【SIDE LUHAN】
髪が濡れたままのミンソクを部屋に残して、はす向かいのジョンデの部屋をノックする。ドアの向こうに人の気配がして、チェーンをかけたまま、半分ドアが開いた。
「イシン、いい加減に…」
と言いかけて見下ろすと、ジョンデの黒い瞳が見上げていて、僕は目をぱちくりさせた。
「いったん閉めてあけるからちょっと待ってね、ヒョン。」
部屋着の上にホテルのバスローブを引っ掛けたジョンデがそう言ってドアを閉め、チェーンを外してドアをあけた。
「…なんでお前が出てくるんだよ。」
言いながら部屋に入って、目の前の光景に唖然とした。
「…てかなんでイシンが寝てるの、お前じゃなくて。」
本来ジョンデが寝ているべき…と思われる…ベッドに、両足を投げ出してもたれかかったままのイシンは小さく寝息をたてていて、空いているほうのベッドからはがしてきたらしい毛布がその身体にかけられていた。
「ジョンデが眠れるまで一緒にいてあげるね、って言ってたんだけど、」
点滴を受けたのがよかったのだろうか、さっきよりは少し顔に赤みの戻ったジョンデが小声で言う。
「…僕よか先にイシンヒョンが寝ちゃった。でもこのままだと風邪を引くから。」
僕はあきれて頭を振った。
「…そういうときは起こせ。あと熱があるんだから裸足でうろうろするな。早くベッドに戻れ。」
矢継ぎ早に言うとジョンデは、はいヒョン、と素直に言って、寝ているイシンの足を跨いでベッドにあがった。
髪を乾かしてからやってきたミンソクを部屋に入れ、規則的に上下するイシンの肩を蹴飛ばす。イシンはそのまま横に倒れて、何か口の中でもにょもにょ言いながら毛布を抱きしめた。…ダメだこいつ。
「熱は?」
ミンソクが聞く。
「さっきまで寒かったけど、今はちょっとあついぐらい。頭はもう痛くない。」
と答えるジョンデの額にミンソクが自分の額をあてる。キスでもしそうな距離で、ちょっとドキっとした。
「まだ高いな。」
言いながらミンソクは毛布をジョンデの肩までひっぱりあげて、包み直してやった。
「イシン、起きろって。」
床に転がっているイシンの耳をつまんでひっぱりあげると、
「あー、なんだよぉ…」
と中国語で言いながら目を閉じたままのイシンが僕の手を払いのけようとする。
「起きろ。」
中国語で言い直すと、イシンががぱっと身体を起こしてきたので、油断していた僕はちょっと焦った。
「…起きた??」
「あー、…」
イシンは何かを言いかけたが黙り、半分あけていた目を再びとじてまた毛布を抱きしめにかかったので、首根っこをつかんで立たせ、抱いている毛布を引っぺがして、引きずるようにして部屋に連れ帰った。
…to be continued
(なんか思ってたよりなかなか終わらない。すみません。)