと視線を巡らせて、ようやく自分が空高く舞い上げられたと気付く。
落下している様子はない。一瞬の驚きはあったが、不思議と恐怖は感じない。
疑問が頭をもたげる前に手に握られたものを確認し、起こっている事態を確信した。右手に輝く魔法のステッキ。

「これってやっぱり、魔法…だよね?
…あ、あれっ!?ってゆ~か、モフルンはっ!?!?」

慌てたように手足をバタつかせるが、宙を舞う身体は思うように動かない。
突風に煽らる中、無意識にモフルンを離してしまった迂闊な自分を呪った。

「う、うそっ!!見つからない?やだ、どうしよ…!?」

忙しく首を巡らすが、モフルンの姿はどこにも見えない。
気が動転しかけたその時、唐突に頭上から投げ掛けられた声。


「こら!モフルンは大事な友達でしょ?どんな時も離しちゃダメじゃない!」






反射的に全身が硬直し、目が見開かれる。

大人びた声。懐かしさで胸がいっぱいになる。
間違いない。間違える筈がない。
見開いた目がゆっくりと細くなり、目尻にうっすらと優しい笑い皺が寄る。

…逢いたかった…

目の端から、新たな涙が溢れ始める。

…ホントに逢いたかった…

風に煽られ、零れた涙が頭上に散った。
きっとその滴には、まだ見ぬ未来の風景が刻まれるのだろう。今度は二人を引き離すものは何もない。かつて別離の痕跡となった宙を舞う涙は、二人の奇跡の再会の証跡に変わる筈だ。

くるりと身体を反転させ、枯れた喉で力いっぱい叫んだ。

「ずっとずっと…逢いたかったんだからっ!!」


















 
…ん? (つд⊂) ゴシゴシ
 
…んんっ!? (つд⊂)ゴシゴシ







 
 
 
よかっ……たぁぁぁ~~~~~っ!!!!ε-(´∀`; )ホッ
 
一瞬、リコが武者ドルに見えて焦ったよ!?
気のせい、気のせい!⊂(^ω^)⊃ セフセフ!!











 
  ∧_∧ パーン
( ・∀・)
  ⊂彡☆))Д´) <…って、なるわきゃねぇーだろっ!?(爆)
 
 
そして、後ろで手伝ってる奴!だから誰なんだよっ!?
なびく髪の演出に、わざわざ最新型のドライヤーまで持ち込みやがって!?!?( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン(笑)
 
 
 
………
 
つか、これ、マジで感動モノのプリキュアにインスパイアされて、俺なりに感動的なオマージュストーリに仕上げたいという思いがあったのに、何だこのオチ?( ´_ゝ`)
 
 
 
古風呂大佐:
ふ、アランよ…確かに「古風呂大佐」と「ヴイ・シネマんたる帝王」は出ないと告知されたが、「武者ドル」が出ないとは一言も言ってないだろう?(*''艸3`):;*。 プッ
 
少しでも「やられた!」と思ったのなら、私の完全勝利だっ!!( ゚∀゚) アハハハハノヽノヽノ \ / \ / \(爆)
 
 
(´-`).。oO(つか、省略ポイントごとにちょこちょこギャグが入ってたのは気のせいか?www
 
 
 
アラン:
やかましいわっ!?╭(°ㅂ°`)╮ギリッ
 
一連のギャグパート書き終えてから、本編のダイジェスト編集したからあんなノリになったんだよっ!!
取り敢えず謝れっ!?この崖っぷち武者ドル野郎っ!?!?( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン(核爆)
 
 
 
(´-`).。oO(それよか、久々にCGでイラスト書くとか豪語しておきながら、クリップも継ぎ目も消さないでセリフだけCGとか、普通にクオリティが酷すぎるwww
 

ここに描いたのは、世界線を越えて捧げる事を誓った「思いの物語」である。

ここまで通読してきた諸君には、多くを語るには及ばないであろう。
全ては、正反対の性格を持つ二人の少女と、奇跡の顕れである心を宿すぬいぐるみに託したつもりだ。
…まぁ、紙面の都合(?)でダイジェスト版になったけどw

You gods, will give us. Some faults to make us men.
(神は、我々を人間にするために、何らかの欠点を与える。)


自らを否定する存在として『他者』を見る時、それは人だけに限らず、この世界そのものにさえ同じ性質があると言えよう。
自身と無関係に世界は回り、自身がこの世界から去っても何事もなかったかのように続いていく。
無関係であるとは、主体認識の立場から言えば実質存在しない事と同義である。

だが、それを嘆く必要はない。
それが“在るべくして在る”のならば、そこにただ在るだけの事象に良いも悪いもないのは自明だ。
それに恣意的な意味付けをするのが人ならば、自らの意思で定義できるのも、また人だろう。
そして、世界と無関係である事が、必ずしも世界を構成する全てと無関係である事と同義ではないように、“欠陥”についてもまた同じ事が言えるのではないだろうか。

物語の中で、三人は互いの手を取り合った。

だが、僕たちの多くは手を取り合う事もできない。何処かで出逢ったとしても、恐らくは顔も知らずすれ違うのだろう。
もしかしたら、互いの認識の中のみで立ち上がるボクたちの存在は、電子のネットワークを超えた瞬間に低解像度のポリゴンのように分解消滅する、魔法のような存在なのかもしれない。

では、この存在の拠り所のなさが、心を通わせる妨げになるだろうか?
…答えは口にするまでもないだろう。

誰に否定されようとも一度きりの人生、次の機会はいつ巡ってくるかも分からない。
そしてボクたちは、この架空の物語に生きる三人と何ら変わらない。
ならば、三人が信じた心の絆を、ボクたちも信じて酔いしれるのも悪くないだろう。

あたかもオベロンの魔法にかかった、一夜の夢のように。


「魔法」

改めてこの言葉を聞いて、貴方はどのような印象を持っただろうか。
そう、それは、この世界に確かに存在する“心が生み出す奇跡の力”なのかもしれない。

貴方は、この魔法の中で生きる事を願いますか?
それとも、魔法の夢から醒める事を望みますか?



