AIで加工した他人のイラストを表紙に使用…「収益ゼロ&即削除」でも罪になる? | lawyergunのブログ

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Web小説や同人作品を公開する際、

「ネットで見つけた素敵なイラストを、

AIツールで少しアレンジして表紙に使ってみた」

というケースが増えています。

 

後から他人の作品だと判明し、

慌てて削除したものの、

「収益化していない無料連載でも処罰されるのか?」

「コンテストの受賞資格はどうなるのか?」

と強い不安を抱えてしまうクリエイターの方も少なくありません。

 

今回は、AIを使った他人のイラスト加工と、

非営利・即時削除の場合の法的な責任について分かりやすく解説します。

 

 

 

 

収益ゼロ・即時削除でも「著作権侵害」は成立する

結論から申し上げますと、

利益を得ていなくても、すぐに画像を削除したとしても、

「著作権侵害」そのものは成立してしまいます。

  • アップロードした瞬間に侵害となる

    他人の創作性が認められるイラストを、

    無断で作品の表紙としてネット上に公開した時点で、

    法律上の「複製権」や「公衆送信権」の侵害が発生します。

  • AIツールを通しても免責されない

    「AIで加工・変形したから別の絵になった」という主張は通用しません。

    元のイラストの特徴や創作性が残っていれば、

    無断改変による「二次的著作物作成権」の侵害や、

    著作者人格権(同一性保持権)の侵害が問題となります。

 
 
 
 

刑事処罰の可能性:原則として「親告罪」が適用

では、すぐに警察に捕まって刑事罰を受けることになるのでしょうか。

幸いなことに、その可能性は極めて低いと言えます。

  • 「親告罪」のルール

    営利目的や常習性がない単発の著作権侵害は、

    「被害者(原作者)本人が直接警察へ告訴状を提出しない限り、起訴できない(親告罪)」

    と定められています。

    捜査機関が自ら動いて処罰することは原則としてありません。

  • 有利に働く事情

    「無料連載で収益が一切ないこと」

    「無断利用に気づいて自ら即座に削除したこと」

    これらの事実は、万が一警察沙汰になった場合や賠償額を計算する際、

    利用者に非常に有利な事情として考慮されます。

 
 
 
 
 

刑事罰を免れても残る「民事賠償」と「コンテスト失格」のリスク

刑事処罰のリスクが低くても、

以下の2つの問題には注意が必要です。

  • ① 民事上の損害賠償請求

    利益が出ていなくても、原作者側から

    「通常のイラスト使用料(ライセンス料)に相当する金額」や、

    著作者人格権を侵害されたことに対する慰謝料を請求される余地は残ります。

  • ② 公募展・コンテストの受賞取り消し

    多くの公募展では、応募要項に

    「他人の権利を侵害した作品は受賞取り消し・資格剥奪」

    という規定を設けています。

    法的な裁判で勝てたとしても、規約違反によって失格になるリスクがあります。

 
 
 
 

トラブルを防ぐための初動対応

もし心当たりがある場合や、原作者から連絡が来た場合は、

冷静に以下の手順を踏むことが大切です。

  • 使用経緯と削除の証拠を残しておく

    使用していた画像、差し替えた日時、

    公開していた期間やアクセス数などの記録を保存しておきます。

  • 法外な示談金には即答しない

    原作者から連絡があった場合、まずは誠意を持って事実関係を説明し謝罪することが先決です。

    ただし、相手から相場を大きく超える法外な示談金を要求された場合は、

    その場で合意(即答)せず、専門家に相談して適切な相場を確認しましょう。

 
 
 
 

まとめ:AI時代だからこそ、権利関係の事前確認を

  1. 非営利・無料公開であっても、他人の画像をAI加工して使うと著作権侵害になります。

  2. 営利目的がなければ原則「親告罪」となり、原作者の告訴がない限り刑事罰は受けません。

  3. コンテストの失格処分や、使用料相当額の民事賠償リスクは残るため、迅速な対応が必要です。

創作活動を安心して続けるためにも、

AI生成・加工を利用する際は、ベースとなる素材の権利関係に十分注意しましょう。

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