知らない間に「合鍵」が勝手に作成され、その「合鍵」が使われた犯罪に巻き込まれるというのは、昔からありがちな事件です。信頼して預けた鍵から「合鍵」が作られたり、ロッカー等から鍵を抜き取り「合鍵」を作った後で何くわぬ顔で元に戻したり、あるいは「合鍵」の作成を頼んだ際に別途複製されたり、不動産仲介や管理に携わる関係者が絡んでいたり…等々。
 

これらは一時的にせよ「鍵」そのものが第三者の手に渡ることで、「合鍵」作成のチャンスを与えてしまうケースですが、最近は新しい傾向というか、新しい手口があります。メーカー名と鍵番号から合鍵(本鍵)を入手するケースです。いまやもうメーカーと鍵番号さえわかれば、インターネット取引で鍵を取寄せることだって可能なのです。
 

実際に、鍵番号を「盗み見」してネットで合鍵(本鍵)を取り寄せ、それを使って他人の部屋に侵入したという事件が幾つも起きています。最近も、不動産管理会社の職員を装い女性の部屋を訪ねて鍵番号を調査し、そのうえで鍵を取り寄せて犯行に及んだという事件が報道されていました。鍵番号の危険性が知られていないため、被害者側のガードが甘くなったケースと言えるでしょう。
 

クレジットカードの番号については、誰も第三者には教えたりしないと思います。ところが、鍵の番号については気に留めていない人が多いのではないでしょうか。机やテーブルの上に置きっ放しにしていると、知らぬ間に鍵番号を控えられてしまうおそれが十分にあります。SNSに鍵の写真を載せてしまうことが言語道断でどれほど危険なことか、もうおわかりですよね。
 

普段持ち歩くのは、「本鍵」ではなく「合鍵」にした方が安全でしょう。「合鍵」には「鍵番号」がついていないからです。やすりなどで「本鍵」から「鍵番号」を削るのも有効です。さらに、キーホルダーを大きな目立つものにしたり、鈴など音の出るものにすることで、第三者が「鍵」に触れにくいようにする工夫も必要でしょう。
 

ともかく「鍵番号」を知られてしまったら、家に侵入される危険性があることをどうか肝に銘じてください。
 

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/