こころを病んだ旅人 一人旅
暮れゆく空に お月さん 一人旅
お～い 何してるんだい と旅人
なんということはないんだが 毎日おなじことやってるよ
昇って 降りて また昇って 降りて
姿は毎日かえてるよねぇ
まあね あたりまえの満ち欠けだね
たまには地上におりて 海で泳いでみたいなんて 思うよ
わたしの方は 辛くて悲しくて 生まれてきたことを呪うよ
なんのための人生なんだろう 人生にどんな意味があるんだろう
俺も 月なんて呼ばれてみんなが知っている有名人だけど
たった一人で 永遠に死ぬこともできないんだよ
永遠の孤独だよ 永遠に孤独に生きなければならないなんて
君なんかいいよ 辛くても悲しくても その気になれば友達をつくれるじゃないか
友達をつくる気にもならないほど辛いんだよ
でもねぇ その辛さは どんなに長くても生きている間のことだろ
そりゃそうさ 生きているから辛さを感じるのだから
俺の方は 永遠の 永久の 終わることのない 絶対的な 孤独なんだよ
そうか この辛さはどんなに長くても せいぜい 生きている間か
だったら たとえば その辛く感じる期間を短くするように 工夫してみたらどう
そうだねぇ 死ぬ一年前までとしようか いやいや死ぬ五年前までにしようかな
それとも あと一年限りにしようか
その調子！
あぁ なんだか 辛さを感じるのが ばからしくなってきたよ
もう一回 頑張ってみようかな お月さん ありがとね すっきりしてきたよ
じゃ 俺はこれからまた いつものように 昇って降りての旅に出るから
お月さん ありがとう 元気でね
旅人が背筋をのばししっかりと歩み出すと お月様に話しかける人物がいました
元気をつけてあげたんだね
はい神様 お言葉のとおりにいたしました・・・・
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