【SIDE LUHAN】
放り投げるようにしてエキストラベッドに横にして毛布をかけてやると、イシンはあっという間に規則的な寝息を立て始めた。なんというか、この男はよく寝る。移動中だろうと、楽屋だろうと、15分ぐらい時間があればたいていの場合は寝ている。にしても、弟の見舞いにいって眠りこけた挙句に毛布かけてもらうとかどうなんだ、と僕はひとり頭を振った。
シャワーを浴びて、髪を乾かす。だいぶ時間が経ってから、ミンソクが部屋に戻ってきた。
「汗かいてたから着替えさせてきた。まあ明日には下がるよ。」
言いながらそのまま毛布の隙間に滑り込む。
「寝た?」
と聞くと、ああ寝た、とこだまみたいにミンソクが返す。ミンソクは余計なことはあまり言わないから好きだ。僕たちはとても気が合う、と思う。
「そっちは。」
とミンソクが聞いているのはイシンのことだ。短い言葉だけど僕にはわかる。
「寝た。っていうより起きてないよ。」
「ああ、そうだな。らしいや。」
ミンソクは鼻でくすっと笑った。僕は片耳だけ指していたiPodのイヤフォンを外して音楽をとめ、身体をミンソクのほうに向けた。ミンソクも僕のほうを向いてひじ枕をしている。
「なんでも、子守唄を歌ってやったらしい。」
「子どもかよ。」
「『中国語だから意味よくわかんなかったけど、いい歌だったの。覚えて中国で歌いたいから、またイシンヒョンに歌ってもらうんだー。』ってさ。」
「…歌いながら寝たのか。」
「ということになるね。」
また、ミンソクが鼻で笑う。僕たちはとても気が合う、と僕は思う。
「『イシンヒョンに歌ってもらうんだー。』か。」
「『歌ってもらうんだー。』」
僕らは歌うようなジョンデの口調を真似て、イシンを起こさないようのどの奥で笑う。よかった。たぶん、明日には皆、いつも通りに戻っている。心配したりイライラしたりして過ごした長い一日の疲れが急に瞼をひっぱりはじめ、僕は本格的に枕に頭を預けた。
「…ミンソガ。」
名前を呼ぶと、目だけで『ナニ?』と聞き返してくる。
「なんでもない。おやすみ。」
「おやすみ。」
…to be continued
(まだ終わらない。しかもるーみんになってきた…)