ここから一旦一番下まで下がって、上に向けて読み進めて下さい。
「夏の夜の夢」が醒めれば、変わらぬ明日が今日もまた立ち上がるように。

Lovers, to bed; 'tis almost fairy time.
(恋人達よ、さあ、ベッドへ。もう妖精の時間だ。)


饗宴の後に残された寂寥感。それは歓喜を知る者のみが味わえる孤高の体験。
それと同じく、変わらぬ明日は、まだ見ぬ最良の明日への永遠の架け橋と言えるかもしれない。
今日を生きぬものに明日は訪れない。そして、今日という生に幸福を感じられない者が、どうして明日を幸福に過ごせると言えるだろうか?

明日という日が、今日より素敵な一日になる事を祈って…
キュアップ・ラパパ!あなたに素敵な幸福が訪れますように!!
 

















 
 
うっわ、まさかのこのタイミングかよっ!?Σ(´∀`||;)
 
オンリーワンの強烈な否定の意思、来ちゃったよ…(;´Д`)
 
 
 
 
【関連】Principle Cubed - Everlasting Friendship(完全版) [Chapter.I] Episode.1 <厄災>
https://ameblo.jp/layer-zer0/entry-12338958190.html
※新年会コンテンツ最終日のアップ完了後に、ノーカットの完全版を公開します。たぶん(爆)
※2017/12/26追記
 
【関連】Pretty Cured Good Things - Road to The Grand Princess -
※同じプリキュアシリーズ繋がりという事でw
 
【関連】天遣わし旧き風、凪がれ留まり去り行くまで
※仮面を取ったふるふろ丸の件はこちらまでw
 
 
--- ここから ------------------------------------
 
 
 
 
※だいたいこんな世界w
 
 
※補足
ここから既に纏めページ公開済みの「新春・お見合い大作戦」における「なりきりリリアネタ」が始まるわけだが、相変わらず画像加工の面倒さに割り切れない中、敢えて時系列下から上バージョンを再作成する辺りに、私の職人気質を感じてもらいたい! (๑・ิω・ิ๑)yー~❤ (笑)

ちなみに、どれくらい職人気質かと言うと…

幼き頃の阿乱少年が好んで使った必殺技「邪道・噛みかけガムで髪の毛タッチ♪(。・ ω<)ゞテヘペロ♡」の後、取れなくなったガム周辺の髪を、繊細且つ大胆に見習い美容師の如くキューティクルの粉を吹かしながらカットしてあげていたくらいに…
って、阿乱少年!何て恐ろしい技を体得していたんだっ!?((((;゚Д゚))))(爆)


全米が恐怖に震えない、幼稚な時をもう一度!
悪夢の瞬間の無限連鎖に、キミはきっと耐えるまでもない!
決して一人で見ないで下さい。そして、二人以上でも見ないで下さいw
21世紀最小のロマンホラーの駄作が、今ここに復活!? (๑・ิω・ิ๑)yー~❤ (爆)

 
【参考】[9Tの新年会2017] 外伝 ~新春お見合い大作戦~
 
 
【補足】
物語の時系列としてはつい昨日となるが、現実世界の公開リードタイムとしては、ディアボロのスタンド能力「キング・クリムゾン」を駆使して吹き飛ばしたい程度のタイムラグが存在するので、蛇足ながらコピ・ルアクの件を再掲しておきたいと思う。

やっさん:
阿乱さんには、やらないよ( ゚д゚)
阿乱のあるじゃん!びちぐそンタルだったかな?

※注1: やっさんの団「Son屹立」の作戦板を、何故か俺が奪うと勘違いしたと思われるやっさんの発言(爆)
※注2: 俺の団「バーナル・レイン」が、システム仕様でやっさん所有の個人団になってしまった経緯があったので、恐らくその経験を踏まえての発想と思われるが、やっさんの思考ロジックを理解するのは難易度的にはフェルマーの最終定理と同等程度と思われる(核爆)
※注3: 今回の新年会契機でやっさんから「バーナル・レイン」を戻してもらったが、フル・フロンタル大佐合流のタイミングで「ビチ・グソんたる」に団名変更した事実を、ついでながら補足しておくwww


やっさん:
元をただせば、阿乱さんとハルカさんの愛の巣が(((;・∀・)

阿乱:
そうだな。
ケ…HRKとの思い出の地も、ビチ・グソンタルに蹂躙されてしまったな(´-ω-`;)ゞ

敢えて口にするのもおぞましい不謹慎な言葉を使うと…
クソまみれだ…(;´Д`)
猫毛だらけだ。やめられない、止まらないだ。
合体させると何になる?

はい!分かった人、挙手!(・∀・)/
これも早揉み問題ね?(。・ ω<)ゞ